↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脇役才女の生存戦略 私の初恋が終わるまでと、再会の七年後について  作者: 雪嶺さとり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/15

プロローグ 最悪の再会


「本日からお世話になります、ベアトリス・コールヴェールです。よろしくお願いします」


 ついに、この日が来た。

 私は感動で胸を踊らせていた。


 宮廷魔術師団入団試験に合格してから半年、研修期間を終えやっとのことで配属されたのは、念願の『第三師団・魔術研究部隊』だった。


 宮廷魔術師団にはいくつもの師団があり、それぞれによって遊撃・防衛など役割は別れている。

 その中でも第三師団は研究に特化した師団であり、いくつもの研究室が軒を連ね、魔術薬や魔獣の生態研究というように多種多様だ。


「ようこそ、ベアトリスさん。あなたの配属は『魔術解析室』ね。案内するわ、着いてきて」


 大勢の魔術師たちが行き交う第三師団本部の建物で、きょろきょろと辺りを見回しながら案内に着いていく。


 コールヴェール家の養子になってから、第三師団に入団することが自分の一番の目標だった。


(ここが、お父さんがかつて活躍した場所……)


 父が最初に入団し、大きな功績を挙げやがて筆頭魔術師と呼ばれるまでに成長した場所だ。

 そう思うと、喜びだけでなく緊張も走る。

 がんばろう。そう意気込んで、案内された部屋のドアをノックする。


「はじめまして、本日よりお世話になりますベアトリス・コールヴェールと申します。よろしくおねが、い……し………………」


 え?

 なんで、あの人がここにいる?


 何も言えず、ただ、呆然と立ち尽くす。

 それは相手も同じことだった。


「ベアトリス……本当に、ベアトリスなのか?」

「なんで……」


 忘れもしない、夜空のような色をした黒髪。

 あの頃よりも背はさらに伸びて、身体つきもがっしりとしている。

 かつての面影を残したまま、彼……ジュリアンは成長していた。


「ベアトリス……! 俺はずっとベアトリスに会いたかったんだ!」


 なぜか瞳を潤ませ、感激したようにこちらへ駆け寄ってくる。

 嘘でしょ。

 思わずギョッとして後ずさってしまった。


「こっ、来ないで……!」

「待ってくれ、ベアトリス!」


 必死に追いかけてくるが、そんなもの構わず逃げ続ける。


(ヤバい……ヤバいヤバいヤバい!!! なんで、昔の失恋相手が上司になってるのよーーー!!!)


 それも、相当苦い思い出のある相手が。

 ここへ来た時の憧れとドキドキはどこへやら、白い髪を振り乱して走る。

 とにかく、一分一秒でも早くここから逃げ出すことしか考えられない。


 

 ——————ジュリアンと私の出会いは、七年前に遡る。

 始まりは、私が自身の『前世』を思い出したところからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。