0、プロローグ
どうもよろしくお願いします。
嘆きの洞窟、そこは最近出来た新たな洞窟だった。
洞窟の中から、「うっ、うっう、」と人が嘆いているような音が響くことからそう名付けられていた。
人々は不気味がってその洞窟に近づくことはなかった。
そんな場所に、腰まである水色の長髪の獣人の少女と、同じく腰まである真っ白な雪のように綺麗な髪の女性が2人で歩いていた。
前を歩く獣人は、髪と同じ色の獣耳と、ワンピースの裾から歩く度にゆらゆらと尻尾が揺れていた。
後ろを歩く女性はドレスアーマーのような服を着て落ち着いた様子で少女の後を追っていた。
2人とも、普通に考えたら洞窟を歩くには適していない服で歩いている
洞窟の壁は粘土のような滑らかな壁でできており、天井からは尖った石が伸びている。
中は薄暗く、時おりどこからか生き物の唸り声が響いてる。
水が流れれているのか、『ポタッ、ポタッ』と水の跳ねる音が静かな洞窟に木霊していた。
「ねえ、ここになにがいるの?、僕がわざわざでないと行けない事なの?」
獣人の少女が今にも帰りたそうな雰囲気を出して後ろを振り返り女性に文句を言っていた。
「ええ、ちょっと倒してほしいものがいらっしゃいます。
もう少しで着きますので。」
女性が恭しく答え少女の駄々(だだ)を気にせず答えた。
「わかったわよ」としぶしぶ従いながらも、ふて腐れた顔をして少女が前を向いて進んいった。
しばらく歩くと、洞窟の広い空間に出た。
どこからか光が漏れているのか中は明るく、辺りには水がたまった場所に光があたりとても幻想的な世界が広がっていた。
観光で来たのならとてもいい場所だろう。
「綺麗な場所ね、でも、何もいないじゃない、何がにいるのよ。」
と少女が後ろを振り返った瞬間、女性が少女の胸に短剣を突き刺そうと構えていた。
「っ!」
少女は体を反り返しながら短剣を紙一重で避け、そのままバク転し五メートルほど後ろに後退した。
少女は突然の事態を冷静に対応し、目の前女性を睨み付けた。
「どういうつもりなわけ。」
「ふふ、かすったわねこの短剣に。」
女性の言葉どおり避けたと思っていたが頬に一筋の傷が付いていた。
少女が怒気を放って女性に圧をかけるが、まるで気にした様子もなく挑発してきた。
「ふふ、この短剣は貴方その馬鹿げた力を封じる特別なな短剣。
そのまま封印してあげますね。」
確かにかすっただけなのだが、体に力が入らない。
あんなものが刺さればどうなるかは想像できない。
「あんたが僕に勝てるつもりなわけ。」
すると女性はニヤリと笑って少女に飛びかかった。
「強がりはお見通しですよ!」
少女は避けるそぶりもなく女に頭を捕まれて壁にの叩きつけられた。
ものすごい音を響かせながら洞窟が揺れ、天井から石が落下してくる。
女性は少女を何度も何度も叩きつけながら問いかけた。
「私に勝てる?何をおっしゃっているんですか?フェンリル様。」
少女はぼろぼろになって苦しそうに呻いていたが何かに気づいて喋りだした。
「あっ、あんたはこんな力どこで、まさか!」
「あは、ばれちゃった?」
とバカにしたような言葉を吐いて少女を今度は持ち上げて空中に跳び、地面に顔面を叩きつけた。
地面に大きなヒビが入り洞窟が揺れる。
少女は苦しそうに、呻きながら立ち上がろうとしていた。
止めとばかりに、女は上にに跳んで詠唱を始めた。
「消し飛びなさい《ダイヤモンドダスト》」
洞窟の中が一瞬で凍りつき、壁が氷にへと姿を変え、溜まった水すべてを凍らせ辺りを氷の洞窟にへと姿を変えた。
その氷が少女を飲み込んでいき、氷の中へと閉じ込められすべての時が止まった。
そして、すべての氷が砕け結晶がキラキラと輝いて宙をまった。
氷で閉じ込められていた少女が、うつ伏せの状態で地面に転がっていた。
もう気絶してしまっているのだろう動く気配がない。
「流石は氷の魔神さまだわ、普通ならバラバラになるのだけど。」
と感心しながら近寄ってくる
一歩一歩踏み歩くごとに足音が響き、まるでカウントダウンを刻んでいるのかのように音が鳴る。
女は少女の前に来ると恍惚とした表情で短剣を手に持って背中からおもいっきり突き刺した。
少女の口から「うっ!」と言葉がでて、地面に赤い水溜まりが広がっていった。
「ウフフフ、あとは。」といいながら短剣を抜いて、自分の胸をまさぐって手のひらサイズのクリスタルを取り出した。
「この者の体を封じたまへ、《エターナルプリズン》。」
少女の体が宙に浮き、クリスタルの中に閉じ込められる。
服が赤く汚れた少女の死んだ顔が浮かんでいた。
女は満足した顔をして笑っていた。
「これで復活することは無いわね、じゃあね氷の魔人さん。これで一人目ね。」
女の笑い声が洞窟に響き、少女の命が散った。
誤字脱字できるだけ、気をつけます。