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王者の道(8)
「ようヤくだ。よウやくダ」
男が抱えていたのは白い球体である。
闇に埋もれた二つの眼窩、鼻腔の痕から、それは何者かの頭蓋骨であると思われた。
それは朽ち果ててすり減り、すっかり小さくなっている。
男は笑いながら頭蓋骨を撫でる、とその表情が一転、真顔に変化した。その表情は、深い闇を湛えている。
「両皇ヲ、渡すのだッ!!」
目を見開き男が両腕を広げると、その威喝で狂風が巻き起こり、洞窟が唸り声を上げる。
「魔人、いや、何だあの桁違いの魔力はッ!?」
「皇女様達をどうするつもりだ!」
ネージュとミルヒが同時に叫んだ。
「……どうスる?」
緋色の髪の男は首を傾げた。
「どウする、アイヘル? そうだな。そウだ! 蹂躙して首を落とシて殺してシまおウ」
男の瞳がグルグルと激しく動いてから、ネージュ達を凝視した。
「――我レは、グラヴィエ。復讐者。
今、王に汚さレた、アイヘルの汚名ヲ返上すル!」




