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28 王都探訪

たどりついた

かつ、かつ、かつ


石畳の王都を歩くわたしたち


1000年の都

あぁ実際にはここは600年ほどしかたっていないとか聞いたっけ


午前中早目にレイチェルさん、ううむいけない

『お友達』であるとしても

仮にも、世界1だか2だかのお金持ち

それにゼクストレーメ家だってしっかり爵位も持っている

一般人のわたしたちが、さん呼びはきっと問題があるだろう

うかつに口にしないように

やはり、『レイチェル様』にしておかなくては


さて、早朝『レイチェル様』の御屋敷を辞したわたしたち

美味しかったなぁ、ご貴族様の朝食

けっふん、わたしたちは、一度歩いてみたいということもあり

馬車でなら、4,5時間、普通人なら半日強、そんな距離にある王都

そう、『王都エスペリ』にやってきた


まず行く先は

滞在中過ごすレイチェル様ご指定のお宿

ほほん、いやぁさすがというかなんというか

当然のことだけれど、安宿ではない

顧客を絞った閑静なお宿


ざわめく王都にありながら、華美でなく

忙しく働くであろう顧客を心地よく癒す

レイチェル様のだか、ステフさんのだか

はたまたアスティナさんのお手配だか知らないけれど

いいところを知ってるなぁというか

自費でなら、やっぱり怖くて手が出ない

というより、わたしたちではここの存在を知りもできないだろう

そういう宿だ


そして、部屋には数着の普段着までご用意いただいている

邪魔でなければお持ち帰りくださいとこうある

サイズぴったり

むぅ、考えたくない気がしなくなくもないが

まぁ、ステフさんのご差配、そういう気がする

さすがに冒険者の衣装で、図書館に突撃はできないものね

折角だし

王都では物騒な装備はマジックボックスに仕舞っておくとしましょうか


そして、一応何か必要があった時の連絡先として

これは、さすがにゼクストレーメではなく、ステラリアの商館

ここを教えて頂いた


万事、お手配が行き届いているというのは

なるほど気持ちよい


夕食はお願いしておくとして

とりあえず、場所を聞いて行った先


とちん、かちん

心地よい音が聞こえてくる

そう、ここはドーラスさんのご紹介先

ドーラスさんのお兄様が営まれるという武具店さんなのだが


どっかん

ふへ?

「おとといきやがれ、この大馬鹿野郎がぁ」

「だっ、だれがくるかぁ、ここは王都だぞっ、こんな腐れ鍛冶屋に誰が来るかぁ」

「おうともよ、ほれ、忘れもんだぜ」

「う、うっわ、投げるんじゃねぇこのくされおやじぃ」

「あんだとぅ、なんならこの数打ち、へし折ってやろうかぁ」

「や、やっめ、おねがいします、高かったんです、それ」

「けっ、てめぇにゃお似合い、大事に手入れしてやんな、おんじゃな」


うっは、さすがドーラスさんのお兄様ってだけはある

先程放り出された、うん冒険者さんだよね、剣と盾かぁ

地面にこれはお口の割に、そっと置かれたやつをわたわた回収している

「あん?嬢ちゃんたち、見せもんじゃねぇ、こいつがかわいそうだろぅ

 とっとといきな」


ほう、結構優しいところもあるなぁ

「恐れ入ります、リンデのドーラスさんにご紹介いただきまして

 こちらに伺いました

 こちら、ドーラスさんからお預かりしたご書状になります」

お姉さまがさらり、一礼の後、例の紹介状をドーラスさんそっくりな

矮躯、幅広、長いおひげ

うん、やはり、ドワーフってことになるのだろうか

先程の、元気のいい小父さんに渡す


「あぁん?

