第四十六話『取調べ』
「あー!!ヒビキちゃんとコータがこっそりでかけてる!!」
「あやしぃ」騒ぐカナデとキョウちゃん。
お風呂あがりにゆっくりしていたっぽい二人にきっちり捕まり、追求される僕ら二人。
「しっかり見つかっちゃいましたね」
「そうね!」
こっそり出かけていた、僕ら二人がお互いの顔を見て笑った。こんなにあっさり見つかるんだなぁ、と僕は思った。
そして僕は長い取り調べにあっていた。僕の部屋で・・・。
ヒビキさんはすでに釈放されていた。なぜ・・・
「どうしてこうなった・・・」僕が呟く。
「なにかやましいことがあるんじゃないですか〜!!」
バンバンと机を叩く、取調員こと剣士のカナデ。
「やま・・・しい・・・??はて・・・?」
と、白をきる僕。あるような、ないような?。実際の所、結果的には、外でジュース飲んだだけなのだけども。怒られるようなことはしてないから堂々としてていいはずだが。
「ジュース飲むのは・・・はん・・・ざい??」
「あー!!ほら!!そんな楽しそうなことしてる!!」
「ずるい」キョウちゃん
余計な事を言ってしまった。
ジュースに食いつく二人。
完全に逆効果だった。
「いやー、もう遅い時間だし、明日にした方がよろしいんじゃないでしょうか??」
無駄に敬語になる僕だった。
「明日!!」
と、ピーンと来たのか、カナデのテンションがポーンと上がった??
「あれ、余計なこと言った??」と僕が不安になる。
「いえ、名案よ!!」とビシッとカナデが指差して言う。
「え?え?案なんて出してないような・・・」と呟く僕。
「明日の朝は私、お昼はキョウに付き合いなさい!」
というカナデ。キョウちゃんはうんうん頷いた。
「つまり・・・どゆこと??」と僕はカナデに聞いた。
「朝は私の買い物に付き合ったり、お昼はキョウの商売に付き合ったりしなさいってことよ!!」
とツンと腕組みをするカナデ。態度はアレだがかなりちゃんと説明してくれた。
「ああ、デートしろってことか!」
と僕はやっと理解した。女性からこんなにアプローチされるとは、さすが異世界。来てよかった異世界。何度も死にかけたりしたけど異世界ラブ。
「デート!あやしぃ響き」キョウちゃんがじーっとこっちを見ている。
「いやいや、たのしく買い物しましょうってことだよ」と笑う。
「映画館とかあるわけじゃないしね」
スマホで見れないこともないか。ずっとくるくる回さなきゃいけないけども。
「さあ、僕は、まだ、これをくるくるしなきゃいけないし、夜も遅いし、みんなはかえって寝ましょうね〜」
と、保護者のような感じを出しつつ、二人を追い出し部屋まで送る。
「じゃあ、明日朝来るからね!」とカナデ。
「わかった」と僕。
そして部屋に戻り、しばらく、くるくる回した後眠りについた。
そして、ドンドンと音がする。
「いくわよ!!」
カナデだった。スマホの時計にめを通す。なぜか日本時間とだいたいおなじのこの異世界。
「先生!朝五時なんですが!!」
とカナデに抗議する僕。
「太陽が出たら朝よ!!」
とむちゃくちゃな理論により、カナデに連れられて出かける僕らだった。




