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灰色と紋なしの少年  作者: 北田シヲン


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6話

仮想空想OP

水曜日のカンパネラ 『シャルロッテ』


 時は遡り…もう一度、5歳のあ(・)の(・)大樹式から2度目の生が始まる。


 1度目と同じ動き、同じ順番、同(・)じ(・)結(・)果(・)。


 大樹式が終わり、シャルは涙ぐんだ母に抱きしめられた。強く、優しい抱擁(ハグ)だ。

そして、小さな両手を母の大きな手がふわっと包み込み、シャルの目を見ながら、言葉を選びながら、口を開く。


「シャルロッテ…貴方は」


 包み込んでいた手に少し力を込め、小さな手を握る。その瞬間、母:マユカ・ラインバッハの前に、突如としてアフロディーテが現れた。


 転移以来の再会。

突然の出来事に固まるマユカ。

アフロディーテはあの頃と変わらない優しい笑顔で、語りかける。


 この時、2人以外のすべての時間が止まっていた。神とその加護者だけの時間:神(・)タ(・)イ(・)ム(・)とでも名付けようか。


 神タイムの終わりとともに、マユカはその場に泣き崩れた。1度目のシャルの死を体感したからだ。

アフロディーテは、1度目のループを凝縮し、マユカに体験させていた。


 苦渋の決断だった。

だが、悲しみや後悔の感情があるからこそ、人は頑張れることも知っている。

だから、それを原動力に、今生こそは…



 マユカは、シャルの目をまっすぐに見つめ、火の灯った目で、決意を口にする。


「今度こそは、絶対に死なせない。シャルちゃんは私が絶対に救ってみせる」


 シャルの目から涙が溢れた。

月・木 更新

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