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123 「ツーリストファミリー」

 

 はいこんにちは。

 今回ご紹介するインド映画はこちら。

「いい映画らしいぞ」という前評判はだいぶ前から聞こえてきておりまして、楽しみに待っていたこの映画。今回は幸い、公開初日に観に行くことがかないました。

 映画館はいつもの塚口サンサン劇場さまです。


 〇「ツーリストファミリー」(原題または英題:「Tourist Family」)

 2025年製作(日本公開:2026年)

 監督・脚本:アビシャン・ジーヴィント

 撮影:アラヴィンド・ヴィシュワナーダン

 音楽:ショーン・ロールダン

 出演:シャシクマール / シムラン / ミドゥン・ジェイ・シャンカル / カマレーシュ・ジャガン / ヨーギ・バーブ / バガヴァティ・ベルマール ほか

 インド タミル語 127分 G


 アビシャン・ジーヴィント監督は、なんと弱冠25歳というお若い監督。しかもこの作品が監督としてのデビュー作なのだそうです。まずそこに驚いてしまいます。

 製作費も多くはなく、そっと公開された小品と思われたこの映画が、口コミによってどんどん広がりヒットに至ったという曰く付きの作品です。


 この映画の背景として理解しておいた方がいいと思われるのが、スリランカにおける26年にも及ぶ内戦とその経済的な影響。

 スリランカは、全人口のうち75%が仏教を信仰するシンハラ人、15%がインド南部に多く暮らしてきたタミル人。かつてシンハラ人だけだったところへ、タミルの人々が移住してきて今に至るという歴史があります。

 このシンハラ人とタミル人との争いが内戦となり、1983~2009年にまで至ってしまい、経済的な破綻をもたらしたそうです。


 ということで、ちょっとだけストーリーのご紹介。

 主人公であるダース(ダルマダース)は、妻のワサンティ、息子ふたり(ニドゥとムッリ)とともにスリランカから逃れ、海を渡ってインド・タミルナードゥ州のラーメーシュワラムにたどり着きます。つまり密航者です。スリランカでのあまりにひどい貧困に耐えかねての敢行でした。

 この手引きをしてくれたのが、すでにインドに暮らしている妻の兄・プラカーシュ(ヨーギ・バーブ)。

 スリランカに暮らすタミル人たちの言葉というのは、一応タミル語ではあるものの、相当古めかしい言い回しに聞こえるものらしく、インドに住むタミルの人たちには聞き取れないことも多いそうで。要するに「訛りがきつい」みたいな感じらしいのですね。

 この「言葉の違い」が、この物語の中で非常に大きな意味を持ってくるのです。


 字幕はとても苦労されていて、スリランカ訛りの言葉だけは日本の古語の言い回しに近いものに変えられています。たとえば「語らう」とか、「解せませぬが」とか(笑)。


 さてさて、言葉の問題もありつつ、なんとかチェンナイのケーシャヴァナガルという地区に部屋を借りることができたダース一家。

 言葉の違いから、スリランカからの密航者であることがバレることを恐れて「近所づきあいはするな」と義兄に言われていたにもかかわらず、家族はそれぞれ、なんだかんだでご近所さんたちとお近づきになっていきます。もうね、この過程が本当に自然で素晴らしいのです。

 そんな中、海岸で一度は見逃してくれた警察官が、自分の手柄のことしか考えていない上官の強い命令に逆らえず、この家族を再び探し始めて……。


 もうね……とにかくね、ハートフル!

 私は何度も涙してしまいました。心あたたまる、心から「観てよかったな」と思える映画です。もちろん性格の悪い人間もいるんですが、人情味あふれるご近所づきあいにこちらまで心が癒されます。

 劇中のいろんな伏線もまた見事。

 非常にお若い監督さんですが、本当に将来有望なかただなと思いました。


 タミル映画のいつものヨーギ・バーブさんもご登場で嬉しいのですが、今回は作品のカラーに合わせて極端なコメディ色は抑えて演技されていました。それでも出てくるだけで面白いのですがね!!


 ということで、つまり何が言いたいかといいますと「ほんと、お勧めです!」

 まだ上映していますので、よろしかったら映画館へ~!

 ではでは、ドスティ!


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