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不変と恋の戦争物語  作者: 萩原慎二
春恋編
14/41

企画と準備 時々ストーカー

前回のあらすじ川柳

      波乱過ぎ

       牡丹の怒りで

           皆笑顔 (ほんわか)

 体育祭も終わり、廃部の危機から免れた文化研究部は平穏な日々を送っていた。

 日々と言ってもまだ一日しか立ってないが。

 そんな日、体育祭で本性が大暴走していた石蕗正木はというと。


「ふにゃ………ましゃき………だめぇ………もっと………」

「いや、どっちだよ」


 膝の上で子猫を飼っていた。

 名前は皐月、可愛い可愛いツンデレ少女である。

 まぁ、文化研究部の1年生。俺の後輩である。

 なぜこのような状況にはなっているかというと、皐月との二人三脚の練習中に『優勝したら一日ずっと撫でる』と言う事を決めたのだが、結果本当に優勝したので今撫でている。


「もー………皐月ちゃんはずるいです………」

「まあまあ、牡丹ちゃんはおねだりしたらしてもらえますよ。正木さんはちょろいですから」

「そお………ですね!」


 うん、牡丹は今日もいい笑顔だな!

 ………って、そうじゃない。楓が超失礼なことを言ってたような気がする。

 しかし、今は気にしないことにした。


「…………すー…………ぴー…………むにゃ………」

「赤松、膝の上で寝られたら読書に集中できん。避けろ」

「………むにゅ………すぴー………」


 茜は山吹先輩の太ももの上で惰眠を貪っている。

 山吹先輩は茜を起こそうとするが、茜はピクリとも反応しない。


 そんな感じで、今日の部活は通常?運転で皆過ごしていた。

 小田原との一件が嘘のように、今日の空は雲ひとつない晴れだった。

 楓の淹れる紅茶は今日も美味。うん、こんな日常がとても心地が良い。部活の状況も変わらなかったし、人間関係も多分変わってない、多分。


「石蕗、今週の日曜日空いてるか?」

「へ?………特に用事は無いっすけど」

「そうか。その日に一年生歓迎会をやるからな、予定空けておいてくれ」

「はい………一年生………歓迎会?………ふぁ!?」


 俺は急に立ち上がる。

 一年生歓迎会など聞いていない。て言うか、そんな大事なイベント、何か準備しないとだめやん。


「むぎゃ!!」

「あ、やべ」


 俺は完全に皐月の事を忘れて立ち上がったので皐月は床へとダイブしてしまった。


「いってゃーい………なにひゅんのよ………ひどいじゃなひ……」

「あ、全然呂律が回ってない!」

「そんなこてょ………なひわよ………」

「あ、全然怖くないや」


 皐月は頭の撫で過ぎで完全に呂律がおかしくなっていた。俺の撫でるのってそんなに気持ちいいの?

 そんなことを疑問に思いながらも皐月の体を持ち上げてソファに寝かせる。


「ていうか山吹先輩、そのこと早く言ってくださいよ!全然て言うか何も決まってないじゃないですか!」

「まあまあ………焦るんじゃない。今日で大体決まるから……」

「へ?そうなんですか?」

「ああ、料理系は石蕗と楓、力を使う系は赤松と石蕗、買い出しは私と石蕗と。こんな感じだな。


 ほぉ……なるほど……大体決まってるんだな!安心!

