表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優秀な妹と婚約したら全て上手くいくのではなかったのですか?  作者: 木山楽斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/68

16.計画通りに(エルメラ視点)

「……まさか、あなたが私を訪ねて来るなんてね」


 部屋を訪ねた私に対して、パルキスト伯爵夫人は露骨に嫌そうな顔をしていた。

 そういった態度を隠そうともしないことが、美徳だとでも思っているのだろうか。この夫人の子供染みた態度に、私は少し呆れてしまう。

 とはいえ、彼女がそうやって扱いやすい人であるということは、本当に好都合だ。思わず笑ってしまいそうになる。


「お義母様とお近づきになりたいと思いまして……これからは、家族になる訳ですから」

「……あなたと家族ですって? 笑わせないでもらいたいわね。そんなつもり、私にはないわ」

「付き添いの使用人に頼んで、葡萄酒を買ってきてもらったんです。ブラッガ様から、お義母様が好んでいると聞いて……ああ、もちろん私は未成年ですから、こちらはいただけませんが」


 私は、パルキスト伯爵夫人の前にグラスを置き、葡萄酒を注いだ。

 それから自分の側にもグラスを置いて、葡萄のジュースを注ぐ。

 すると夫人は、自分のグラスを持ち上げた。どうやら、乾杯に応じてくれるようだ。


「ありがとうございます、お義母様」

「ふん……」


 乾杯をした後、私は葡萄ジュースを口の中に入れる。

 すると、奇妙な味が広がった。葡萄の味と甘みの他に、奇妙な苦みというか、痛みを覚えたのである。


「これは……」

「ふふっ……あははっ」


 次の瞬間、パルキスト伯爵夫人はその顔を醜悪に歪めた。

 人のことを心底馬鹿にしたような笑みで、彼女は笑う。


「天才だとか、秀才だとか言われていたけれど、所詮は小娘だったようね?」

「な、何をっ……」

「あなたの飲んだ葡萄ジュースの中に、毒を入れておいたのよ。あなたが食事の時に、懇切丁寧に説明してくれたじゃない」

「まさか、ショウエングサの根を……」


 私は、食事の席でとある植物のことを解説した。

 ある料理に使われていたその植物は、葉自体は問題ないのだが、根に人体に有害な毒を持っている。

 それは屋敷で栽培されているらしいので、夫人が持ち出すのもそう難しいことではなかっただろう。彼女は事前に、私のジュースにそれを仕込んでいたのだ。


「あなたがいけないのよ。この私のことを侮辱したのだから」

「……」

「天才だと持てはやされていい気になっていたのかもしれないけれど、これが現実よ。まあ、もう改める機会もないのだけれど……」

「ふふっ……」

「……え?」


 流石の私も、ここまで上手くいくなんて思っていなかった。

 現実というものは、結構簡単なのかもしれない。まあ私は天才なのだから、それは当然か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