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FPS  作者: N19
第1章 サバイバルホラー編
16/43

FPS episode.15

episode.15――

2014/8/12 スフィーダ伯爵 研究所


「すごいな……」


 ジャクソンは研究所に入り開口一番にそう言うと辺りを眺めながら歩みを進める。研究所はどうやって作ったのか、時代は古いが元の世界の研究施設を思わせるコンクリート作りの建物だった。


「先輩達が居た異世界の建築様式ですかね……こちらでは見たことがありません」


「そうだね。世界教には建築家もいるらしい。俺も始めて知ったけどね……」


 中には灯りは点いていたが、しばらく放置されているのか人の気配がほとんど無い。だが、微かに何かが動く音が聞こえるのは人成らざるものが居るからだろう。ジャクソンは屋敷の探索で見つけた僅かな残弾をショットガンに装填しながら、前に進んでいく。


「「――ウアァゥ………」」


 すると逃げ遅れた研究員と思われる数体の白衣を着たゾンビが倒れてていた。そのゾンビは脚を欠損していたが、ジャクソン達に気づくと満足に歩けないものの這いつくばながらこちらに向かって来る。


「先に誰かが先に来たのかもしれない……態々ここで無駄玉を使う必要は無いし、このまま端を通ってスルーしよう」


「そうですね。でも……一体誰がやったんでしょう?」

「銃弾ではなく刃物による傷みたいだからね、もしかしたら第6騎士団の誰かかもしれない」


 研究所は屋敷の裏手にある洞窟を元に造られている様で中は思ったよりも広い。ジャクソン達はのそのそと動くゾンビを避けて奥に進む。先にある下り階段を見つけ、慎重に降りて行く。



「結構広いですね……先輩、ここも一旦別れて手分けして探しましょうか」


「えっ、あ、あぁ……」


 そう言うとシャーリーはスタスタと1人行ってしまう。思わず返事をしてしまったが、こんな不気味な場所でぼっちにされたジャクソンは激しく後悔する。


 だって、心細いじゃん?


 そんなことを考えながら、ジャクソンも探索を開始すると研究所の地下には幾つかの部屋があったが、見つけた中で開いている部屋は中程にあったひとつのみだった。


「さて、入ってみるか……」


 中はミーティングルームになっていて、部屋は暗く光を投射するプロジェクターの様な水晶玉が置かれていた。その光る水晶玉は壁に備え付けられらたスクリーンに思いもしないモノを映し出している。



MS-05 ブラックイーター ーー

(Mutant Soldier Series-05)

魔石精製の際に大量に出る生贄にM-ウィルスを投与した試験体。高圧のエーテルに晒された生贄とは違い、M-ウィルスは通常の人間に血液感染するとゾンビ化することが判明。兵器としての制御にも難があり、全固体の殺処分を予定。


MS-06 ベルセルク ーー

ブラックイーターの完成形。M-ウィルスの定着に成功した固体にドッグタグで強化、制御した兵器で正式運用が可能なレベルを実現。このプロジェクトの一つの完成形であり、今後の兵器開発の雛形となるMS。


MSX-00 ノスフェラトゥ ーー

ブラックイーター変異種。殺処分中に何度焼却しても再生する固体が見つかり、ベルセルクとは別系統で開発を進めていたMS。異常発達と再生されたその巨体で単体で対多数を相手に出来るほどの戦闘力を有する。兵器としてベルセルク以上の成果が期待出来るが、量産化の目処が立っていない。


尚、開発途中でM-ウィルスの抗体の発見と精製に成功するが、現在のところ人間の体内でしか培養が出来ず非常に貴重な為、感染には十分な注意が必要である。


主任研究員 マーカス・テイラー



「あの黒い化物のプレゼン資料だな。本当に人間の手で作ったってことか……狂ってやがる」


 胸糞が悪くなる事実にジャクソンは悪態を吐くが、幸いシャーリーの言った様にウィルスの抗体は存在する様で肩を下ろす。まだ希望を捨てなくて済むと思うと幾分気が楽になったが、まだ期待は出来ない。本音を言えば、誰だってゾンビになるのはゴメンな筈だ。


 ジャクソンはスクリーンから目を離して、再び部屋の中を見回すと仕切りの奥に血溜まりを見つける。


「――誰かいるのか?」


 しかし首を出して仕切りの向こうの奥を覗いたが、血溜まり以外には何も無い。ジャクソンはなんだ、何も無いじゃん……と首を捻り戻そうとするも、それを白銀に光る長剣が首もとに触れ止めた。



「………貴様は誰だ……何の目的で此処に来た?」


 後ろを取られたことに全く気配に気がつかなかった。その事にジャクソンは驚愕を隠せなかったが、背後の男は苦しそうに息を殺しているのが分かる。ジャクソンは気づかれない様に横目で金属製の実験器具に映った白銀の鎧を纏う血だらけの騎士を見やり、相手が何者かを悟った。



「……第9騎士団のジャクソンだ。こんな化物だらけの屋敷にアンタ達を助けに来た哀れなヤツだよ」


黒騎士団(ブラックナイツ)だと?まさか貴様らが奴と謀って我々を消しに来たと言うのか……」


 アレっ?何だか様子がおかしい。何故、助けに来たのに第6騎士団を消すと思ってるんだろうか?


「ちょ、ちょっと待ってくれ!アンタ、絶対に何か感違いしてるよ?」

「勘違い?奴の裏切りのせいで、私は部下を全て失ったのだ。最早どうでもよい……」


 首に当てられていた長剣が裏返され、背後の男は振りかぶる。


「わ、わかった……せめて、その裏切り者の名前を教えてくれよ。じゃないと俺も死んでも死に切れないからさ」


「……いいだろう。名は――」


――ドァン!!


 しかし、まさに裏切り者の名を言おうとしたその瞬間、銃声とバサっと背後に居た男が倒れた音でそれは掻き消された。



「――オ、オイ!くっそ、誰だっ!!」


 ジャクソンは口止めの為に男を殺した何者かを追い部屋から勢いよく外に出るが、既にその人影は消えていた。ただ、それよりも嫌でも目に入ったのは、まるで行く手を防ぐ様に立ち塞がる大きな化物の姿だった。


「な、何だよコイツ………」


 今までに見たことの無いその様相は先程の資料にあったベルセルクという化物に近い。差し詰め、黒いバーサーカーと言った感じで、確かに今迄の化物とは違って凶悪な面構えをしている。


――――キシャァァャ!!


 そんな化物らしい叫びを聞いて、こんなのに勝てんのか?と自問自答しながらもショットガンを構える。


「や、やってやんよ……たぶん………」


 そして、緊張でこめかみから一筋の汗が床に落ちたのを皮切りにジャクソンと化物との戦闘が開始された。

 

15話目です!今回はゾンビや化物たちがどうやって作られたのか?の部分を

少し掘り下げてみました。こういう設定を考えるの難しいですわ。。

(ちなみに型番の元ネタがザ○なのはちょっとしたお遊びですw)


何か良いアイデアとかあれば、ドシドシ感想とか頂けるとうれしいです!


PS

やっとこさiphone6に変わったので、いろいろと四苦八苦してますが、

FPSはみなさんのおかげで続いておりますΣd(゜∀゜d)コレカラモヨロシク


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