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転生しても、よくならない!! 〜死に戻りの能力あるけど、異世界生き延びることすら大変じゃない?モンスター強すぎというか俺が弱いのか?〜  作者: 一般人A


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第4話 -逃亡-

あれから何回繰り返したのだろう。

いや違う。

俺は数えていた。

その数


        15000


これで15000回目だ。

……いくらなんでも多すぎだろ。

でも仕方ない。

あいつはそれだけ強いのだ。

こんな一般人が普通に逃げられる敵じゃない。


あれだけ病んでた時間が嘘みたいだ。

俺じゃなかったら確実に立ち直れなかっただろうな。


それじゃあ、始めようか。


最恐で最悪の逃亡を。



いやこれダサいな(ボソッ)



何万も繰り返してわかったことはたくさんある。

まず、俺が死ぬと世界は全て元通りになるということ。

俺もミノタウロスもいつも同じところだし、季節も変わらない。

いつも真っ昼間。


だから同じ行動をすれば、同じことが起こせる、ということだ。

それを踏まえて考える。


まず、敵の発生条件。

それは俺が歩くなど、大きく動いた時や、大きな声を出した時だ。


そして敵の初期位置。

それは俺が戻った時、前方の草むらから現れる。

だから後ろに逃げる

それを特定した後は、何回も繰り返して、逃れるルートを頭に叩き込むだけだ。

……まぁそれが1番大変だったんだがな。


大丈夫だ。

逃げられる道筋は全てこの頭に叩き込まれている。


転生しても、よくならない。

そう思っていた。

何度も何度も繰り返したとしても、終わりが見えなかったから。

でも!今は違う!!

だから、何回も何回も繰り返す。


ふーーっと、深呼吸をする。

次こそは、次こそは逃げ切ってやるんだ!


3……2……1……


GO!!!


その合図とともに、俺は全力で後ろを振り向く。

大丈夫だ。大丈夫。

後ろは見なくていい。

俺の記憶を信じろ!!!


ガサガサガサガサ


そう音が鳴る。

ミノタウロスの出現だ。

俺は普通に逃げても追いつかれるだけ、どう頑張っても普通なら無理だ。

だからこそ、この森を使う。

この森の奥には、木の間隔が狭いところがある。

だから、そこまで誘い込む。



5.4秒後、追いつかれ、大きく振りかぶって縦に切る。


……ここ!

そのタイミングで、俺は少しだけ体を逸らす。

あの斧は意外と薄いので、簡単に避けられる。

スピードを落とすのは論外だ。スピードを落とさずに走る。


2.7秒後、俺の足元を横に切る。


……ここ!!

そこで俺は小さくジャンプ。

スピードを落とさないよう、ギリギリを狙う。


そして1.4秒後、そのまま上を横に切る。

着地と同時に俺はしゃがむ。

もちろんその間も走り続ける。


次は1.5秒後また上を切る。

1瞬だけ立って走ることによってそこを狙わせる。

……ここ!

それと同時にまたしゃがむ。


まだまだ敵の猛攻は止まらない。

2.4秒後、今度は俺の胴体の少し下を攻撃してくる。

さっきの勢いのまま、俺はその木々の根をうまく避けながら、スライディングをする。


……その斧は俺の真上を通る。

この高さは微妙すぎてただジャンプするだけでは避けられない。

スライディングでもしないと避けられやしないというのが俺の考えだ。


それにしても少し痛い。

こんな森でスライディングなんかしちゃえば痛いのは当たり前だけどな。

ま、痛みなんかとっくの昔に慣れてるっつーの。


次は6.7秒後、初めよりも大ぶりの一撃。

敵は力任せに地面を切る。

その時に衝撃波が出るので、それにもあたってはいけない。

範囲攻撃はチートだと思う。

だがまぁ、その衝撃波も、上下には弱いので、斧と衝撃波の両方が避けられるように、右斜め前に飛ぶ。


……ここだ!

それと同時に斜めに飛ぶ。

そのまま木と木の間をすり抜けるように方向転換をする。

ほんの少しではあるが、ミノタウロスはこの方向転換に戸惑って、時間が稼げる。

ほんの少しでいい。


その少し、あいつが俺から目を離す。

その先にまた曲がる。それと同時に草の陰に隠れる。

ここは、木々の間隔が狭い。

斧を満足に振ることもできないだろうし、あの図体では移動するのも一苦労だろう。

だから、あいつは少し離れた、広々とした道を通る。


「ぐるぁぁぁあああ」

そんな鳴き声と一緒に、ドスッドスッと、鈍い音が耳に響く。

嫌な音だ。


あいつにバレるな!

息を殺せ!!

あいも変わらず、心臓はどくどくしたままだ。

この恐怖は抑えられない。


その後数十分は、そこから動けないのであった。

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