 ………そんなわけあるか。


「いや、俺全部じゃないすか」

「当たり前だろう、何を言っている」

「いや、何でですか?説明を!」

「料理は単純に美味いから。力系は赤松には劣るが2番目にあるから。買い出しは荷物持ち。という感じだな」

「はいはい、そうですか………ってなるはず無いでしょ!まぁ、やりますけど」

「あ、やるんですね」


 まぁ、こんなにも作業を押し付けられるのは少しの不満があるがしょうが無いだろう。

 振られた仕事はしっかりとこなす。それが俺だ。社畜適正バッチリですね。


「日曜日にやるってことは土曜日に買い出しとかですか?」

「ああ、買い出しは土曜日、飾り付け系は今日から。料理は当日にやるから、お前は頑張れよ」

「あ、はい。そっすもんね、俺全部でしたもんね」


 何度現実から目を背けても意味がない。俺が全ての作業をするのはもう決定事項である。

 料理や買い出しは後から考えるとして、問題は飾り付けだよな。


「飾り付けするなら来年も再利用できるものがいいっすよね?」

「まずその前に、部活の夜間使用の許可を取らなくてはならない。飾り付けは適当に決めてくれていい」

「適当にって言われてもなぁ………茜、お前はどうしたいとかあるか?………って、寝てんのか」

「すやすや………にゅむ………ぎゅう………」


 飾り付け等の担当の茜は未だに山吹先輩の太もも上で眠りこけていた。

 お前が起きてなきゃ作業が進められないんだよ!と心の中で怒鳴りながら、とりあえず軽い飾り付けができる物を用意することにした。


「牡丹、皐月。折り紙とか厚紙使って何か飾り付け作ってくれないか?」

「はい!任せてください!」

「しょうがないわね!やってあげるわ!」

「山吹先輩は夜間使用許可の申請出しておいてくださいね?」

「ああ、早速行ってくるよ」


 それぞれが準備を始める。

 しかし………今思ったが主役の一年生に作業をさせるのはいいのだろうか………。

 そう思って牡丹と皐月を見ると、


「皐月ちゃん!見てください!犬ができましたよ!」

「あら、私は猫ができたわよ!かわいいでしょ!」

「わぁ!そっちもかわいいですね!私も作ります!」

「く………ぐふぅ!」

「あー!!正木!?何で鼻血を!?」


 楽しんでいる牡丹と皐月を見て思わず鼻血が出てしまった。

 ああ………尊い………ここが天国か………。

 バカバカしい想像をしながら考える。将来子供は二人欲しいな。馬鹿か。


「まぁ………いい。楽しそうならいいんだ………問題は茜だな」

「正木、どうする?殴る?蹴る?嬲る!?」

「殴るも蹴るも嬲るもしません!普通に起こしてください!」

「はーい♪茜ちゃん!起きて!蹴るよ!?」

「いや、だから蹴るなって………」


 楓の暴虐癖が炸裂しながらも、茜は起きる。

 その姿はすごく眠そうで………は無い。


「何楽しそうなことやってんの!?混ぜて混ぜて!」

「おう………いきなりハイペースだな、茜」

「もちろん!!何やるかわかってないけど!!」

「わかれ。アホ」


 茜の頭を厚紙で叩く。

 痛そうにもせずに茜はせっせと飾り付けの作業を始めた。

 牡丹、茜、皐月の三銃士が揃い、着々と作業を進める。

 そこで俺と楓は気がつく。


「私達………何やろう?」

「………お茶淹れるか」

「ええ?………」


 それからは石蕗と蕁麻のスーパーお茶淹れタイムが始まった。

 淹れたお茶は以外にも好評だったが、帰ってきた山吹先輩に怒られて終わった。




「じぁ、今日はここまでにしよう………て言っても、かなり作業は進んだがな」


 山吹先輩の掛け声に合わせて皆は作業を終え始める。

 まぁ、俺と楓は特に何もしてないが。

 茜の働きや皐月と牡丹のお楽しみタイムがあって、飾り付けの作業はだいたい終わった。


「今日はもう暗い。皆速やかに帰ってくれ」


 それを聞き、皆は準備をして部室を出ていく。


「………なぁ、赤松と石蕗。ちょっといいか?」

「ん?なんですか?」

「何?部長どしたの?」


 突然山吹先輩に呼び止められる。

 とても神妙な顔をしている山吹先輩が、何か言いたげな顔をしていた。


「実はな……相談したいことがあるんだ」

「山吹先輩が相談って珍しいですね」

「なになに?何でも聞いてあげるよ!」


 しかし山吹先輩は遠慮したような顔をして話そうとしない。

 しかし、やっと決心したのか喋りだそうとする。


「最近、ストーカーに後をつけられているんだ」

「!!………ストーカー………ですか………」

「正木………いくら部長が美人だからってつけるのは良くないよ………」

「お前らは事あるごとに俺を犯人に仕立て上げるよな………言っとくけど違うからな」


