第四十五話『宇宙人か未来人かはたまた』
「水屋さんというのがあるわ!子供が大好きな、甘い水が売ってる!ちょっと買ってくるからまってて」と、ヒビキさんが軽く走る。
「はい!」
そう言いながら、両手にジュースを抱えて、戻ってくる、満面の笑みのヒビキさんは可愛かった。
2つの瓶を持って、走ってくるヒビキさん。
「ありがとう!」と受け取る僕。
「ふふふ、冷たいわね」と言いながら飲み始める。
なんとなく、明かりがあるフリースペースのようなところで、寄りかかりながら話をする。さすがにイスはないか。
それは諦めて、飲み始める僕、コーラとは行かないが冷たくて甘くて美味しい飲み物だった。
「単刀直入に聞くけど、コータくんは何者なの?」
「ですよね~!」
いきなりバッサリきたなー、と僕が笑う。まあ、僕も聞きたいくらいなんだよね、実際のところ。転生じゃなくて、転移っぽいな、という事しか分かってない。
「僕もよくわからないんだよね」と答えて続ける。
「宇宙人か未来人かはたまた、ゲームのプレイヤーか」
と、両手をあげる、降参のジェスチャーだ。
そう全くわからない、ここに来る前もなにをしていたのかいまいち思い出せない。人工知能の可能性だってある。はたまたクローン??可能性は無限大だ。
「あははは、なにそれ」
「いろいろ考えられることはあると、思うんだけど、実際にはわからない。ネットが使えることを考えると、地球に近いどこかかもしれないし、遥か彼方の電波をひろう技術が進んだ遥か未来か」と、僕がペラペラと仮説を並べる。
「あ、まじめに話しすぎ??」
と笑う僕。シリアス比率、下げていかないとね!!
「なんだか難しいのね!」とヒビキさんが笑う。
「そう、難しい!」と笑う僕。ほんとに難しいよね。ここは一体どこなの??と心のなか笑う。
「でも、ヒビキさんが知りたいのは、これでしょ?」
と僕も単刀直入に切り返す。
真面目な顔をして。
もう一度だけ、シリアスモード。
「三人に危害を加えるかどうか」
と僕が言う。
「そう」とヒビキとんが即答する。
「それは絶対にない、危害を加えないと誓うよ!」
片腕を広げるジェスチャーをする僕。
「ふふふ、ありがとう。満足したわ!」
と言うヒビキさん。それを確認したかったのだろう。
「さぁ、二人に見つからないうちに、帰りましょう!」
というヒビキさん。
「そうですね」
ちょうど飲み終わった瓶をお店に返すヒビキさん。
そしてホテルに戻ってくる僕ら。
すると、大浴場に行っていたっぽい、ヒビキとキョウちゃんに見つかる。
「あー!!ヒビキちゃんとコータがこっそりでかけてる!!」
「あやしぃ」騒ぐカナデとキョウちゃん。
お風呂あがりにゆっくりしていたっぽい二人に追求される僕ら。
「しっかり見つかっちゃいましたね」
「そうね!」
こっそり出かけていた、僕ら二人がお互いの顔を見て笑った。こんなにあっさり見つかるんだなぁ、と僕は思った。




