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某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
第3章 13年11月
12/43

1.夜行飛行


 今回、悪の大要塞への出張はありません。

 あの工場の商品は落ち着きました。よって、訪問する必要は無し!

(実はこの頃、キューヨー製品にタチの悪い不良が発生している事に気づいてなかった)


 今回の予定は3泊4日。

1日目は、遅い時間に飛行機で移動。上海泊。

2日目は、桐郷へ移動。新しい工場で商談。ズーチーへ移動。ズーチー泊。

3日目は、ズーチーにて紹介された工場を見学。上海へ移動。上海泊。

4日目は、移動日。帰国。

 といったスケジュール。


 全部、招待。しかも訪問先は2軒だけのキューヨー無し。

 今回こそ、ラクショーっしょ?


 

 ……不安点は1つだけ。


 3日目。ズーチーから高速列車に乗って上海へ向かうのですが、列車に乗ってから翌日、飛行機に乗るまでが単独行動なのである。


 しかし、上海のホテルは初日で泊まるホテルと同じ。虹橋駅からホテルまでは歩いて10分。ホテル、即ち虹橋駅から東浦空港までの道のりは高速バスで1本。経験してます。

 ……なんとかなるでしょう!


 今回はスマートに行って帰れそう。

 申し訳ありませんが、第3章は短いお話となりそうです。

 ホント、ごめんねこ。



 で、初日。

 飛行機は最終便。嬉し恥ずかし夜の出発。


 前回、同行してくれたワンさんが、

「出発の1時間前空港着で十分だよ!」

 などと、ナイスアドバイスをくれたので、きっちり1時間前にKIXへ到着。


「某国民営空港19時30分発に搭乗予定のアズマダさん――」

 空港中にアナウンスされてますがな!

 1時間まえの到着じゃ遅いんだってさ!


 あと10分遅れてたら、置いてきぼりにするところだってよ!

 これでトラブルメーカーはワンさん説決定だな!


 飛行機は、何事も無かったかのように、時刻通り空港を飛び立つのであった。

 

 前回の出張で、高速バスの目的地であった虹橋駅のすぐ側。そこに第一泊目のホテルが突っ立っている。

 空港へは、お迎えが来ています。

 某大手商社の正規社員のジョさん。某国出身である。

 

 飛行機は、無事、東浦空港へ着陸。現地時間20時後半。

 手続きや何かで空港を出るのは1時間後の23時前。


 やたら警官が多いし、警備が厳しい。なんか会議でもあるのかな?

 この国じゃ警察を公安って呼ぶんだよね?

 公安の腰に下がっている筒、あれなに? 自分が知ってるデザインで、一番近いのはショットガンだよ。口径がビー玉サイズ?

 ああ、知ってる知ってる。これってエアガンだ。


 ……よし!


 

 てな訳で、あっさりジョさんと合流。タクシーでホテルへ向かう。


 前回、トラブルを起こした高速バスと同じ道順(逆の)だから慣れたもの。

 1時間も経たず、タクシーの窓から目的のホテルが見えてきた。


 そこの分岐を右に入って……、え? 通行止め?


「おかしいな。お迎えに上がる前にここ通ったんですけど、閉鎖されてませんでしたよ。ここ、一本道なんで、封鎖されたらホテルへ入れません」


 それは困った。


 ジョさんが、なにやらタクシーの運ちゃんと話をしている。


「見たところ、工事ってわけじゃなさそうだし、無理矢理通っちゃえば?」

 私は強攻策を主張する!

 日本じゃ、工事中って看板だけで、実は何ともないぜってパターンが多いしね。


「公安の車が道を封鎖しています」

 それはまずい。


 この国の公安は怖い。

 9課なんかあった日には目も当てられない。


 なんも後ろ暗いところ無いのに、こそこそしてしまうのは何故?

 つーか……。


「なんで、この時間に封鎖?」

「理由は、公安にしか解りません」


 よし!



 高速道路上で停車しているわけにもいかないので、とにかく走り出す。


 ホテルが入った施設(駅と空港とホテル)の周囲を何回か回ったけれど、どこにも車を着けられる場所が無い。

 仕方ないんで地下道へ周り、道幅の広いところでタクシーから降りる事にした。

 何はなくとも、施設に向かって走る。壁伝いに歩いてたら、見覚えのある高速バスの発車場が!


 ここだ! ここしかない!

 二人してドアをドンドン!


 何事か? と係員が顔を出してきた。

 そこでジョさんが、状況を説明。

 チッ! みたいな顔されたけど、なんとか中へ入れたぜ!


 入れたのは駅側の空港施設。

 23時を軽く回ってるけど、何とかなった!

 人気もなく真っ暗な空港内を横切り、何とかホテルへ到着。


 さあ、チェックイン。

 予約が取れてない! なんてミスはない。

 代わりに、スゲー高い料金の部屋を取っていたというミス発覚!


 あ、あれ? おかしいな。

 短時間で2度のトラブル。


 なんで?

 今回、トラブルメーカーのワンさんと行動してませんよ?

 まさかジョさんまでトラブル体質なのか!?

 

 結局のところ、ホテル側の登録ミス。

 本来の部屋が埋まってたので、お高い部屋を安いお値段で段取りしてもらう事に。

 やったね! ラッキー!


 いやいやいや、ラッキーじゃなくて、プラマイ零じゃん!



 そんなこんなで、1日目は強制終了!




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