第1話 -ここはどこ?-
「もり…………?」
えどうしよ。
見渡す限り木、木、木!
急にこの森に飛ばされた?
…………うん。
いや……論理的に考えよう。
そんなことじょーしき的にありえねーだろ。
こんなときにもクソみたいな思考の俺はやばい。
ふぅ。
一旦落ち着こう。
非常事態すぎてちょっと混乱してたかも。
まずは情報整理。
情報は大事だからね。
何か覚えてることはないか……?
……というか俺は誰だ?
日本で普通に過ごしてゲームして、漫画とかも読んでいた記憶はある。
そんな、ぼんやりした記憶。
そんなことをしていた自分を、遠くから見ていたような、そんな記憶。
でも、自分の記憶、個人情報は?
名前も出身も、職業もわからない。
うーんと、考える。
すると、頭に浮かんでくる。
「田中太郎」
ってなんだその名前は!?
親はどんだけ適当につけたんだ!?
そう思うくらいに適当。
というか本当にこんな名前だったのか?
……考えてもわからないので、自分は田中太郎として生きていこう。
少なくとも記憶が戻るまで。
さてと、ここがどこか、探索してみますか!
そう思って立ち上がる。
ガサガサガサガサ
そんな音が前方から聞こえてくる。
草と草が擦れた音が。
そこには……
頭は牛、体は大男?
手元にはとてつもなく大きな斧。
……ミノタウロスだ。
ゲームでも強めの敵キャラとしてよく出てきた。
なんでそんな奴がこんなとこに?
日本……というか地球ですらないってことか?
いや、なんかのドッキリか?
なんかのドラマの撮影とかか?
ワンチャン異世界転移とか?
……もしかしたらチートとかで勝てたりし……
……え?
ここは……森?
見覚えのある光景。
「うっ」
切られた? 恐怖 既視感 痛
痛い 切られた ここは? い
辛い さっきの森 怖 死 死んだ
いたい 死 い 死ぬ なぜ
な ミノタウロスに? 痛 ん 苦
ぜ 死んだ 痛い い だ? し
やられた 敵 速い 死ぬんだ い
痛い恐怖 現 苦し 死?
いたい 実 斧 ミノタウロス
死 なんで 死んだの? 夢?
痛い 本当? 死に戻り
つよすぎる 怖い 嘘
こ
わ
い
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?」
痛くない。痛くない。
痛くないはず。
なのに。なのに、なんで。
違う。これは、思い出してる。トラウマ?
ガサガサガサガサ
そう、音が鳴る。
すると脳裏に思い浮かぶのは、
死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死 死死
死死 死死 死死死死死死死
死死死死死死 死死死死死死死
死死 死死 死死
死死 死死 死死 死死
死死 死死死死死死死
死死死 死死死死死死死
「あぁ、あああっ、あぁぁぁあ」
声にもなラないコエ。
目のマえにはみのたウロす。
そして、そして、
俺はこのミノタウロスに、また、また首を飛ばされるのだった。




