32、動き出した者たち。
32話です
暗い部屋の中に1人の女性が水晶玉に語りかけている。
水晶玉の中には美しい着物姿の頭に角の生えた女性が映っていた。
「申し訳ありません、ムネモシュネ様ギリゴブルがやれてしまいました。
罰は受けます、申し訳ありません。」
「よい、ギリゴブルはどうせ先走ったのであろう。馬鹿なやつじゃ。」
女性はムネモシュネに、頭を下げた。
「ありがとうございます。
ムネモシュネ様報告したいことがありますがよろしいでしょうか。」
「何じゃ、ゆうてみい。」
「やはりフェンリルは生き返ったようでございます。」
ムネモシュネは驚いていた。
「そんな馬鹿な確かに妾の操っていたシヴァが殺したと報告しておったが。」
「えぇ、にわかには信じがたいことですが、転生したようです。」
「なんじゃと!転生とな、ほう神のいたずらかえまったく面倒なことをしてくれたものじゃ。」
ムネモシュネがため息をついていた。
「それにフェンリルには、吸血鬼の仲間がおります、こいつがギリゴブルをほぼ無傷で仕留めております。」
「ほう、吸血鬼とな、なかなか珍しい種族が仲間になっておるな、ギリゴブルの変わりにほしいものじゃな。」
ムネモシュネが怪しい笑みを浮かべていた。
「それは難しいと思われます、戦いを見ておりましたが、原初魔法を1人で短縮詠唱で放っておりました。殺してしまう方が懸命かと。」
「ほう!それほどまでに強いのかえ、ますます欲しくなったの、ならばもう少ししたら妾自らが捕まえようかの。」
女性は焦っていた。
「ですが今は学校に通っているので風の魔神の保護にありますが!」
「ふん、ばれぬようにすればよかろう。姿を変えて後々訪れる、その時はお前も手伝うのじゃぞ。」
女性は頭を下げた。
「かしこまりました。」
「それじゃあ、頼んだぞ、もし裏切ったらお前の妹の命も無いのじゃぞ。
その事を忘れるではないぞ、では頼んだぞアリッサ。」
と言ってムネモシュネが水晶玉から消えた。
私はその場から崩れ落ちた。
「ごめんなさい、ミツキさん、ネリーさん、それにジン様、私にはどうするとこもできないのですよ。」
私は、その場で声を圧し殺してながら泣いた。
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外は相変わらず雨が降っている、この地域は特殊で日が昇るることはない。
いや、昇ってはいるのだが雲が厚くて光が届かないのだ。だから天気は曇りか雨しかない、もちろん雷も起きるが。
さて、アリッサの報告をきいたしの、さてどのようにして捕まえようかの?
フェンリルは殺すとして、問題は吸血鬼か、銀の武器を持っていかねばならないのう。
取り敢えず準備をせねばな。
部屋からでて廊下を歩く、所々城を警備している下僕どもが頭を下げて端による。
「おや、どちらにいかれるのですかムネモシュネ様。」
すると後ろから声がかかった。
おや、この声はと思い、振り向くとベルフェゴールのジジイがいた。
こやつは、四天王の癖に性格が優しい奴だ、格好も白髪に燕尾服とモノクルを着けた変わり者だ。
だが、四天王のなかでは一番良心を持っているやつには違いないが。
「何じゃベル、妾は今忙しいのじゃが。」
「ほほほ、それは申し訳ありません、ですが魔王様が呼んでおられまして。」
魔王様が呼んでいるそれだけで心が踊る。
「それはほんとかえ、ならば早く呼ばぬか。」
廊下をウキウキしながら少女のように走り魔王様の要るところに走った。
「ほほほ、走りますと危険でごいますよ。」
後ろで、ベルフェゴールが何か言っていたが気にせず魔王様の所に走る。
魔王様の部屋に行く途中にアスタロトのチビと引きこもりのタナトスがいた。
ちっ、こいつらと顔を会わせるとは最悪じゃな。
「け、変態ババアが現れやがった。」
