表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな魔女と野良犬騎士 Act.2  作者: 如月雑賀
21/25

第21話 ロンベルの勇者




 その日の深夜。アルト達は長旅の疲れを癒す暇すらなく、ロブが用意してくれた地図を頼りに隠し通路から、王宮の地下にある武天リッカロージャが住む寝所を目指す。

 暗闇の中、人目を避けて進むのはアルトとロザリン、そしてカンナギの三人だ。

 厳戒態勢が敷かれている関係で、日が落ちた後の都内は人気が全くなくなっている。表を歩いているのは巡回の兵隊達のみで、詳しい事情も聞かされずここ数日間働き詰めになっているからか、士気は低く見回りもおざなりだった。

 そのおかげもあって、一行は誰に見咎められることもなく、隠し通路がある場所までくる事が出来た。


 王宮からは少し離れた場所にある古い水路。梯子を降りて直ぐの場所にある煉瓦の壁には、ほんの僅かだが出っ張りがあって、そこをロブに教えられた通りに左に二回、右に四回回してから押し込むと、ガコッと何かが嵌る音と共に壁は左右に開かれ、大人一人がギリギリ入れる大きさの入り口が生まれた。


「ここです。ここを進めば寝所のある場所に、見つからず辿り着けるのです」


 地図を両手に持って先頭を進むカンナギが、そう言って鼻息を荒くした。

 ロザリンが身を乗り出して覗き込むが、光源が一切ない隠し通路は奥が全く見えない。辛うじて確認出来たのは流れる水の音くらいだ。


「水ってことは、この先も水路になってるのか」

「……なんか、ちょっと、臭う」


 長く使われて無かった所為か、独特のかび臭さにロザリンは鼻を摘んだ。


「水路って、こんなに、臭ったっけ?」

「王都の水路が特別なんだよ。あそこの水は水神の加護で、常に浄化されてっからな」

「何をごちゃごちゃと無駄話をしているですか。ほらほら、行くですよ!」


 手早くランタンの準備をしながら急かしてくるカンナギに、肩を竦めながらも二人は注意を払い隠し通路へと足を踏み入れた。

 中から外へ緩やかに流れる水路を挟んで、両側に人が通れる道を三人が進む。

 横の幅は大人が三人並んで両腕を伸ばした程度の広さで、王都の水路に比べればこじんまりとしている。地面の水路の境目や壁などには苔が生えていたり、時折ネズミらしき存在が走る音が聞こえるなど、この場所がかなりの長期間、手入れされずに放置されていた事が伺えた。


 暗い上に足元が滑りやすくなっているので、三人の足取りは慎重だ。

 今は自分達以外に人の気配は感じ取れないがここは既に敵地。隠し通路を通っておいて、偶然は装えないので、万が一にも敵と鉢合わせしないよう、周囲を警戒しながら足を進めていく。

 ランタンの灯りに照らされる隠し通路は、真っ直ぐ同じ道ばかりが続く。

 水路には慣れっこだが、やはり見慣れない街だから、妙な緊張感と不気味さを感じてしまっていた。


「地図の通りだと、このまま進めば目的地にまで辿り着けるんだよな?」

「うん。その、はずだよ」

「予想してたとはいえ汚ねぇ場所だなぁ、ここは。ヤベェ魔物とか住みついてねぇだろうな」

「気配は、感じない、けど……あんま、水路側に、近づかない方が、いいかも」

「……そうだな。こんな底冷えのする場所で、濡れ鼠になるのは勘弁だぜ」


 仮にも国家神の住む寝所に続く抜け道なので、魔物や悪霊の類が住みつくような事はないだろうが、外からの侵入者を警戒して罠を仕掛けられている可能性もある。なるべく周囲に注意を払い先へと進む。


