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責任とは

パーティーは大成功。


いやーよかった、よかった・・・といいたいが、そうもいかないらしい。


王のいる場所に現れた怪物。


とっとと倒して事なきを得たが、はいOKとは言って貰えないのが世の中というもの。


怪物の侵入を許した責任とやらを、当主は問われることになった。


一方でこの怪物、王城ではどうやら結構有名な奴らしい。


どっかの闇の組織っぽい厨二集団が人をモンスターに変えているんだとか。


怖えな、おい。


早い話、当主にはどうしようもなかった案件でもあるらしい。


「じゃあ、責めんなよ」と言いたいが、それで許されるなら責任者とは何ぞということで。


世の中ってのはよく分からん。


責任って何だろう?


まあ実際の所、当主には罰という名の何か政治的取引、簡単に言えばちょっと難しい使命が課されることになる見込みだそうだ。


王女を救った功績が効いているらしい。


因みにこの辺りの事情はヨシュアとか名乗るイケメンが教えてくれた。


夫人曰く軍の実質的指揮官だそうだ。


つまりスーパーエリートイケメン。


羨ましい限りである。


そのヨシュア氏がその後もやたらと俺に話し掛けてきたのは何故だろう。


お偉いさんの相手とか本当に嫌。


「また、会いに来ても良いかな?」


帰り際にそう言われたとき、こいつその気があんのかと思ってちょっと鳥肌が立った。


モンスターを倒して目立ったせいもあるのだろう。


他にも俺に話し掛けてくる人多数。


えーと、アダムさんとエバさんと何だっけ?


「アダム王、エバ王妃、カイン第一王子、アワン第一王女、アベル第二王子、セト第三王子、アズラ王女。オソドクス公、ケイトリック公。王族、公爵家に名を連ねるこの国の要人の方々です。ちゃんと覚えて下さい。」


ゴメン、ジャンヌ。


無理。


そうそう、人の名前と言えばあのでっかい人?みたいなの。


銃で腕、脚を全部飛ばしたらしぼんでいった。


風船か。


で、姿も変わって一応元の人が誰かも分かったらしい。


「ピラト商会長ポンテオ・・・なぜ彼が・・・。」


当主がそう言ってたから多分その人。


因みにもうこの世にはいないらしい。


つまり、俺人を撃ち殺したのか・・・精神異常耐性さんご苦労様。


まあ、罪悪感がないわけではない。


いつか試そうと思っていた4連射を良い機会だと思ってやったりしてたし。


ちなみに、上下二連散弾銃でどうやって4連射をしたのか。


からくりは簡単だ。


銃が2丁あるからね。


2発撃って直ぐに次の装填済みの銃を出しただけ。


この技が何の役に立つのか、特にビジョンはない。


とっておきの切り札的必殺技、あったらカッコイイよね。


名前とかつけちゃおうかな。


実際、戦闘では口の中に弾放り込んだ方が効果的だろうけど。




さて、話は変わってパーティーの成功とモンスター撃退に公爵家から褒美が出ることになった。


一つ、馬。


前から欲しいと思っていた。


手をつけなかったのは乗馬が出来なかったからだが。


「仕方ありません、午前の訓練の半分を乗馬の訓練に変えましょう。」


マジで?


それが一番の褒美かもしれん。


二つ、店。


・・・はい?


「今回の件でポンテオ氏とあのモンスターが関係あることがはっきりした上、ポンテオ氏は死去されました。ピラト商会は取り潰しが決まり、屋敷の前の大きな店が完全に空きましたのよ。」


夫人最近よく出張りますね。


お嬢様が学校に通い始め静かになったと思ったのだが、いや何でもないです。


「で、それを俺にどうしろと?」


「そう使って頂いても構いませんわ。貴方なら誰よりも有効に活用できるのではなくて?」


俺を何だと思っているのでしょうか?


余り大きな責任は負いたくないのですが?


