↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/73

断章、カーミラ ネリー

下手くそですみません


m(__)m

私の名前は、カーミラ・ネリー。

 ――しがない吸血鬼です。


 そもそも吸血鬼というものは、人々に忌み嫌われる存在。

 だから正体を隠し、生きなければならない。


 世間で言われる「吸血鬼の弱点」は、こうです。


銀に弱い。


日光を浴びると死ぬ。


炎で焼かれると死ぬ。


十字架が苦手。


ニンニクが苦手。


水に触れることができない。


鏡に映らない。


血を吸わないと死ぬ。


血を吸われたら眷属になる。



 ……などなど。並べてみれば、もはやギャグです。

 これだけ弱点があったら、どうやって生活するんですの? と。


 本当は、こう。


銀は確かに苦手。


好意を寄せた相手の血が欲しくなる。


傷はすぐ治るけれど、首を落とされれば死ぬ。


成長が止まり、寿命が長い。


血を吸えば力は増すが……少し色っぽくなる。



 弱点は、これだけです。

 嘘が広まったのは、恐怖が作った噂にすぎません。


 ちなみに子の話。

 男の吸血鬼なら、子は吸血鬼として生まれる。

 けれど女の吸血鬼が子を産めば、その子は父親の種族になる。

 だから数が増えにくいのです。

 その代わり、血に刻まれた知識や魔法は受け継がれる――吸血鬼が種として強い理由。


 私は、人間の母と吸血鬼の父との間に生まれました。

 両親の顔を見たことはありません。

 父は行方不明、母は私を産んで亡くなったと聞かされています。


 屋敷で育ててくれたのは、執事のアーラン爺や。母の旧知で、とても優しい人でした。

 けれど私は「吸血鬼だから」と屋敷の外に出してはもらえず、エンフィールド王国で生まれ育ちながら、外の景色を見たこともなかったのです。


 十五歳になったある日、唐突に告げられました。

「もう育ったのだから、勝手に生きろ」と。


 ……追い出し、ですね。


 出立の前にアーラン爺やが渡してくれたのは、母が使っていたマジックトランク。

「十五になったら渡すように」と託されていたそうです。

 私は部屋にあった荷物をぜんぶ放り込みました。ざまあみろ、という気持ちでしたね。


 けれど正直、解放感のほうが大きかった。

 屋敷なんて、もう二度と戻りたくありません。


 だから、船で島を出ることに決めたのです。

 ちょうど港には、同年代の子供が大勢集まっていました。ああそうだ、この時期は――学校の入学試験でしたね。


 私は船に乗り込み、することもなく部屋で眠ろうと思っていました。

 その途中――階段を降りてきたときです。


 前から歩いてきたのは、水色の長い髪をした小さな獣耳の少女。

 ……ひどく野暮ったいローブを羽織っていました。


 私は、その顔を見た瞬間――動けなくなった。


 少女がすれ違って去っていく。

 私は数秒してようやく気づきました。


(……わたくし、今――見とれていた?)


 しかも、相手は女性。

 思考が一瞬で混乱する。


 慌てて振り返ったときには、もう姿がなかった。

 私は心臓の音を抑えきれないまま甲板へ駆け戻り、少女を探す。


 ――いた。

 夕焼けの海を背に、長い髪を揺らす後ろ姿。


 胸がどくん、と跳ねた。

 心臓がうるさい。どうしても静まらない。


 まるで恋する乙女。

 ……いや、否定できない。


 逡巡の末、私は意を決した。


「少しよろしいですか?」


 声をかけた瞬間、自分でも頬が熱くなるのを感じた。



---

|

|∇///)←ネリー

|

| △△

| (ФωФ)←ミツキ

━━━━━━━━━━━

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。