「しかし、静かなモンだ。歩けども歩けども、水の音しか聞こえねぇ」

「そりゃ、そうだ、よ。人がいる方が、問題」

「感覚的な話だよ。まぁ、ここ暫くうるさいヒゲが一緒だったからな、余計にそう感じるのかもしれねぇ」

「おじさん、お喋り、だもんね」


 ヒゲことエドモンは今回の作戦には同行しなかった。

 隠し通路を通っての潜入なので人数は少ない方がいいし、エドモンは隠密の経験や知識に疎いこと、何よりも本人が嫌がった。


『いやいや、無理だっての。おじさん、デブでヒゲなんだからこっそり出来ないよ!』


 ヒゲは関係ないが、エドモンはそう言って断固拒否の姿勢を示した。

 元より連れて行くつもりは無かったし、本人に適正が無いのは事実だが、半分以上は面倒そうだったから嫌がったのだろう。


「サボりを黙認したみたいでムカつくが、まぁ、狭い場所に引っかかられても困るしな」

「それは、大袈裟。でも、想像すると、面白い」

「その分、あのヒゲにはそれ以外の事でこき使ってやるさ……なぁ、カンナギ」


 正面を無言で進むカンナギに話を振るが、彼女からの返答は無かった。

 アルトとロザリンは顔を見合わせてから。


「おい、お~い。聞こえてんのか?」

「カンナギ? どうか、した?」

「――ふえっ!?」


 ロザリンがカンナギの背中を指先で軽く突っつくと、彼女は全身をビクッと大袈裟に震わせてから、何処か青ざめたような顔を此方に向けた。


「どどど、どうしたですか? 何か出たですか? 出てないですよね?」

「お前がどうした」

「大丈夫? 顔、引き攣ってる」

「……まさか、怖いのか?」

「べべべべ別に怖くなんかっ!? アルトさんは、何を馬鹿な事を言ってるのですか!?」


 あからさまに狼狽し、振り返ったカンナギは震え声を水路に反響させた。


「おい、静かにしろよ。誰かいたらどうすんだ」


 ハッとなったカンナギは自らの口を両手で押さえ付ける。

 そして伺うような上目遣いをアルトに向けると。


「……誤解なのです」


 と、何も聞いて無いのに言い訳を始めた。


「誤解って、何がだよ?」

「アルトさんが考えている事です。断じて、断じて勘違いなのです。このわたしがオバケを怖がるなんて、ある筈が無いのです!」

(……オバケを怖がってたのかよ)


 てっきり今更怖気づいたのかと思っていたが、事実は想像よりも可愛らしいものだった。

 なるほど。納得した様子が気に食わなかったのか、カンナギは三角にして睨んでくる。


「なんです、なんなんです? まさか、わたしがオバケを怖がっているとでも思っているですか?」

「別に思ってねぇよ。絡んでくんな、鬱陶しい」

「鬱陶しいとは失礼です! わたしはジェラルド様の家臣として、不名誉は正さねばならないと……」

「だーかーらー、何とも思ってねぇっての」

「嘘です、嘘なのです! アルトさん、目が笑っているのです!」

「……マジで? あ、本当だ」


 ワザとらしく自分の顔を触ってからそうからかうと、カンナギは直ぐに顔を真っ赤にして「失礼、失礼なのです!」と金切り声を上げてから、もういいです! と頬を膨らませてズカズカと隠し通路の先を行ってしまった。

 背中越しに、ロザリンの大きなため息が聞こえる。


「アル、性格が、悪い」

「残念。俺は昔っから、嫌な男だよ」


 肩を竦めてから、チラッと後ろを振り返り。


「でも、ああして怒っておけば、多少は気が紛れるだろ?」


 そう言うとロザリンはキョトンとしてから、もう一度ため息を鼻から抜いた。


「訂正。アルは、性格が、悪いんじゃなくて、捻くれ者、だった」

「ああ、それも昔っからだな」


 苦笑しながら肯定しつつ、二人は速足で先を歩くカンナギを追いかけた。

 その後は無言のまま暗い隠し通路を進む。

 怒らせた事が功を奏して、カンナギは先ほどまでの怯えていた様子は何処へやら。まだ怒りが冷め上がらぬ様子で、鼻息をふんす、ふんすと鳴らしながら先頭を歩く。地図に記された道順は既に頭の中に入っているのか、何度も分岐点がある道を迷うことなく右へ左へと選んでいく辺り、流石はジェラルドが信頼を置くだけの事はあるのだろう。

 歩く事、一時間あまり。

 変わり映えがしなかった薄暗い隠し通路に、ようやく変化の兆しが見えた。


「……行き止まり?」


 腕を上げてカンナギがランタンで先を照らすと、進行方向に終着を告げるかのよう煉瓦造りの壁で塞がれていた。驚いたカンナギは足を止め何度も壁と地図を見比べて、間違いが無い事を確認すると、今度は小走りに駆け寄って壁に引っ付くようにして調べ始める。


「お、おかしいのです。地図では目的地はこの先を示してて、扉があるはずなのに」


 手の平でぺしぺしと叩いたり、耳を当てて音を確かめたりしてみるが、何も確認できずカンナギは途端に涙目になる。

 まさか、地図が作られた時と構造が変わってしまったのか。

 壁に引っ付いたカンナギが青い顔をしていると、ロザリンが壁際まで進み出て、そっと手の平を添えた。何かを確認するよう、息を止めて数秒間停止してから、「やっぱり」と呟いて軽く息を零す。