「マナ、どうせなら孤児院をそこに移しては?」


案としてはあり。


現状孤児院は多少遠くて行くのが面倒い。


加えて教会とも手が切れたと言うこともあり、護衛問題が生じている。


ジャックが頑張っているみたいだがジャック自身の生活もある。


1000万投資の紙すき設備も移動させるだけならそんなかからんし。


それとウジェーヌさんやシプトンさんからの苦情も解決できるかもしれない。


因みに苦情はこんな感じ。


「聞いてないよ、こんなに注文来るなんて!!身体がいくつあっても足りやしないじゃないか!!」


「勘弁して貰えませんか?こんな注文うちだけじゃ捌ききれませんわ~。」


今回のパーティーでもろもろ注文が殺到した模様。


孤児院も紙作りに追われ、ゴモラさんも泣きながらひたすらトイレを作っているらしい。


孤児院に薬剤師はいるし、発酵職人はいないがアグネスさん引き抜いちゃえばOKだろう。


大工職人もいるからゴモラさんに教わりながらやれば分散できるかな?


あ、でもウジェーヌさんとシプトンさんとは専売契約があったような?


「そんなの構ってられるかい!?」


「娘ならいいですよ。」


うん、あの店には工場になってもらおう。


となると多少改装が必要かな、ね、ゴモラさん。


「兄ちゃん、お前俺を殺す気か!?」




移動の段取りはジャンヌに放り投げ、俺は俺のやることを考える。


まず店の問題。


味噌に米が必要だが、アララト農場で米は作ってない。


ディクションで調べれば米の作り方は出てくると思うが、違う植物だ。


もうすぐ収穫時期らしいので一度見学に行くのもいい。


ポータブルなバイオトイレがあるからね。


水洗じゃないが、そこまで遠出も鬱にならない。


ついでに他にいい作物がないか見てこよう。


島だから海の幸にも期待できるかも。


それと折角醤油と味噌があるのだ。


食堂とか開きたい。


アリスたんが働けばジャックが面倒見てくれるはずだ。


店で稼げればジャックも生活の心配はなくなるはずだ。


ジャックが働いてくれればアグネスさんも引き抜きやすい。


うん、コレで行こう。


「今回のパーティーで集合した料理人の何名かを引き抜くのもありですね。」


あれ、ジャンヌ移動の件は?


「屋敷の侍女に丸投げしてきました。奥様に話したところその辺りは任せろと。」


あ、そう・・・いいけど。


となるとメニューは何にしようか?


醤油と味噌・・・ラーメンでいいかな。


元の世界で最も人を集めやすい料理、ラーメン。


ラーメン道は厳しいらしいが、こっちにはそもそもライバルがいない。


それっぽいのがつくれれば何とかなる・・・と思う。


「ふむ、一度つくってみては?僭越ながら私が味見を致しましょう。」


ジャンヌぇ・・・。


まあ、麺は灰汁で造れることは調査済みだ。


やってみるとしよう。




夜、食い過ぎで腹をさすっているジャンヌにメタエスター島に近日中に行くことを告げる。


「ほう、そういえば彼処には聖剣の眠る祠もありましたね。」


「欲しいのか?」


「ないよりはあった方が、という感じですが。一応聖剣士なのに聖剣なしとか・・・ちょっと。」


「つっても危険なんだろ?」


「危険と言っても各階層をモンスターが徘徊しているだけで、別に罠とかはないらしいですが。マナなら余裕ですよ。あの棒きれでバンバンしてれば。」


言い方!!


でもそれならついでに取って来ても良いかもしれない。


ジャンヌには世話になっているが、褒美を貰っているのはいつも俺だけだ。


ジャンヌが報われても良いだろう。


「じゃあ、それもプランに入れようか。」




夜寝ているとジャンヌが部屋にやってきた。


「どうした?」


「いえ、クリス様を見て奥様の幸せそうな顔を見ていたら、私も昂ぶりまして。」


「どういうこと?」


「子供っていいですよね。」


「はい?」


「単刀直入に言いましょう。寄こせ。」


「へ、は、おお?」


何この展開?


とはいえ俺もまだ20才の若造だ。


その後の事は語らないが、いつか去るとわかっていても女性から迫られたら・・・ねえ。


そんな深夜の賢者タイム。


俺はジャンヌの腕を枕に・・・普通逆じゃない?


ゴホン。


責任とは何かを考えている。


シーツに残った初めての赤い証を確認しちゃうとついね。


当主が背負っているもの。


俺がこれから背負うもの。


権利と責任は裏表なれど、どちらも他人から貰い受け取るもの。


時には不条理に押しつけられることもある。


つまり・・・どうしようもないもの?


「マナ、まだ起きているのですか?」


「あ、ああ。」


「じゃあ勃てろ。」


・・・。


ひとまず、お気に召したようで何よりです。


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