 ドーラスの野郎だとぉ、ちょいと待ちな

 どれ、ほぉん

 ま、工房で話を聞こうか」


渡された紹介状

あちらでも、こちらでも、基本、無封函

託された側が読んでよい、そういうもので助かった

多少面映ゆくもあったが

わたしたちのことは、経験こそ少ないが

ふたりでオーガ、マンティコアを倒せる冒険者

特にお姉さまの装備は家伝の逸品で素材も不明だが

出来るようなら手入れだけしてやってほしいとこうある

わたしの方は、例のマンティコアコーティング?の鎧のことだけ


「やつぁ、元気でいるかぃ?」

「とっても」

「締め上げられたかよ?」

「多少は」

「くっくく、見せな」

かちゃ、かた、かたり

二人の武具を工房の卓上に広げる

「・・・・・・

 なんだよ、こいつは、おめえどこの

 ・・・は聞かないでやってくれとあったな、よし、きかねぇ

 眼福といっておかぁ

 へっへ、こいつを見たときのドーラスの顔が眼にうかばぁ」

「うふふ、良いお顔でしたよ?」

「見入ってやがったろう?」

「ええ、しばらくは」

「自動修復するってか?」

「の、ようです、理屈、由来は存じませんが

 家人からわたくしの使うものとして渡されました」

「おめぇどこの騎士さまでぇ・・・あ、すまねぇ、聞かねえよ

 ま、いいや、今は問題なかろう、手入れくれぇはしてやるさ

 そんときゃ、きな

 こっちはマンティコアの素材を使ってるわけか

 けっドーラスらしい細工だ、ま、問題ねぇな

 大傷でも、まんがいつ付くことがあれば補修くれえはしてやるさ

 後は、剣だな、いるようになったら来な

 こいつの上はまじないもんになるだろうぜ

 王都は広い、うち以外にもいい店がある

 縁で頼られるのも嬉しいが、腕で選ばれるのは職人の勲章よ

 おっしゃ、ともあれ、ドーラスの野郎が元気と伝えてくれて

 嬉しかったぜ

 店員には言っておくからいつでもきなよ、おんじゃな?」


ある意味あっさり、でもこれが気持ちよくもあった

店員さんにわたし用の剣を少し見せてもらってお店を辞したが

なるほど、切れ味強化以上の剣は1000ギニーからかぁ

断罪剣あるしなぁなどと思いつつ

宿に帰って二人だけで夕食を頂いた

ダイニングがいくつか設定されているらしく

他人の目を気にしなくてもよいようだ

ほんと1泊おいくらギニーかしら

まぁこれもドーラスお兄さん、あ、ターレスさんだっけ、うん

そのお言葉じゃないが、聞かないことにしておこう


そして

入浴

そのあと

うん、そのあと

わたしはお姉さまに抱かれている


といっちゃうとえっちなんだけれど

久しぶりの二人きり

ぴったりと

おねえさまとぴったりと

二人きりで抱き合って

長い長いキスをしたあと


「お姉さま、わたし怖いんです」

そういわずにはいられなかった

だからまず、お姉さまもこうしてわたしをしっかりと抱いていてくださる

「ええ、『聖鎧騎士』のことね?」

「はい、せっかく向こうのあれこれを放り投げてこちらに来られたっていうのに」

「まだ何もわかっていないわ、遥、それに、ね?」

「なんでしょうか?」


なんとなくわかっていながら

わたしはお姉さまの清いお胸に頭をぐりぐりと押し付ける


「うふふ、甘えんぼさんね、遥は

 ええ、これはわたしにも言える、そう思うけど

 今度は一人一人じゃないわ

 うふ、ふたりで立ち向かいましょう」

「はい・・・はいっ」

 

そう、なにがあっても、今度はお姉さまと二人

うん、負ける気がしないな

そう、運命ってやつがわたしたちを決めるんじゃない

わたしたちが自分の運命を決めるんだ


あちらで流した涙にしたところで

それはわたしたちが自分で選んだものだもの

今わたしが顔を寄り添わせているお姉さまのこの清いお胸

いま、そこに傷はないけれど

わたしが断罪剣を滑らせたことだって

それはわたしが選んだ結果

それを、聞いてはいないが多分わざとお受けになったのも

それもお姉さまのご選択


ふたり、いまさら後悔などはしていない

口にだしてふたり安心して

うん、そして翌朝

わたしたちは王都の中心部にある『王立図書館』を訪れた


実は、入るところから少しだけ苦労した

というのも、マジックボックスにチェックが入る


考えてみれば当たり前

マジックボックスに揮発性の油でも入れた樽とか

大量に持ち込まれでもすれば

外部からの魔法干渉は防御ができているにせよ

中で燃やされてはたまるまい

とはいえ、内部にも、特別な防御はかかっているそうだ

スプリンクラーのこちら版みたいなものだろうか?


ステラリア家名義の紹介状の絶大な効果がなければ

いろいろいろとうるさいらしい

とはいえ、わたしたちには

「ここでのご狼藉は、上は族滅

 下でも、場合によっては反逆罪相当に値しますのでご注意を」

などど、司書さんにご注意は受けたが無事入館できた


そして、まずは気急きの例の5冊

司書さんに相談し

本日はそれすべてをまずは確認

あとは、5日間でゆっくりと閲覧しつつ

他の本をとそういうことにしておいたのだけれど

『「ファラスネス」の成立と滅亡』

『王国の成立とファラスネス侯爵』

『「エスペリ年代記」 その虚実』

『ローグ大陸大地図帳』

『旅愁の古跡』


こんなの気にならない筈はない


これは、と書かれている言語がモノによっては『古語』になっても

飛ばされものの特権という奴か知らないが

異世界言語を読める、わかる、の中にはそちらの能力も含まれていたらしい

本の内容はわたしたちも理解ができた


出来たが

「ほとんど何もわからないんですね?」

「そうねぇ、同時代のがないのよねぇ」

などと、ふたりで顔を突き合わせるようにして

検討を始めた時

「ファラスネスの古跡をおたずねに?」

儚くも美しい

そんな女性がわたしたちにお声をかけてこられたのだった


次回戦闘はちょっと微妙に

まぁ、遅くとも、次の次はやらかす予定

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