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君のためにもう一度  作者: みけたろー


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繰り返す世界

今日がもう一度きたなら、今これを読んでいる君はどんなことを思うだろうか。


――失態をやり直せる?

――抜き打ちテストを知れる?

――嫌いな奴に合わずに過ごせる?


まぁ、色々あるだろう。だがどれも、『やり直せて嬉しい』という感情に帰結することと、僕は思う。

そして同時に、今日がもう一度来たことに対しての僕の感想は――、


「……クソッタレ」


である。



■■■



先程まで家出をして歩き、公園で休憩をとっていた。

寒い空気に反して暖かい日差しが僕に向かって降り注いでおり、1度公園のベンチに座って休んでいた。

そしてウトウトしてきたから脳の休憩のために少しだけ睡眠をとれば、どうだ。


「……なんで家の天井なんだよ」


幸い家出した日に起きた時刻と同時刻に起きている。だから、たとえ今日が繰り返したとしても僕は家を出るのだ。


「……準備しねぇと」


サッと跳ね起き、階段を降りる。この家は2階建ての一軒家である。普段からしている努力の甲斐あってか、階段から軋む音を微塵も出さずに僕は一階に降りることに成功する。

この時間はまだ親は寝ているのだ。


冷蔵庫から多少の食料、そして既に用意してある衣服の詰まったキャリーバッグを手に取りいざ出発だ。


今現在の日付は、2/15。

僕は黒の短パンに白のTシャツで家を出た。

先日降った雪がまだ所々に残っている。

家から出て真っ直ぐに進めば、右か左かのT字路に出る。その大通りに沿って線路も建設されている。

僕はキャリーバッグを転がして右に進んだ。こちらの方が駅が近い。


「繰り返すなんて冗談じゃない。選んだ道が変わればどっかでループも――」


早朝の2月。キャリーバッグのローラーを転がし、道路にコロコロと音を響かせながら白い息を吐いて、僕は呟く。

そう言って1度目を閉じ、開けば――、


そこにはまたしても見慣れた天井が広がっていた。



■■■



「はぁ!?」


と、僕は思わず大声を出してしまった。いつの間に僕の瞬きにはタイムループの能力が備わったのか。


「いやいやいやいやほんとに冗談じゃないぞ」


苛立ちを見せ、頭を掻きながら僕はまたしても布団から跳ね起きる。

そして冷蔵庫から同じように食料を出して、キャリーバッグを手に取りいざ船出の時である。

これで準備をするのは3度目のせいで、少し手際の良さが上がっている。


「船出っての正しくないけどな?」


そんな戯言を呟きながら僕は玄関の扉を開く。

音がならぬようゆっくりとドアを開き、同じようにゆっくりと閉める。

家を出た左手側にあるのが大通りである。

1度目は大通りを左に。

2度目は右に進んだ。


「……1回目なぞるか」


そう言い、僕は素直に1度目をなぞることにした。

左を正面として進めば、その大通りは段々と右に緩やかにカーブする道となってゆく。

そしてそのカーブとは逆方向の細い道。前回はその細い道へと行ったのだ。

そして確か、細い道を通ったときに出会ったのが――、


「冬休みになにしてんの?」


と、優しいという雰囲気をまるごと詰めたような少女の声で、背後から質問が投げかけられる。


振り返れば、そこにいるのはサラサラの黒髪を腰まで伸ばした少女である。身長は小さく、確か152cmと言っていた。(からかおうとして本気の目で睨まれたことがある)


小動物のような雰囲気が漂っており、小さい顔に少し大きい丸メガネをつけている。

もこもこの白セーターに長ズボンと、随分と暖かそうな格好をしている。

――思い出した。1回目のときにこの道を通ると、この『幼なじみ』に会ったのだ。

面白ければ是非、他の作品も覗いていってください。

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