「ダメだよアスタロトちゃん、そんなこと言ったら。」
アスタロトが相変わらず妾に喧嘩を売ってくる。
「うるさいぞチビ、殺されたいのかえ。」
妾が殺気を出してアスタロトを威圧する。
「へ、殺れるもんならやってみなよ、所詮操ることしか脳のないババアじゃ俺には勝てねーぞ。」
アスタロトがこっちに殺気を出しながら言ってくる。こいつ殺す、と思って襲いかかろうとしたら。「パンパン」と手を叩く音が響いた。
「まったく、あなた方は顔を会わせたら喧嘩をするのは止めていただきたいのですがね。」
後ろからまた、ベルフェゴールのジジイがため息をつきながら現れた。
「まったく、まさかと思って後ろから付いていったら案の定ですか。
ここは、魔王様の部屋の前ですよ、騒ぐなら向こうでしていただけませんかね。」
ベルフェゴールが静かに妾を見つめていた。ち、面倒なやつに見つかってしもうたの。
「ち、運が良かったな見逃してやるよ。」
「そちこそ、ここで死なずにすんで良かったの、ベルに感謝をするんじゃな。」
アスタロトが舌打ちをしながら廊下の向こうに消えていった。
タナトスは頭を下げてアスタロトに付いていった。
「早く、魔王様の所に行きませんと機嫌を損ねても知りませんぞ、ムネモシュネ様。」
「分かっておる、余計なお世話じゃ。」
妾はさっさと目の前の大きなドアを開けて広間に入って行った。
相変わらず中は、暗く不気味な雰囲気が広がっている。だが、妾にとっては崇拝する人が待つ場所でもある、嬉しくて心が踊ってしまう。
魔王のいる椅子の前には階段があり、見下ろせるようになっている。
妾が片ひざを付いて頭を下げる。
「申し訳ございません、遅くなってしまいました。」
すると魔王様が。
「よい、顔を上げよ。」
「はい。」
魔王様の許しを得て顔をあげる。
部屋が暗いせいで顔は見えないがこの威圧感だけで魔王様と言うことはわかる。妾であっても震えてしまうほどの威圧感なのだ。だが、その威圧感さえもがいとおしく感じてしまう。
「1人ずつ聞いておるが魔神は殺せておるか?」
魔王様の言葉に凍りついた、フェンリルを殺し損なっていることを報告しなくてはならない。冷や汗を流しながら言葉をはく。
「も、申し訳ありません、氷の魔神は殺したのですが、神のいたずらで生き返ってしまいました。いかなる罰も受ける覚悟でございます。」
妾はもう一度頭を下げる、恐怖で体が震えてしまう。
「神のいたずらか、いまいましいな・・・・。
もう一度チャンスをやろうフェンリルを確実に殺せ、そうすれば許してやろう。」
「ありがとうございます、必ずや妾が、フェンリルを殺しましょう。寛大なお心遣いに感謝申し上げます。」
と更に深く頭を下げる。
「用件はそれだけだ下がってよいぞ。」
「はい。」
と言って妾は部屋を出る。
これは、失敗をしてしまうと、命が危ういのじゃ、必ずやフェンリルだけでも殺さなくてはならんの。
「無事なようでホットしましたぞ。」
ベルフェゴールが、まだ廊下にいた。
こやつはどこから現れるかわからないから心臓によくないのじゃが。
「何のようじゃベル、妾を馬鹿にしているのか?」
「いえいえ、そんなつもりはありませんぞ、今回は相手がきついような気がいたしますが、少し手伝いましょうか?」
何、手伝うのじゃと。だが敵の戦力もわからない状態、これは乗るべきか。
いや、魔王様は妾に任せたのじゃ他に手伝いなどあり得ないのう。
「ありがたいのじゃが、断るぞ。
これは、妾に任された命令なのでな。」
「そうでございますか、ならばお気をつけて行ってらっしゃいませ。」
ベルフェゴールに見送られながら妾は城を後にした。
「さて、魔王様の命令も承っておりますし、万が一に備えて後をつけませんと。」
ベルフェゴールもムネモシュネの後をつけた。
すいません風邪引いてしまいました。
みなさん体調に注意しましょう。




