第千四百三十五話 接触
シェスターの問いに、カルラがゆっくり大きくうなずきながら答えた。
「そんな気がしてならんのだ」
するとガイウスが首をひねりながら言った。
「いやあ~それはないんじゃないかな~?だってあいつ、最強だよ?俺あいつにコテンパンにやられたし」
「だがそれなら何故ルキフェルはお前にこだわるのだ?」
「……どういう意味?」
「お前はルキフェルからしたら、軽くひねることが出来る相手なのだろ?そんなつまらない相手に、何故ルキフェルは絡んでくるのだ?なにがしかの理由でお前にこだわっているのじゃないか?」
「……そうなのかな?」
すると横合いからシェスターが言った。
「確かにそうですね。やはりガイウス君が特異点だからでしょうか?」
「そうだろう。おそらくだが、ルキフェルにも特異点のなんたるかは、本当のところは判っていないのではないかと思ってな?」
「……だからこそこだわると?」
「そうだ。特異点がどういうものか判っているのなら、そう何度も接触しに来ないのではないか?」
「判らないからガイウス君にこだわり、なおかつ接触しに来ている。そしてイオーヌも……というわけですね?」
「ああ、そういうことだ」
するとガイウスが、先程よりもさらに首を大きく傾けた。
「う~ん……だったら余計に今この時を、何処かで観察しているんじゃないか?」
ガイウスの疑問にシェスターも同意した。
「確かに。ガイウス君がどのような反応をするのか、ルキフェルがガイウス君にこだわるというのでしたら、今まさに何処かで我々を見ているとわたしも思いますが?」
だがカルラはゆっくりと大きく首を横に振った。
「いや、見ていない……というより見ることが出来ないのではないかな?」
ガイウスはカルラの言葉の意味を計りかねた。
「どういう意味?」
するとカルラが真剣な表情となって言ったのだった。
「何故ルキフェルが度々ガイウスに接触を計るのか。それは特異点たるガイウスを別の場所から観察することが出来ないからではないかな?」
「俺を見られない?ルキフェルが?なんで?」
「覚えていないか?サタンの言葉を」
カルラの発言にガイウスが難しい顔となった。
「サタン?……サタンの言葉ってなんだ?……ちょっとよくわからないけど……」
カルラは軽く口角を上げると、静かにゆっくりと口を開いた。
「サタンは地獄の最下層に閉じ込められているが、何らかの方法を使って地上を観察していると言っていた。だが……」
するとガイウスがハッとした顔に変った。
「そうか!だけど、サタンは俺だけは見えないと言っていた。しかも、直接会ったにも関わらず、やっぱり俺が見えないって……」
するとカルラがニヤリと笑みを作ったのであった。
「そうさ。もしかすると、ルキフェルもサタン同様、お前のことが見えないのじゃないかと思ってな?」




