14年2月:工場長とagain
年も改まって2月。
今回の行程は――、
1日目、KIXから南京入り。南京で商談の後、南京泊。
2日目、車でズーチーへ移動。ホテルでT氏と合流。その日は移動でお終い。
3日目、紹介された工場を見学。その日はズーチー泊。
4日目、午前中、紹介された新しい工場を視察。午後からキューヨー訪問。夕方は高速鉄道を使って上海へ移動。上海泊。
5日目、移動日。昼の便で帰国。
4泊5日の行程ですな。
KIXから例の工場長と連れだって出発。
はしゃぐ工場長をなだめつつ、ネタも無く1日目は終了。
2日目。
南京の方々に、車でズーチーまで(何時間かかったろう?)送ってもらいます。ズーチーのホテルで、日本の商社に勤めるT氏(日本人・某国語ペラペラ)と合流します。
このT氏、かのイチロー氏そっくり。意図的に髪型や髭を真似てるから、ホントよく似てる。
……私は、そんトコに絶対突っ込みませんが(藁
実を言うと、このT氏、戦闘用アンドロイド――の主要登場人物、フレイさんのモデルです。
さっそく3日目。
……いや、1日目と2日目は、前向きな仕事ばっかりで、内容は社内秘なもんで、ここじゃ書けねぇぜ!
当然の如く、命に関わるような危険なマネはやってねぇ!
3日目の晩ご飯。
紹介された工場が主催して、晩ご飯をおよばれ。
どんどん酒が入ります。
どんどん紹興酒が空になっていきます。
店の店主(ジャッキーの映画に出てきそうな、いかにもな初老のハゲ店主)がヤカンで酒をサービスしてます。
白酒っつって、餅米だかなんだかで店主自ら作った、無色透明なお酒です。
それをコップに入れていただいて、恐る恐る一口。
おお!
ずいぶんとフルーティで飲みやすいお酒。
で、コップに半分嫌い飲んで、やっと気づいた。
すげーアルコール度数が高い!
ビィーがアイマラで長老に飲まされた酒並みに強い!
あっという間に限界突破!
ここで、頭の隅にとある言葉が引っかかっているのに気づいた・
――この白酒、店長自ら「作った」お酒――
……密造酒?
よし!
意識を手放そう。
よい子のみんな! 白酒には手を出すな! 以上だ!
まともな頭に戻った時と場所。それは、ホテルへ向かう車の中だった。
急いで、お土産の入った紙袋の中身を取り出し、袋に向けて――。
ケロケロケロケロ……
ホテルに着いたら、捕まった宇宙人状態。両脇を支えられて、ホールを横切ります。
私だけが潰れてる模様。
皆さん、飲んでそうに見えて、実はペース保ってたな!
いや、もう一人!
商社のT氏も、私並みにヘベレケ状態だし!
後で気づいたけど、このT氏、私に付き合って、わざと泥酔してくれたみたい。
一人だけ酔いつぶれたら情けないけど、二人で潰れたら恥ずかしくない。
さすがT氏。スーパー商人! フレイのモデルになっただけある!
自力で部屋に入って、ベッドに横になって目が覚めたら午前2時。
風呂に入ろう風呂に。
このホテルの風呂には、バスタブが付いている。
お湯を張って、秘密兵器を使用。
入浴剤バブ!
ラベンダーの香りに包まれて、疲れた体をほぐします。
温い湯に長い間浸かって、アルコールを汗で飛ばす。
ついでに湯に浸かりながら文庫本を読む。リッチリッチ!
風呂から出たら、トレーナーに着替えてリラックス。
こんな事もあろうかと、トランクに忍ばせておいたウコンの力を喉に流し込む。
……もう一度ケロケロして飲んだものを全て吐き出してから寝た。
くそっ! これじゃ泥酔日記だ!
この日の工場長が、会社に放ったメールによる報告書に――、
「アズマダ君が私の代わりに飲んでくれて潰れたので、レポートは明日になります」
――と、ナイスフォローしたつもりで、社長と専務に送っていただいた。
いや、だから、酒の席で仕事してるような印象与えるんじゃねぇっつーの!
社会人として、間違ってもそんなの報告しちゃダメ! ゼッタイに!
それ以来、紹興酒の臭いがダメになってしまった責任を誰か取ってください。