 茜の件や今回の件と言い、なぜ皆は俺を犯人に仕立て上げようとするのだろうか………俺そんなに恨みでも買ってんのかなぁ……

 そんなことは置いといて、山吹先輩の件は相当ヤバイな。最近は体育祭の練習などで遅くなっているから夜に帰宅することが多い。なら、何時襲われるなんて時間の問題だ。


「被害にあってどれくらいですか?」

「大体一週間くらいだな………毎日つけられてる」

「まじで!?ヤバイやつじゃん!」


 茜も俺も焦る。一週間なら体育祭での茜のスパルタ大特訓が始まったくらいだな。

 一週間もストーカーを受けているなら、そろそろ襲われる可能性がある。


「………今日が一番危ない時ですかね………」

「え?何で?」

「今日は体育祭の影響で大体の部活は休みなんだ。それに山吹先輩の通学路はたしか………見通しが悪い道が多い筈だったから。人がいない&暗い&見通しが悪い、なんて犯罪にうってつけの状況だからな………」

「………私は今何で正木が山吹先輩の通学路を把握してるのかが不思議なんだよなぁ」

「え?だって去年先輩の家で忘年会やったじゃん。その時道で迷って散々歩いただろ」


 まぁ、茜との議論は終わりにしてそろそろ真面目に山吹先輩の事について話さなければ。


「もし襲うなら今日です。だから俺と茜は気づかれないように近くで見守る………襲いに来た犯人をリンチにする。これでいいでしょう」

「腕がなるね………久々に暴れてもいいんだよね?」

「久々って、お前全然喧嘩とかしないだろ」

「………ふっ、そんなやり取りをしてるなら、大丈夫だろう。期待してるよ」


 そう言って山吹先輩は微笑む。

『守る』それが俺と茜の役割だ。なら、()()()()()使()()()()守るだけだ。

 ………おっと、ヤバイヤバイ。一瞬本性が出かかってた。




 山吹先輩の帰宅途中、後ろからは2つの影が山吹先輩を追っていた。

 まぁ、俺と茜なんですけどね!

 山吹先輩は普段のように帰宅している。

 俺達は先輩から距離を取って、尚かついつでも対応が出来る距離にいた。


「こう見ると………別になんともないふうに見えるのにね……何でストーカー何か………」

「ちょっと静かにしろ………声が大きい」

「へーい………」


 そうしてしばらく見つめる。


 ────ガサッ


 すると、俺達より少し前方でもの音がなる。

 聴くことに集中しないと気が付かない、そんな音だ。

 俺と茜は音がなった方向を見つめる。

 するとそこには、数人の影が………え?数人?


「おい、茜。準備しろ。結構やばいかもしれん」

「もちろん………準備ならとっくに済んでるよ」

「動いたらこっちも動く。体、鈍ってないよな?」

「誰に言ってるの?怪我が速攻で治って調子がいい茜ちゃんですよ!?」

「おう………そこらへんが兵器なんだよな………」


 茜とのやり取りはここらへんにして、例の奴らの監視に戻る。

 数人は少し話した後に、うんと頷く。

 ………そろそろか。

 俺は茜に合図する。

 そして俺と茜は一斉に飛び出て!


『『『や、山吹先輩!さ、サインください!!』』』

「は?」

「へ?」

「ん?」


 ………………。

 静寂が鳴り響く(?)

 数人はサイン色紙とペンを持って山吹先輩に礼をしていた。



「つまりは………山吹先輩の美しさを好きになったファンクラブみたいのができて、サインを求めていたと」

『はい!山吹先輩の美しさに憧れました!!』

「わぁ………平和なのか波乱なのかわからないねぇ………」

「なんなんだ………この騒ぎようは………」


 茜は苦笑し、山吹先輩は額に手を当てている。

 当然だ。思いっきり極悪なストーカーだと思ってたらこんなバカみたいに平和な集団だった。

 いや、平和なのかどうかは知らない。


 ………でも、ストーカーなんて居なくてよかった。これで一安心だろう。


「石蕗………赤松………すまなかった。迷惑をかけたなもう帰っていいぞ」

「「はーい!!」」


 まぁ、本当に一件落着だな。

 何事もなくて良かった。山吹先輩は今日も隠れ女王でした。



 かくして、小さないざこざは解消されて、一年生歓迎会の準備がちょくちょく進められることとなった。

萩原慎二です。

あらすじと後書き川柳のネタが無くなりぎみです。(瀕死)

ネタの提供とかあったらお願いします!

誤字脱字、感想等も受け付けております!

ブックマークなどしてくれると幸いです!

次回予告川柳

    山吹は

     酷く冷酷

      でも人気(事実です)

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