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第十一章 神の棺

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第千四百三十八話 引き寄せ合う

 シェスターの驚くべき発言に、カルラは二の句が継げなかった。


 だがそれはガイウスも同じで、それまであまり興味なさげだったものが、首を極端に前に出して素っ頓狂な表情でシェスターを見つめたのだった。


「……え、何?……世界が変革するって言ったの?」


 シェスターは大きくうなずいた。


「そうだ。もっと正確に言えば、その可能性があるということだった」


「相手は人間なんだよね?」


「そのようだ」


「そのただの人間と、俺が出会うと世界が変革する可能性があるって、イオーヌが言ったの?」


「そうだ。無論そう吹き込んだのは、ルキフェルだ」


「……ただ会うだけで……じゃあ偶然何処かで出会っちゃったらどうなるんだ?そりゃあ世界は広いし、万分の一の確率以下だろうけどさ?」


 するとシェスターがゆっくりとかぶりを振った。


「いや、互いがそうと認識している必要があるらしい」


「……互いが認識……それってもしかして……」


 ガイウスは何か言おうとして、途中で止めた。


 そしてしばらくの間、難しい顔付きとなって考え込んだ。


 シェスターはカルラと共にその間、静かに待った。


 するとようやく考えがまとまったのか、ガイウスが重々しく口を開いたのだった。


「……たぶん、そいつも特異点だな……」


 ガイウスの発言に、シェスターが大いにうなずいた。


「わたしもそう思う。というかそれ以外考えられない」


 するとカルラが小刻みに首を縦に振りながら言った。


「もう一人の特異点か……だがそうなると一つ疑問点が浮かび上がるな?」


 これにシェスターがすかさず答えた。


「はい。何故これまで出会わなかったのかという疑問点ですね?」


 これにカルラはうなずいたものの、ガイウスは怪訝そうな表情となってシェスターに問い質した。


「うん?だから世界は広いし、そうそう出会ったりはしないんじゃないの?」


 ガイウスの問いに、カルラが少々呆れ顔で言った。


「何を言っているんだお前は。お前自身の特性を忘れたのかい?」


「俺自身の特性?……あっ!そうか、あらゆる事象を引き寄せるって奴か!」


「そうさ。その引き寄せるの中には人物も含むんだ。だったらもう一人の特異点を引き寄せていなきゃおかしいだろう。何せ互いに引き寄せ合うんだ。力は二倍だろうさ」


「そうか……じゃあ何でだ?ていうか相手は特異点じゃないのか?」


 するとシェスターがそこで二人の話を引き取った。


「そこでですが、ルキフェルとサタンです」


 ガイウスはシェスターの発言の意味が判らず、ぼけーっとした表情で聞き返した。


「へ?……何?どういうこと?」


「先程の話しさ。思い出せないかな?」


 シェスターはそう言うと、ニヤリと口角を上げて笑うのであった。

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