第87話 反撃開始!!!
柳津とセリナが中団後方側で争う中、紅い戦闘機がユナのスローダウンをうまく使い4位に浮上してきた。目の前には大橋と大型クランクが迫ってカナタの視界から見えていたーー。
先頭グループに再びたこ八前のクランクと高速ベッドが迫ります!!!!
高速ベッドを抜けた先は低速バンク-----!!!!!
単独で独走中なのはR35GTR相川律!!!!
このまま3位をキープできるのかァァァァ!??
風が重い空気に包まれていく。
相川のR35は、重厚な加速と四輪駆動のトルクで道の王者のごとく
先頭グループを突き進んできた。
相川「......この区間はR35の得意分野だ__!
もう、、、誰も俺に並ぶなんて___...」
その瞬間だったーー。相川が気配を察知し一瞬だけ目線を後ろに向けると
紅い戦闘機が張り付いていた----!!!!
悲鳴のようなスキール音が背後から追ってくる!!!
相川「……!?ッだよ!?」
ミラーを一瞬見る。
『ハッ』と相川が気がついたときにはもう遅かった。
そこにいたのは——
真紅の光ッッ!!!
きたぁぁぁぁああああ!!!!
腹切カナタァァァ!!!!!
紅の86がR35の背後に完全に喰らいついてきたぁぁあああ!!!!」
ドンッ!!!!!!!
ギィィィィィィィィンッッ!!!
轟くようなタイヤの悲鳴とエンジン音が背後から迫るーー!!
ガードレールギリギリをGT-RのV6エンジンの咆哮が唸っていく。
どこを見渡しても単独で相川の35が走ってる...そう彼は、思っていた。
しかしその瞬間ーーッ!!!!
相川「......!いつの間にいたのかよッ!!!」
あああああああ!?????
ミラーから覗くとそこには紅い戦闘機が
獣のように迫ってきているゥゥゥー!!!ついに腹切カナタがまさかのV6ターボエンジンのR35と互角に勝負してしまうのかァァァ!!!!?
これは、必見!!!!!
前代未聞の事件が勃発中ーーーッ!!
思わずステアリングを握る相川の両手に汗が滲んでいくーー。
この感覚ーーー。レースというより戦だ......。
自分とたったひとりの相手しかいない一騎打ちのようなモンだーー。
......だが、おかしい点が山程あるが一番気になるのが一つーー。
なぜお前はこんなストレートや高速コーナー続きのコースでそんなにリードできる?
普通だったら俺のRの加速に圧倒的においてかれるはずだぞーーー!??
......なんでなんだよーー。せっかくこのまま上位でやり過ごせると思ったのにーー。
お前は、ベテランブレイカーか......?
当然、腹切カナタの走りは異常だった。
ライン取りはR35と全く違う。
アウトから侵入して壁スレスレでエイペックスを切り抜けていく。
進入時にスロットを緩めずにノーブレーキングのまま立ち上がっていくーー!!!
カナタ「すみません相川さんッ.....この86は俺の魂です__!
止まる気なんて...ないんだよッ!!!!」
相川「チィッ!!!...だが、やるな!カナタァァ!!!!!
この俺自慢の35についてくるとは___!!
トヨタも歴代のRたちもきっと心ではお前に寄り添っているかのようだぜ__!!!!」
R35のエンジンが怒号を上げるーー
だが、その出力でさえも曲がり角ではあの紅い戦闘機には勝らない立ち上がり。
相川の35のV6エンジンも速いが、86は少しうるさくも高鳴る轟音を響かせてスラリと前へと突き進んでいく。
そして、並んだーー!!!!
橋の上、辺りはいつの間にか青い空からオレンジ色へ!
夕焼けを背に二台のマシンが大橋を並ぶ!!!!!!
全世界がライブを視聴して声を失う中、実況が叫ぶーーーー!
並んだァァァァァァ!!!!!!!!
R35相川とーー紅い戦闘機腹切カナタが松川浦大橋で意地と意地のバトルォォォォ!!
86対GTRの決着はどうなる____ッ!???!?
順位、前回と変わらず。




