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エピローグ

 エピローグ


「いよいよ、結果発表ね」

 麻耶は胸高らかに結果を待ちわびた。結果が出るのを辺りも今か今かと待っている。あたりはまるでお祭り騒ぎであり、屋台が何件も出ている。どこにこれだけの住人がいるのか不思議だが、この雰囲気は麻耶は好きだった。

「久々ね、麻耶」

 ふと声がして振り返ると、そこには射命丸 文が立っていた。普段の文はただのど変態だが、今の文からはスクープを追い求める敏腕記者のオーラが漂って…と思ったら祭りの熱気でスカートがめくれた女の子を激写してる所を見ると普段の文だった。

「ところで麻耶、スクープは撮れた?」

 文が挑発気味に麻耶に尋ねてくる。麻耶はお返しとばかりに

「もちろんよ、文はどう?」

 と尋ねる。文は当然とばかりに

「当然。きっと麻耶は驚きで固まる事請け合いですね」

 と豪語し去っていった。なるほど、敵に不足は無いようだ。

「あ、麻耶久しぶり~」

 再び声がして振り返るとそこには魂魄 霊夢がいた。心なしか前に会った時より痩せて見える。

「久しぶりね~、霊夢。元気にしてた?」

「もちろんよ~。慣れないことしたから少し疲れたけど…。でも家の神社為だもんね。弱音を吐いてる場合じゃないわ!」

 よく見ると屋台の片隅にお賽銭箱が置かれている。霊夢の感性は分からないが、これで少しは霊夢の生活が豊かになるのならいいのだけれどと麻耶は思った。

「麻耶~、おはよ~」

「あら、チルノ。今起きたの?」

 霊夢と話してて気づかなかったが、いつの間にかチルノが居た。霊夢は自分の置いたお賽銭箱が気になったのか戻っていたのでチルノと話すことにする。

「だって疲れたんだもん。ずっと眠りっぱなしだったよ~」

「まあ確かにハードだったわよね…」

 そう、結局あの館の場所からすぐにワープして戻るといった漫画のような事は起きず、ひたすら歩いて戻るしかなかったのだ。おかげで帰ってからは倒れるように眠り込み、何日かは動けなかった程疲労していた。

「でも、その分いい運動になってよかったでしょ?」

「あんな運動したくないよ…」

 それは確かに同意せざるを得ない麻耶だった。

「お待たせしました! ただいまより幻想郷スクープ大賞争奪戦の結果発表を行いたいと思います!」

「始まったわね!」

 会場の熱気が一気に高まった。参加者の数は多いが、果たして結果は…。

「優勝者は…射名丸 文さんです!」

 発表と同時に歓声が上がる。どうやら麻耶の努力は一歩及ばなかったようだ。だが麻耶は文の実力は認めているし、自分も精一杯の努力はした。この結果は認めざるを得なく、そして素直に納得できる結果だった。

「残念だったね、麻耶」

「ええ。でも悔いは無いわ。文のほうが上だった。それだけの事よ」

 発表が終わり、表彰式に移っていた。皆の関心を一心に惹きつけたのは豪華商品だ。それの効果でこれだけの参加者が集まったのだ。皆気になって仕方ないのか、一様に身を乗り出して、商品が出てくるのを待ち望んでいる。

「一体何が出てくるのかしらね」

「さあ~」

 チルノは商品に興味が無いのか屋台で買った杏飴を食べている。幻想郷にも杏飴がある事にすこし麻耶は感心する。

「お待ちかね、豪華商品の贈呈です!」

「さてさて、何が出るのかな…」

 皆が固唾を飲むのが分かる。果たして豪華商品の正体は…!

「この魔法のアイテム…天使のブラです!」

 ………………………………………は?

「これは異世界から来た魔法のアイテムで、つけるだけでサイズが2つも上がるという優れもの! 是非お受け取りください!」

「ありがとうございます!」

 文は受け取ると高らかに商品(要はブラ)を振り回して観客に応えた。はっきり言ってただのアホである。と何かが文の背後に近づくのが見える。あれは…十六夜 咲夜? あのメイド長は何をやろうとしているのだろうか…。

「咲夜一体…何を…。あ!?」

 そうこうしている間に咲夜は文の背後に回りこむと頭を握り締め、強引に自分に顔を向けさせると冷たく言い放った。

「ヨコセ」

「はい…」

 こうして幻想郷スクープ大賞争奪戦は幕を閉じた。麻耶は心の底から呟く。

「何たる茶番…」


「ねえ、麻耶」

「何、チルノ」

 会場を後にし、麻耶とチルノは歩きだした。季節は春。所々で桜が咲き誇り始めており、辺りの景色は木々の色から桜色に変化していく様はとても情緒があって歩く足取りも軽くなっていた。

「この桜…ミリアも見てるかな~」

「そうね…」

 もうこの世にミリアはいない。だけど、この光景がミリアの元へ届く事を祈ろう。きっと届くと信じて。

「チルノ、お花見行こうか」

「お花見? 行く行く~!」

 麻耶はそう提案し、チルノは賛同する。二人はどんな場所に行こうか、お弁当は何にしようか話しながら、桜並木を歩いていく。そんな二人を見守る二つの影があった。

「行こうか」

「はい」

 二人はこれからも歩いていく――――――。


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