「これ、結界が、張られてる」

「……ま、だろうな」

「け、結界なのですか?」


 半泣きになっているカンナギの問いに、ロザリンはコクッと頷く。

 仮にも国家神が居る寝所へと続く通路だ。むしろ、ここまで防御らしい防御が無かった事の方が不自然だろう。


「これ、本物の壁じゃ、なくて、魔力で編まれた、結界そのもの」

「物質化した魔力障壁ってわけか」


 顎を摩りながらアルトも壁へと近づくと、一呼吸置いてから腰の刀を抜き放ち両断を試みる。しかし、刃は火花を散らしただけで容易く弾かれてしまい、壁を寸断するどころか傷一つ付けるに至らなかった。


「硬い。って言うか、物理的に干渉してねぇな、こりゃ」


 物理耐性に重きを置いた障壁なのだろう。恐らくは魔術による破壊工作も、無効に出来る程度は強固なはずで、よほど強力な上位魔術か兵装を持ち出さなければ、力技で突破するのは難しそうだ。

 ならば、方法は一つしかない。


「ロザリン。この結界を解除できるか?」

「多分、大丈夫、だと思う」


 口調は頼りないが力強く頷くと、壁の前で膝を突き自身のマントの中を探る。

 取り出したのはチョーク。しかし、ただのチョークでは無く、錬金術によって生成された特殊な粉が混ぜられた魔術道具だ。

 ロザリンは手に持ったチョークで壁に魔法陣を描く。その上に手を添えると……。


「むにゃむにゃ」


 と、アルトには上手く聞き取れない呪文を口の中で呟いた。

 すると壁に書かれたチョークの粉が発光すると、染み込むようにして消えて行く。数秒後、低い鐘のような音が短く響くと、壁は消失してしまった。


「レジスト、終了」

「お前、何気に凄いな」


 Vサインをしながら、ロザリンは恥ずかしげに微笑んだ。

 人間的にはまだまだ未熟者だが魔術師として……いや、魔女としての実力は、素直じゃないアルトも認めざる得ない。元々、才能豊かな天才肌ではあったが、様々な経験が血となり肉となり、彼女の術者としての素養を大きく高めているのだろう。

 願うならば、彼女が一人前になる姿を見届けたいモノなのだが。


「……って、何を考えてるんだ、俺は」


 ズキッと痛む顔の紋様を指でなぞりながら、アルトは胸に芽生える奇妙な感情を押し殺した。

 その様子をロザリンとカンナギは、不思議そうな、不審そうな表情で見ている。


「どう、したの?」

「何をアホ面晒してるですか」

「どうもしねぇよ。あと、アホ面言うなッ」

「――痛たたた!? は、鼻を引っ張るなです!?」


 生意気なカンナギの鼻を指で軽く摘んでから、アルトは「ほら、行くぞ」と二人を促す。

 結界で遮られた先を進むと、最初はまた同じ道が延々と続くのかとうんざりしてたが、最初の角を一つ右に曲がった途端、見える景色は一変した。


「……なんじゃ、こりゃ」


 足を止めたアルトは思わずそう零す。

 先に続く隠し通路。通路自体の大きさが一回り広くなった事もそうだが、壁や床、天井を構成する物に一度は驚きを隠せない。剣や槍、弓矢や斧など様々な武器に、古今東西、あらゆる地域で使用される国際色豊かな甲冑。それらが無作為に重なり合い、繋がり合って一つの通路を作り上げていた。


「な、なんなんですか、これは!?」


 絶句しながらカンナギが、持ち上げたランタンで一面を照らす。


「これ、人工的に、作られた物じゃ、ない。魔力が、宿ってる。それも、人じゃないの」

「ってことは、武天の力に侵食されて出来た空間ってわけか」


 武を司る大精霊ならば、その影響で武の象徴である武具が出現するのは、まぁ説明としては筋が通っているだろう。無機物とはいえ、人型の甲冑が丸ごと壁に埋まっていたりする光景は、ちょっと不気味なモノはあるが、つまりは結界を越えたこの場所は既に、武天の支配領域内という事だ。

 恐る恐る通路に踏み出すと、平坦では無い地面がかなり歩き辛い。


「こりゃ、長く歩くのはしんどそうだ。埋まってる剣とかで、足の裏をざっくりって事はないだろうな」

「足元を照らすから、気を付けて進むのです」


 珍しく気の利くカンナギが、足元に光を当てるよう持っているランタンを下げる。

 様相は変化しても、先行きの読めない隠し通路を進む事は変わらない。歩き難さだけが増して、また延々と何処まで進むのかわからず足を動かし続けるのかと、アルトは辟易とし始めていたが、それは直ぐに杞憂へと回帰する。

 奥に進めば進むほど広くなる通路。それに伴い魔力による領域侵食も安定してきたのか、デコボコとした壁や床は次第になだらかになっていき、舗装された道と変わらないくらいに平坦になっていた。

