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冒頭だけシリーズ  作者: 江菓
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エピローグ

エピローグ

彼を私は裏切った。彼が、神田がずっと好きだった人の前で自殺したのを見た時、私は後を追うために持っていた毒を飲むことが出来なかった。あの時見た神田の笑顔が心の底からのものだとわかって、ずっと閉じ込めていた神田への思いが私の毒を飲もうとする思考を殺した。松尾の大好きなところを語ってくれた神田の声も、笑顔も、何もかももう聞くことも見ることも出来ないのだ。ずっと、大好きだった神田は松尾への思いを首から吹き出す血と共にさらけ出し、松尾の前で死んで行った。

「神田…はん…」

ぼそりと呟く声は誰にも届かない。神田が息絶え、松尾が死んだ神田だった物に駆け寄るのを見届け私はその場から逃げ出した。走って走って息も絶え絶えになる。頬は水に濡れ、目の前はまるで水の中にいるように波打っている。涙を拭きながら頭の中の言葉たちを噛み砕く。『失恋した』『もう会えない』『彼の恋が叶って良かった』『もう少しだけいたかった』『もう彼はいない』そんな言葉たちを少しずつえずきながら噛み砕いていく。様々な感情が渦巻いて心を蝕んでいく。そうしているうちにある答えにたどり着いた。

「そうだ…私が…神田はんになればいいんだ…神田はんがいないなら…神田はんを作り出せば…」

私はまた走った。神田になるためにはまず、整形して顔を作らねば。

神田が死んでから1ヶ月。今私は病室にいる。今日は新たな私と神田の誕生日になる。手鏡を看護師から受け取り、顔の包帯を解く。少しずつ、見えてくる顔は死んだ神田と瓜二つだった。包帯を解き終わり、手鏡にうつる神田の顔に惚れ直す。

「おかえりなさい、神田はん」

これで「冒頭だけシリーズ」は終了です!!読んで下さりありがとうございました!冒頭だけなのにここまで読んでくださり本当にありがとうございます。実は本作には関係ないおまけのような小話があるのでそちらも投稿させていただきます。

次回は8月12日に投稿します!

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