第41話 れいとうこはしゅごい
お昼寝から起きて私はピエールといっしょにキッチンに向かった。
パパがルルカと大きな箱を覗いていた。
「ん……フィー、起きたのかい」
「ぁい」
パパは私に気付くとすぐ抱き上げに来てくれた。
「フィーが前に言っていた冷える箱を作ってみたんだ」
なんですと!?冷蔵庫!?
「計算が合わなかったのか、冷えすぎてしまうんだよ」
なにーーーー!!!!!!!???????
「ひえひえでしゅか」
「冷え冷えだね」
「ア゛ア゛ーー、イターーーーァイ」
ピエールが興味津々で箱の中に嘴を突っ込んで、パキパキッて先っぽが凍った!?
「きけんでしゅ」
物を出し入れできないレベルだよ。
ちなみに中にはパパが試しに入れたらしいリンゴが入っている。
キンキンに凍った冷やしリンゴ……危険。
でもアイスクリームとか欲しいから調整が出来たら最高なんだなぁ。
「……これはやばいくらいひえひえでしゅね……」
多分マイナス100°くらい。マイナス20°くらいまで下げたら人の扱える冷凍庫になるかな。
パパに指の数で説明してみた。
五本の指が今の温度として、指一本分くらいまで下げて……あげて??
温度の概念とか伝え方がわからないので「これくらいひんやり」から「これくらい」にしてって。語彙力のない説明をした。
「ん……やってみる」
通じた!?
パパはルルカに箱をひっくり返してもらってリンゴを外に出してから、その場で箱の裏に何か書き込んで魔力を流した。
錬金術って完成するとき、びかーって光るんだね。魔法ってやっぱかっこいい。
「ピエール、覗くか?」
パパ、ナチュラルにひどい。
「ア゛ーア゛ーーー、イヤヨーー」
ピエールは、さっきのダメージが残っていないのは魔獣だからかなぁ。普通に箱に嘴を突っ込んだ。
え、アホの子……
箱に勢いよく差し込んだ嘴はほんのり冷えたみたい。
そして、ピエールの尊い犠牲のおかげで温度が良い感じになったのが確認できた。
「うん、大丈夫そうだな。フィー、何を入れたいのだい?」
「なまクリームのジャムまぜたやつでしゅ」
アイスクリームはまだ作ってないから無理だけど、生クリームはルルカが用意できるのでクリームもどきは作れるのだ。
手作りアイスのレシピなんて覚えていないけど、たしか卵を混ぜていたような……今はアイスっぽいものが食べられれば十分だね。果汁を凍らせただけシャーベットとかも美味しいよね。
「くだものをいれたいでしゅ」
冷凍庫が出来たってすごいうれしい。興奮が先に来ちゃって食べたいものが思い浮かばないよ。でも冷凍イチゴ、リンゴ、バナナはマストだ。
ひんやりスイーツをいつでも食べられるのはとてもとても良い。
とりあえず、凍ったデザートでおやつタイム。イチゴ、バナナ、やんわり凍ったジャムのアイスを実食する。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーー!!コワーーイ」
『舌が凍ったような冷たさだが……好きだな』
ピエールは冷たすぎて怖かったのかな。アルノーはすごいスピードで舌を出し入れしている。舌を空気で温めているの?
パパはジャムのアイスを抱っこしている私の口に一回運んだあと、一口口に入れてジーンとしている。
「これはとても尊い……ママにも食べさせてあげたい」
パパはうっとりした声でふうっと吐息を吐いた。
……アイスが尊いって初めて聞いたか。
って言うかパパ、ママのこと愛してるのねぇ。ママ、どんな人だったのかなぁ。
それより……私の口にももっとプリーズ。
アルノーとピエールがルルカにせっついておかわりを食べていて。
……ルルカが生クリームをいっぱい作り始めたよ。無くなる前に追加を用意するってすごく有難いよ……
そしとて、冷凍イチゴはピエールのお気に入りになった。
火の属性で、実は口の中が熱いとか……なんてことはなく、ただ好みだったみい。
アルノーはバナナ、パパはリンゴが気にいったらしい。それぞれ好みが違っていておもしろい。
私は……イチゴかな。ミカンも欲しいな。オレンジやポンカンみたいなのは街で売っていたけど、ミカンはなかった。
アルノーたちが森で見つけてくれるとうれしいな。
しばらくローペースになります。ゆっくりですが書いていきますのでよろしくお願いします。




