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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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反応なき空

「……やっとね!」


私は山道を登り切り、目の前に広がる建物を見上げながら思わず声を上げた。


山頂の国境付近。空を監視する為の――電探施設。


「おお……」


思わず少し感動する。想像していたより。


「壮大ね……」


巨大な支柱。組み上げられたアンテナ。

補強された建物。風対策もされている。


「ちゃんと形になると、やっぱり凄いわね」


文官も少し誇らしげだ。


「予定通り完成しました」


私は満足そうに頷いた。


「良いわね」


これが動けば空からの脅威を早期発見し、迎撃準備。


「これで少しは怖くなくなるわよー!」


発見が早まれば対応も早くなる。

それだけで――大きい。


私は早速、施設内部へ。

配線。制御盤。反応盤。

異世界仕様とはいえ、やろうとしている事は同じ。


「で?」


私は振り向く。


「試験結果は?」


技師達が少し困った顔をする。


「それが……」


私は首を傾げる。


「何?」


一人が恐る恐る言った。


「お嬢様……これ、反応あるんですかね?」


「……」


私は少し黙った。盤面を見る。


「……無いわね」


反応。無し。静か。非常に静か。

私は腕を組む。


「うーむ……」


壊れた?いや。


「いや、無い……と思われる?」


技師達が首を傾げる。私は少し考える。


「そりゃそうか」


今の空は、平和。何も飛んでいない。


「目標物が無ければ反応しないわよね」


地上試験では確認済み。

壁。大型金属板。近距離。


「反応はあった」


だから。


「壊れてはいない」


……多分。私は少しだけ不安になる。


「多分」


だが理屈上は問題ない。文官も頷く。


「確かに目標が無ければ、確認になりませんね」


私は額に手を当てた。


「……そうなのよ」


完成したが。


「確認できない」


使えるのか。使えないのか。

判断材料不足。私はしばらく黙る。


「……さて」


どうする?空を飛ぶ物。

人工的に確認できるもの。

私は考える。


鳥?小さい。

魔物?危険。

偶然待ち?遅い。


「うーん……」


私は視線を上げる。

青空。


「どう確認するか……」


その時ふと頭に浮かぶ。


「……気球?」


私は小さく呟いた。


技師達が一斉にこちらを見る。


「え?」


私は少しずつ考えを整理する。


「大きい空に上がる。こちらで制御できる……確認できるかも?」


私は少し笑った。


「面白いじゃない」


飛ばす。確認する。反応を見る。

それなら――


「試験になる」


私は即座に振り返った。


「文官さん」


「はい!」


「気球ってのを作るわよ!」


「……は?」


私は笑った。


「確認方法が無いなら、作ればいいのよ」


地下都市は今。

空を見るだけでなく――“空に試験を持ち込む”段階へ進もうとしていた。

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