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ep109 魔剣使い&魔法剣士vs爆破魔術師&ダークエルフ⑦

 まもなく......魔力の風がおさまる。

 いや、それは魔力の風というより、生命の風か。


「わ、わたしは......!助かった...のか」


 エレサはむくりと上体を起こし胸に手をあてて言った。


「ああ、お前は助かった。治癒を(ほどこ)したのはそこのシヒロだ」


 俺はエレサにシヒロをさし示した。

 シヒロはまだ肩で息をしていた。


「な、なんで、赤の他人のわたしを......」


 エレサはさっぱり理解できないといった様子。


「よ、良かったです!ぼく、こんなに頑張って魔法使ったの生まれてはじめてかも......」


 シヒロはフラフラしながらも一気に緊張が解けたのか、涙目で微笑んだ。


「おいおい嬢ちゃん!おれたちを治療するときはそんなに頑張らなかったのか!?」

「そうだぜ嬢ちゃん!」


 トレブルとブーストが不貞腐(ふてくさ)れたように叫んだ。


「そりゃそうだろ」


 俺が冷静にツッコんだ。


「そりゃねーぜダンナぁ!」

「おれたちに冷たすぎるぜぇ!」


 俺はトレブルとブーストを放っておいて、改めてエレサに呼びかける。


「エレサ。大丈夫か?事態が事態だったんでな。ぎりぎりの手加減はしたつもりだが」


「魔剣使い......オマエは最初からこれを狙って?」


「ああ。俺の剣はあらゆる魔法を斬り裂く。それはキラースの爆破魔法も同様だ。だからエレサ、お前を斬れば必然的にキラースの魔術から解放してやれると思ったんだ。キラースの言葉がウソであろうとなかろうと関係なく」


「た、確かに......もうヤツの魔術は感じない」


「たが、ヤツの魔術の原理はわからなかったし失敗も許されなかった。だから全身を斬り刻んだうえに胸を突いた。人の生命に危害を加えるような人体魔術は心臓が定番だからな。つまり、ここまでやればまずいけるだろうってレベルで攻撃したってわけだ。さすがに脳にやられていたら救ってやれなかったが」


「魔剣使い......その......なぜ?」


「なぜ、とは?」


「なぜ、わたしを助けたの?」


「ただ、そうするべきだと思ってそうしただけだ」


「わたしは......多くの街の人々を手にかけようとした」


「でもお前は望んでいなかった。それぐらいは俺にもわかる」


「たとえキラースの命令だとしても、事実は事実」


「でも俺が食い止めた」


「......魔剣使いは、わたしをどうしたいの?」


「さあ?俺の邪魔さえしなきゃ、あとはお前の好きにしてくれ」


「はっ??わたしを従わせないのか?なんで?」


「まっ、今後のことは、生きてゆっくり考えてみればいいんじゃないか?」


「お、おい!魔剣使い!」


「俺はクロー・ラキアードだ」


「く、クロー!」


「あとエレサ。お前の命の恩人は俺ではなくシヒロだ。なにかあればシヒロに聞いてくれ」


 俺はシヒロの肩にポンと手を置いてから立ち上がると、

「〔グラディウス〕」

 再び魔導剣を顕現(けんげん)させた。


「く、クローさん!そ、そんな!ぼくに任せられても」


 シヒロはあたふたとした。

 俺はシヒロとエレサに一瞥(いちべつ)を送ってから、

「トレブル、ブースト。シヒロとエレサを頼む。俺はあのクソヤロウと決着をつけてくる」

 元の場所へ向かってダッ!と飛び出していった。

当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

面白かったら感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

気に入っていただけましたら今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

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