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Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第三章 国境都市編~
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~推薦~

「ジル様、いつの間に、こんなこと考えていたんですか…?」


グレイは一人一人の役職をいつ考えていたのかを尋ねてきた。


「一人で考えていたわけじゃないさ。ダグラス達の事はニーズヘッグが一番詳しいから二人で仕事振りや普段の生活なんかを見て決めたってわけよ。」


「最近お二人で散歩している光景を良く見るな、と思っていたのですが、そういう事でしたか。」


「まぁな。それと、いまここにいる者は以後幹部として会議にも参加してもらうからそのつもりで。役職に不服がある者がいるのなら聞くぞー?」


「あのー……すんません。族長が役職に就くのは分かるんすけど俺まで役職就いていいんすか??」


そう言ってきたのは、この中で一番体の大きいオラウータンの猿人ヂヂ=アームライトだった。ヂヂは初対面の時に俺にいきなり喧嘩を売った奴で、血の気が多かった。だがミーアに来てから、そんな風には見えず、心を入れ換えたか元からかはわからないが、優しい力持ちって感じの男になっていた。


「なんだ?嫌か?」


「有り難いんすけど、新参の俺が役職に就いたら古参の兵が良い気がしないんじゃ?」


「お前、そんな気が回る奴だったんだ。初めて会った時と全然ちがうじゃん。」


「昔の事は勘弁してくださいよ…。」


「ごめんごめん。けどな、ヂヂが誰よりも仕事に責任感を持っていることは、俺やニーズヘッグ、ダグラスも知ってるし、何よりこの役職をお前にと言ってきたのは、大工仲間達だぞ。」


「え?本当っすか?」


「ああ、お前だけじゃない。他の者達も、共に働く仲間やその姿を知っている者達の推薦だ。だから役職に誇りを持ってこなして欲しい。」


皆の方を見渡しながら発破をかける様に言うと、ヂヂ以外の遠慮しがちな面々も顔をあげ与えられた役職を全うする覚悟を決め、腹を括った。その者達は、やる気に満ちた顔つきに変わったのだが、その中で例外もいた。


「ちょっと待てジル君。」


声を上げたのは、ニーズヘッグだ。


「せっかく、まとまりかけたのにどうしたんです?」


「他の者達は良いが何故我まで役職が?」


「そりゃそうでしょ。竜の王なんだから。」


「それと役職に就くのと関係ないじゃろ?」


「ニーズヘッグが過ごしやすくする為ですよ。役職に就いていれば竜王だとは他人に気づかれにくい。大老(エルダー)なら城にいても不思議じゃないですし、神樹のそばにもいれるでしょ?」


「なるほど……そういうことだったか…。すまんな気を使わせたみたいじゃ。」


「大丈夫ですよ。」



ニーズヘッグは、隠居の立場と思っていたらしく政には関わるつもりは無かったらしい。しかし城の中に見ず知らずの翁がいるとさすがに目立つが、役職に就く者ならば堂々と居られると考えたからだ。

ニーズヘッグとの話終わりに、ミーアとニーズヘッグの事でダグラスがある申し出をしてきた。


「辺境伯。ひとつよろしいか?」


「どしたの?」


「ミーアに来て気付いたのですが、辺境伯領地と陸の王領地どちらともヴァンクリフ領というのは些かわかりにくいのでは?それとニーズヘッグ様の新たな名前を決めた方が良いかと。ニーズヘッグの名で呼べば、他人にバレると思うのですが?」


「それもそうだな。宜しいですかニーズヘッグ?」


「そりゃかまわんが…。変な名前はせんでくれよ。」


「よーし、んじゃ今から領地名とニーズヘッグの名付けをおこなうかぁー!!」


「「「おぉーーー!!」」」


「んんん???(こやつら、我の名で遊んでおらんか?)」


ダグラスからの提案はもっともな内容で頷けるものだった。そこでいきなりだが始まったのがニーズヘッグ名付け大会。

実際、領地名が被っているのは紛らわしいかもしれない。陸の王が治める領地は、オズワルド王国シリウス=ヴァンクリフ大公爵ヴァンクリフ領。俺が治めてるのがオズワルド王国ジル=ヴァンクリフ辺境伯ヴァンクリフ領。だが領地名を変えるとなると王国に許可も必要になる。アルならばすぐに許可も出してくれるだろうが今回は見送り、ニーズヘッグの新たな名前だけを付ける事にした。


たが、その時、俺は大事なことを忘れていた。

こいつらのネーミングセンスの無さを…………。

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