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第十一章 神の棺

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第千四百三話 館の造り

「あら、わたしたちの館にそんなに興味があるの?」


 イオーヌがシェスターをからかうように、笑いながら言った。


 シェスターは軽く肩をすくめ、言った。


「ああ、とても興味があるな」


「あら、そうなの?なら、教えてあげるわ」


 イオーヌは会話を楽しむように言った。


 シェスターもその辺を判っているのか、イオーヌに合わせるように言った。


「それはありがたいな。では教えてくれるかな?」


「う~ん……そうね。どう説明したらいいかしら?これって結構難しいわね」


「そうか?自分たちが普段暮らしているところなのではないか?」


「そうよ。そうだけど……ねえ、わたしが説明するのは難しいから、質問してよ。そうしたらそれに答えるわ」


 イオーヌの提案にシェスターが同意した。


「了解した。そうだな……それでは、どのような様式の建物なのかな?」


「様式?……そうね、それは普通じゃないかしら?今向かっているカルビンの邸とあまり変わりは無いわ」


「カルビン邸と?ならば普通ではないだろう。あの邸はカルビン卿の所有だけあって、かなり豪華な造りだからな」


「そうね、たしかにそうかも」


 あっさり認めるイオーヌに、シェスターが少々困り顔となった。


「……まあいい。カルビン邸と似ているということは相当に豪華な造りのようだが、大きさはどのくらいなのだ?」


「大きさか……カルビンの邸よりかは大きいわね」


 さらっと驚くべきことを言うイオーヌに、シェスターは思わず笑ってしまっていた。


「そうか、それは凄いな。世界最強国家たるローエングリン教皇国において、絶大な権勢を誇るカルビン卿の別荘よりも大きいとはな」


 言われて初めて気がついたとばかりに、イオーヌが驚いた表情を見せた。


「そうね。そう言われてみれば確かに凄いわね。でもわたしからすると、あの館しか知らないからしょうがないでしょ?」


「なるほど。確かに物心着いた頃から見慣れていれば、それが当然と思ってしまうだろうしな」


「そう、そうよ、それよ」


 イオーヌはさも嬉しそうに言った。


 シェスターはうなずき、さらに質問を続けた。


「ふむ、では周りには何がある?」


「周りって?」


「周囲の風景だ。外には出ないということだが、窓はあるのだろう?どのような風景が広がっているのかね?」


 シェスターの質問の意味を理解したイオーヌが、すかさず答えた。


「なあ~んだ。そういうことね。それなら……湖よ。周りは湖に囲まれているわ」


「ほう、湖か。それは風光明媚だな?」


 するとイオーヌの顔が微妙に曇ったのだった。


「……そうかしら?ずーっと見てるから、もう見飽きちゃったわ」

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