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五人の女(上)

 警部と警察医を現場で迎える、与田志保刑事――署内きっての凄腕である。

「こちらです」


 やがて、死体を調べていた警察医が

「警部。同一凶器による刺し傷が五ヶ所あり、まだ一時間は経っていないかと」


「他には?」


「ええ。その傷のどれもが角度、力加減ともまちまちですね」


 翌日

「女たらしのガイシャの周辺にいた五人の女の内、すでに四人までが判明した……それで、このヤマをどう思うかね?」


 早速、意見を求められた与田刑事だ。


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