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18、僕の正体は?

18話です。

昨日はは忙しくて更新できませんでした。

すみません

「ミツキさん……大丈夫でしたか」


ネリーが泣きそうな顔をしながら部屋に飛び込んでくる。

そのまま勢いよくベッドに跳び込み、俺に抱きついて――押し倒してきた。


「よかった! 本当に……よかった、無事で……」


え、俺そんなにヤバい状態だったの?

今はこうして元気にぴんぴんしてるんだけど。……もしかして、ネリーって心配性なのか?


「ミツキさんを探しても見つからなかったので、先生に聞いたのです。治療室に運ばれたと……」


そんなに心配させたのか。……これは謝るしかない。


「ごめんね、心配かけちゃって」

「いいんですよ。ミツキさんが無事なら、それで」


ネリーは少し落ち着いたようで、俺から離れると、今度はジンの方を見て問いかける。


「ミツキさんは……試験に合格されたのですか?」

「ええ。文句なしの合格でしたよ」


その言葉に、ネリーの表情がほっと緩む。


「そういえば……あなた、町でお会いした方ですね。教師の方でしたか?」


思い出したように問いかけるネリー。

ジンはにこやかに笑って答えた。


「いや、教師というより……校長をしています」

「校長!? ……ですが、なぜ分身魔法の試験に直々に?」


ネリーの問いに、ジンは少し驚いた顔を見せ、そして愉快そうに笑みを浮かべた。


「最初に会った時から、子供とは思えないほどの魔力を感じていましたからね。やはりただ者ではないと思っていましたが……まさか分身魔法を見抜くとは。さすがです」


……やっぱりネリーって強いんだ。全属性魔法が使えるって自慢してただけはあるな。


「あなたこそ……やはり普通の方ではありませんね。何者なのですか?」


真剣な表情で問い詰めるネリーに、ジンは軽く肩をすくめて答える。


「私は風の魔神です。その程度の隠蔽魔法なら、私には通じませんよ」


「……っ! 風の魔神! それは魔法使いの頂点の称号ではありませんか! なおさら、ミツキさんの試験官を務める理由にはなりません!」


……え、魔神ってそんなにすごい存在だったの?

てかさっきから俺の存在が空気なんですけど。


困ったように笑ったジンは、俺に視線を向ける。

“もう話してしまっていいかい?”とでも言いたげな顔だ。


「……ミツキ君のことを、ネリー君に話してもいいのかな?」


……ついに来たか。ネリーになら知られても大丈夫……だよな?


「不都合はありますか?」


「特には。ただ、世間に広まれば挑んでくる輩が現れるくらいかな。まあ、たまにいるけどね。あはは」


あはは、じゃねぇよ! 十分不都合じゃねぇか!


だけど――ネリーなら、信じてもいい気がする。


「ネ、ネリー……実は僕は氷の魔神なんだ。いや、正確には“氷の魔神の体に転生した者”なんだけど」


「……っ! ミツキさんが氷の魔神で……しかも転生者!? ではミツキ・カガミというのは偽名……?」

「ああ。本名は“いつき・かがみ”。元は男だったから……男名じゃ変だと思って“ミツキ”にしたんだ」

「男……。だから、あんなに恥ずかしがっていらしたのですね」


……軽蔑されたかな? 怖々ネリーの顔を見る。


けれど彼女は真剣な眼差しで言った。


「ミツキさん……いきなりこんなことになって、不安でしたでしょう。でも大丈夫。私は決して、ミツキさんを裏切りません。これからも、ずっと一緒です」


「……ネリー……ありがとう。嬉しいよ。これからも、よろしく」


やっぱりネリーは優しい。……泣きそうだ。


そんな空気を打ち破るように、ジンが手を叩いた。


「よし、話は済んだね。ミツキ君にはこの鍵を渡しておくよ。クラス分けも準備しておこう。それじゃあ、私は失礼するよ」


そう言い残し、ジンは治療室を後にした。

鍵には「101」と刻まれている。……でも、寮の場所なんて知らないんだけど。


「ネリー、寮ってどこ? ジンに頼んで、ネリーと同室にしてもらったんだ」

「本当ですか! それなら分かります。行きましょう!」


嬉しそうに微笑むネリー。やっぱり笑顔が似合う子だな。


ネリーがベッドに腰掛けていた俺に手を差し伸べる。

その手を取って立ち上がった瞬間――お姫様抱っこされた。


「……おい、なんでお姫様抱っこ!?」

「ダメです。さっきまで寝ていたんですから。私に任せてください」


そのまま強行突破。

通りがかった生徒や先生に見られ、ひそひそ声が聞こえてきて……顔から火が出そうだ。


「おい……恥ずかしいんだけど」

「大丈夫です。私が守りますから」


……いや、そういう問題じゃない!



101号室の部屋に到着。

質素な二人部屋――壁際に並ぶベッド、机、そして小さな窓が一つ。


ネリーにやっと下ろされ、息をついた俺に、彼女が視線を落とす。


「ミツキさん……お腹の服が……」


あ、そうだ。試験の時に切られてたんだった。


「ごめん。せっかく貰った服なのに……」

「大丈夫。《リペア》!」


ネリーが詠唱すると、服は光に包まれ、傷一つない新品の状態へ。


「すげぇ……! ネリーさんマジ万能……」

「気にしないでください。私はミツキさんのお友達ですから」


……やっぱネリー、頼りになる。もはやネリえもんだな。



こうして無事に試験を終え、合格を果たした。


1日目は制服の採寸。人数は減ったとはいえ、それでも四百人近い合格者がいたらしい。

昼前に終わったので、ネリーと一緒に街へ遊びに行った。


何度かナンパされたけど、全部ネリーが追い払ってくれた。

手荒に絡んできた連中は……地面にキスしてたな。……怖っ!


2日目には制服が届いた。

白いシャツに、緑のブレザーとスカート。……ジンが校長だから緑なのか?


ちなみに、別々のベッドのはずなのに、朝起きるとネリーが俺のベッドにいるのはなぜだ?

寝巻きが無いと言ったら――


「裸でいいじゃないですか」

「いや、裸は嫌だ!」

「でしたら……これをどうぞ」


そう言って渡されたのは、ピンクのネグリジェ。

……なして!? 俺、元男って言ったよね!?


「他には無いの?」と聞いたら、「無いです」ときっぱり。

仕方なく着たけど……ゴシックドレスよりはマシとはいえ、裸より恥ずかしいのは気のせいか?


……ネリーのトランク、本当に底が見えないな。ネリえもん、恐るべし。



そして、二日が経ち――いよいよ入学式の日を迎えた。



---

「ミツキさんは、元は男の方でしたのね、これなら私がアタックすれば、うふふふふ、」←ネリー



「へっくしゅあれ誰か僕の噂してるのかな?」←ミツキ

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