 そして結界を抜けて三つ目の角を左に曲がった時、アルト達一行は歩む足を止めた。

 隠し通路はここで途切れ、正面に広がるのは小さな屋敷程度なら、すっぽりと収まってしまうくらい天井が高く広々とした空間。通路から入って左手側の奥に、こじんまりとはしているが、社のような木製の建造物が存在していた。隠し通路の最初の方は荒れ放題だったのに、柱の木目までキッチリと磨かれ手入れされた社は、遠目からも肌がひんやりとするような清廉さに満ちている。


「アレが、武天が住まう寝所か」

「ですです。地図で確認したですが、間違いありません」


 真剣な表情で取り出した地図を睨みつけてから、カンナギは力強く頷く。

 三人の中では一番、魔力の感知能力が高いロザリンも、気圧されるようゴクッと唾を飲み下していた。


「凄い、力を感じる。これ、天使エクシュリオールより、強いんじゃ……?」


 思い出して恐怖が蘇ったのか、ロザリンはぶるっと身体を震わせた。


「天使……天の精霊は受肉した影響で、精霊としては弱体化してたからな。リューリカ様とも直に顔を合わせてねぇし、まともに会ったのはガーデンのマドエルくらいだが、アレも戦いを得意とするタイプの精霊じゃない……それでも人知を超えた力の持ち主だったんだ。力そのものを司る武天がどんなモンか、人の身じゃちょっと図れねぇかもな」

「そっか。そうかも」

「……大精霊とそんなに接触する機会がある方が驚きなのです」


 信じられないといったカンナギの視線を受けながらも、通路から社に向けて足を踏み出すことに戸惑いを覚えていた。人の身では侵し難い神域に土足で踏み入る事に、禁忌を感じている事もあるが、それとは別の強烈な圧迫感、威圧感が少女二人のみならず、百戦錬磨のアルトすら先へ進む事を躊躇させた。


「な、なんか、進み辛い、ね」

「むむむ、おかしいです。おかしいのです……その、おばけよりこわいです」

「……参ったなこりゃ。どうやら武天様、かなりご機嫌が斜めのようだ」


 呟きながら何気なく額を摩ると、殺気に充てられうっすらと汗が滲んでいた。

 そう。今、正面の空間を満たしている空気は、武天が醸し出している殺気だ。武王が殺害されたからか、アルト達が侵入したからか、それとも全く別の理由からか。少なくとも真っ直ぐ訪ねて行って、迎えに来たと扉を叩いても顔を出してくれるとは思えない。むしろ、自分達の顔が身体から分離されてしまうかもしれない。


「一応、周囲に人の気配は無いのです。お連れするなら、今がチャンスなのですけど……」


 チラッと伺うようにカンナギはアルトを見上げる。


「ロザリン。魔術系の罠とかはあるか?」

「ううん、ない」


 予め周辺を視てくれていたのだろう。素早い返事から、ロザリンは首を左右に振った。


「武天の、力が満ちてて、わかり難いけど、他に魔力とか、感じ取れないから、大丈夫だと思う」

「なら、いつまでもここで手をこまねいている理由は無いな」


 アルトは意を決するように大きく息を吸い込んでから、二人の少女に視線で「行くぞ」と促す。二人が頷いたのを確認してから、アルト達は同時に社へ向けて最初の一歩を踏み出した。気圧されてはいても進み出してしまえば後は簡単。見張りも障害も無い、ただ広いだけの空間を、社に向かって最短距離で真っ直ぐと歩くだけ。次に問題になる事と言えば、閂で封をされた社の扉を、どうやって開くかだろう。

 緊張感が薄れ始めたちょうどその瞬間だった。


「――ッッッ!?」


 唐突にロザリンは足を止め、見開いた目を反対側の通路に向けたまま叫んだ。


「――誰か来た!? もっの凄い早さで!」

「――なにッ!?」


 声に反応してアルトも通路側に目をやると同時に、視界が歪むほどの衝撃波が駆け抜け、蹴散らすように三人を跳ね飛ばした。


「――へっ?」

「――にゃ!?」

「――な、なんだとぉぉぉ!?!?!?」


 気が付けば三人同時に高く宙を舞っていた。何が起こったか理解するより早く、反転した視界の眼下、直前までアルト達が立っていた筈の場所に、靴裏を滑らせながら猛烈な風を纏って急停止する青年の姿があった。


「ご無礼」


 身体を低く保ったままの態勢で、まだ宙を舞う三人を見上げると、青年はぞっとするほど爽やかな顔立ちでニコッと此方に微笑みかけてきた。


「アーバイン=ブレイブ=トライスター。申し訳無いが君達の蛮行を阻みに来た。抵抗しないで捕まってくれると、手荒な真似をしなくて済むからありがたいかな」


 何者だ。そう叫ぶより早い自己紹介に次の言葉が思い浮かばず、アルトは絶句しながら口だけをパクパク動かし、硬い床へと落下していった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