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Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第三章 国境都市編~
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~得意分野②~

アイス=ショコラの思いもよらない告白にジルは一瞬、驚いたのだが顔には出さず冷静にアイスの話に耳を傾けた。

彼女は前の世界では、小さい頃に両親が事故で他界し祖父母に育てられていた。女学生だったが勉強は出来る方ではなかったが、憧れの菓子職人を目指すその為に祖父が経営する老舗洋菓子店でバイトをし、彼女は充実した日々を過ごしていた。頑張る姿を見た祖父は少しづつだが店頭に並べる商品を彼女の経験になればと思い作らせていた。徐々に彼女の作った菓子は評判になり、テレビ等で取り上げられることもあった。

だがある日より、その店は客足がパタリと止まることになる。消費期限が過ぎた材料を使っているや粗悪品を提供しているとか、SNSで根も葉もない噂が蔓延し祖父の店が叩かれたからだ。そんな中身の無い言葉の暴力に負け、祖父の洋菓子店は追い込まれ廃業することになる。最悪な事に祖父は心労がたたり倒れて亡くなり、その後を追うように祖母も病気で亡くなってしまう。

彼女は、SNSで噂を拡げた人物を許せず犯人探しをはじめたが、特定するのに時間はかからなかった。

噂を拡げた犯人それは彼女の親友だった。彼女はその事で親友を問い詰めると「あなたが幸せそうにしてるからよ。」と薄ら笑いを浮かべ彼女に言い放ったのだ。

彼女は、親友を恨んだ。だがそれ以上に大好きな祖父の店を守れなかった自分を許せなかった。

天涯孤独となった彼女は自暴自棄になり、大好きな祖父母と暮らした廃業した店の中で自らの命を絶った。

アイスが殺したと言った人は誰でもなく、自分自身のことだったのだ。『嫉妬』の魔王になるきっかけは、彼女が誰かに嫉妬したのではなく嫉妬される側になったからだろう。


「………そうだったのか……。辛いことを聞いて、ごめん。」


ジルはアイスの言葉に、目頭が熱くなった。アイスは同情などしてほしくは無いだろうが、ジルはせずにはいられなかった。


「……いい。……もう、終わったことだから…。」


(この子には、こっちで幸せになって欲しいな………。マツバと一緒に暮らす事はアイスにとって良い事かもしれない……。)


しんみりした空気感が部屋に漂っていたが、いつまでもこうしてはいられない。

そう思っていると、一人の女性が話し出した。

右手に煙管を持ち、真っ赤なドレスを身に纏う女性の頭には獣耳があり、臀部には尻尾が映えていた。


「次は、ワタシね。」


「あんたは、ローズ=ダイアモンドだったよな?」


「そ。宜しくね、坊や。」


「坊やって……………。」

(ほんとは、29歳なんだけど……。)


「得意なものって言っても思い付かないんだけど、しいて言うなら魅力ね。」


「魅力??」


「誘惑と言っても良いかもね。昔の職業柄そういった事は得意なの。」


「どんな仕事してたんだ??」


「フフフフフフ。そ れ は、夜のオ・シ・ゴ・ト。」


「やっぱり……。」


「こう見えて、夜の街ではそこそこ有名だったのよ。界隈では、『女帝』って言われてたの。」


「No.1キャバ嬢ってこと??」


「簡単に言ったらそうね。No.1キャストだったから。」


「『色欲』の魔王ってのも頷けるな……。で、なんで死んじゃったの??」


「痴情のもつれ。」


「うわっ……。昼ドラみたいだな……。なら贖罪は何なの??」


「フフフ、それは簡単。男を幸せにし女の価値を上げる事。それがワタシの贖罪。フフフ、見た目通りでしょ……。試しに、坊やもお姉さんと遊んでみるぅ?」


「え、遠慮します………。」


「あら、フラれちゃった。遊びたくなったらいつでも言ってね。」


(ヤバい……。絶対、男を駄目にする人だ……。)


そして、最後に先程俺に力をつけろと言ってくれた、ラス=ギャレット憤怒の魔王だ。


「ラスは何が得意なの?」


「殺しだ……………。」


「殺しって……。殺し屋かよ!」


「ほぅ…………。小僧、中々洞察力に優れているな…………。」


「マジかよ…。」


「ああ…………。」


「どんな武器も使えて、格闘もお手の物ってか?」


「フッ………。まぁな……………。この技術で、今度は多くの人々の助けになる…………。それが、俺の贖罪だ…………。」


(ラスが『憤怒』になった理由は聞かなくても分かるわ……。)


「死んだのは、敵に返り討ちにあったとかでなのか?」


「それは違う…………。標的は必ず殺る。討ち洩らしなどありえん…………。」


「じゃあ、一体??」


「食あたりだ……………。」


「はぁ????」


「だから、食あたりだと言った…………。」


「食あたりで人が死ぬわけねーだろーが!!」


「そんなこと、知らん……!」


ラス=ギャレットの死因があまりにも予想外で廻りの人たちは唖然としていた。他の魔王たちも知らなかったらしく言葉が上手く出せずにいた。

(マジかよ……。一番まともだと思ってたのに…………。)


とにかく6人の魔王の得意分野を聞く事ができた。

ヴァン=スピリタスは、交渉事や商売に関する事すべて。

リップ=デニムは、化粧と服飾関係。

ブレッド=グラーノは、料理や素材の処置、農作業のノウハウ。

アイス=ショコラは、洋菓子製作。

ローズ=ダイアモンドは、夜の店の経験や技術。

ラス=ギャレットは、戦闘や暗殺の技術。


これらを元に俺は頭の中で魔王を含めた悪巧みを組み立てていく。

(ふふふ。良い事思いついちった。)

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