第八十二話『唐揚げパーティー』
「よし、決まりだね!そうと決まれば・・・」
と僕が言う。
「唐揚げパーティーにしよう!」
僕がそう言うと、唐揚げ大好きキョウちゃんが目を光らせて「賛成!」と言った。「レモンもあるしね!」と僕が付け加えた。
「唐揚げ・・・とな・・・?」ハーデスちゃんが聞く。
「そうだよ!僕がいた世界で子供に大人気の食べ物なんだ」
と僕がハーデスちゃんに説明する。
「ほ・・・ほう・・・」と、感心するハーデスちゃん。
「こどもに大人気だから、ハーデスちゃんも気に入ってくれると思うよ」と、僕が言う。
「わたしは子どもじゃないわい!!でも、ちと楽しみではあるのぉ」とわくわくを隠し切れない様子のハーデスちゃん。
「こないだ見せてもらったから、結構手伝えると思うわ!」
とこないだ僕がスマホを見ながら作った、唐揚げの作り方をじっくりと見ていたヒビキさんが言う。
「じゃあ、私もこないだ作った『かたくりこ』?を作るわね」
こちらも前回つくってもらったのだった。ジャガイモを潰して、水に浸して作るのだ。
「ああ、それはハーデスちゃんに手伝ってもらうといいかも!」と僕がカナデに言った。
「なん・・・じゃと・・・?」
大事のようにリアクションをするハーデスちゃん、自分も食べるんだから、お手伝いくらいしようね?
「うーん、ハーデスちゃんにできるかな~」
と笑うカナデ、わりと体力のいる仕事ではある。
「なんじゃと!私にできないことなどないわ!かしてみい!!」
とジャガイモをすりつぶし始めたハーデスちゃん。
1分もしないうちに、声をだすハーデスちゃん。
「う、腕が痛い・・・もう・・・ムリじゃ・・・」
早くも、降参宣言をするハーデスちゃん。早過ぎるだろう。
「はやっ!!ハーデスちゃん、はや!!まだジャガイモ一個も潰れてないわよ!」と笑うカナデ。
「わたしにはちょっと速かったようじゃの!」
コータが悪いんですよ?みたいな顔をして、言い訳をするハーデスちゃん。
「なんで自信満々なんだよ!お願いした僕の方が悪いみたいな雰囲気だすのやめてくれる??」
と僕が、ハーデスちゃんに突っ込む。
「ほっほっほっ、相手の力量も測れないとは、コータもまだまだじゃのう!」
いや、そうかもしれないけど、君がいうことじゃないよね!!確実に!!
「いや、頑張ろうよ!!ハーデスちゃん次第だし!!」
と言い返す僕。
「それは難しい相談じゃのぅ」
かっかっか、と笑うハーデスちゃん。
そうこうしていると
「よーし、できたわよ〜!」
と、ヒビキさんがやってくる。
そこには美味しそうな唐揚げがたくさん並んでいた。
「いただきます!」
みんなで挨拶した。
「あ、こないだより美味しいですね?なにかやりました?」
「ふふふ、ちょっとね!工夫してみたの!」と微笑むヒビキさん、こないだより大分美味しい気がする。なにをしたんだろうか・・・。
「それより、これ!」とヒビキさんが言う。
「あ、そうだった」と思い出す僕。
「じゃーん、ここにレモンがあります」という僕。
「きた!」とキョウちゃんが目を輝かせる。




