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優秀な妹と婚約したら全て上手くいくのではなかったのですか?  作者: 木山楽斗


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55/75

55.不謹慎ながらも

「まさか、僕がアーガント伯爵家のお世話になるなんて思っていませんでしたが……」

「あはは、私もです。未だにこの状況が少し信じられません」


 アーガント伯爵家の庭にて、私はドルギア殿下とお茶していた。

 ヘレーナ嬢の件で、彼はこちらで暮らすことになった。エルメラの傍の方が安全、それは王族であっても、納得できる理論だったようだ。


「しかし、守られる身であるというのに、こんな風に呑気にお茶なんてしていてもいいものなのでしょうか?」

「その辺りは、エルメラからお墨付きをもらっていますから、大丈夫です。少なくとも屋敷の周りなら、余裕で守れるみたいですから」

「なるほど、エルメラ嬢の力にはいつも驚かされますね」


 ヘレーナ嬢に狙われている。その事実を私は、それ程重く受け止めてはいなかった。

 それは、エルメラのおかげだ。彼女が守ってくれている。その事実だけで、心が落ち着く。

 相手がいくら優れた魔法使いであっても、エルメラの足元にも及ばない。私はそれをよくわかっている。だから、微塵も慌てていないのだ。


「まあもちろん、ヘレーナ嬢には早く捕まってもらいたいものですけれど……」

「兄上も動いているようですが、中々見つからないようですね。まったく、騎士団は何をやっているのだか……」

「今回の件を迅速に解決するこは、不評を覆せることですから、騎士団も躍起になっているとは思うんですがね……」


 私への扱いなどが明かされたことによって、騎士団は現在かなり評判が悪い。

 その悪評を少しでも覆せるのは、事件を解決することにあるだろう。

 そのため、騎士団も全力でヘレーナ嬢を探しているはずだ。それでも見つからないのは、ヘレーナ嬢の方がすごいということだろう。


「といっても、こうしてドルギア殿下と一緒に暮らせる期間が終わるというのは、悲しいものではあるのですけれど……」

「イルティナ嬢……それは、僕も同じですよ。でも、そんなに悲観することでもありません。何れはずっとこちらで暮らすことになりますから」

「そうですね。なんと言ったって、私達は婚約しているのですから」


 ドルギア殿下の言葉に、私はゆっくりと頷いた。

 アーガント伯爵家に、ドルギア殿下は婿入りする。そうすれば、こういった生活がずっと続いていくことになるのだ。その日々はきっと、楽しいものになるだろう。

 そんなことを思いながら、笑顔を浮かべていた私はそこであることに気付いた。エルメラがこちらに向かって来ているのだ。いつにも増して、不機嫌そうな顔をしながら。

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