表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

まずは装騎を選ぼう!

「と、言うことで我々はステラソフィア共同演習場に来ております」

「モナカ先輩、早く準備してくださいよ」

「分かってる分かってるって!」

装備品を揃えたわたしたちは、ステラソフィア学園都市内にいくつかある演習場。

その一つの来ていた。

理由はモチロン、わたしの初バトルをするためだ――!

「装騎バトルには、大まかに分けて『個人戦』『団体戦』『集団戦』の三つがある」

一人対一人で戦う個人戦。

一人対一人のバトルをチームで行う団体戦。

そして、二人以上のチームを組んで戦う集団戦だ。

「基本的なルールとしては、相手の全滅で勝利ってところだな。団体戦や、集団戦では特殊なルールが付加されることもあるけどな」

「特殊なルール、ですか?」

「フラッグ戦や復活戦などのことですね」

「そ、フラッグ戦や復活戦は、ダミー弾とかを使ったスポーツ系の装騎バトルで多い形式だな」

相手拠点に設置されたフラッグを奪取、もしくは敵フラッグ騎を撃破することで勝利となるフラッグ戦。

そして、撃破されても既定の回数だけ再参戦が可能となる復活戦。

それ以外にもいくつかルールはある。

「とりあえず、今日は――2VS2のチーム戦が良いかなぁ」

「本当なら3VS3がやりたいんですけどね……」

「装騎の数が足りねえからなぁ……んで、誰がポップちゃんと組んで、誰を相手にするかだけど――」

「同じ部屋同士、モナカ部長、モッチーちゃん、ブーシュの中からチームを組んでみたらどうでしょう?」

「あ゛あ゛!?」

会長先輩の提案に、ジーナ先輩が何か言おうとするものの会長先輩はそれを無理矢理おし止める。

「ポップちゃんの初めてのバトルですし、その方が良いと。ワタクシは思います」

「会長がそう言うんだったら――――それで良いか?」

「わたしは――構いませんが」

「私もです。ただ、ジーナ先輩が――――」

「ジーナなら大丈夫ですよ。ねえ?」

「う――うぃっす……」

「そ、そうか――分かった。んじゃあ、チームは――――」

「ポップちゃん、と、チーム組みたふー」

不意にそう口を開いたのはブーシュ先輩だった。

ブーシュ先輩の言葉に、

「おお、ブーシュが自分からそんなこと言うなんて珍しい!」

「本当ですね。では、私とモナカ先輩でチームを組みましょうか」

モナカ先輩とモッチー先輩が感嘆したような声を上げた。

「ブ、ブーシュ先輩、よろしくおねがいします」

「よろしく――ぐぅ」

「そんじゃあ、装騎を輸送してもらうか」

「ポップちゃんの装騎は何が良いですかね……」

「使いやすさならブランクフォーとか?」

「アブディエルとかあったらよかったんですけどね……」

モナカ先輩とモッチー先輩が何やら相談しながらSIDパッドを弄っている。

「ワタクシのシェテルを使います?」

「いや、シェテルって紙装甲だし……」

「他のイロモノよりはマシでしょう?」

「いやでも……」

「とりあえず、アタシんちのラドゥエリエルも輸送してもらうわ」

このステラソフィア学園都市は地下に広大な輸送ルートが張り巡らせられており、SIDパッドなどの情報端末を使うことで機甲装騎を任意の場所に輸送することができる。

暫くして、四騎の機甲装騎がわたし達のいる演習場に輸送されてきた。

「機甲装騎――――! これはなんて言う装騎なんですか――?」

「PS-Rad3ラドゥエリエル、PS-She2シェテル、PS-L7ルシフェルⅦ型、PS-04四号J型です」

モナカ先輩の私物だというPS-Rad3ラドゥエリエル。

どこか丸みを帯びたデザインで肘や膝に付いた突起物が特徴的な装騎。

肘や膝には隠し銃器が備わっているらしく、その突起物はその隠し銃器のマガジンだという。

赤く塗られたそのボディは、モナカ先輩の趣味だろう。

「武器は溶砕ヒートクラッシュハンマーと小型榴弾投射砲だぜ!」

会長先輩の私物であるPS-She2シェテル。

細身の体で他の装騎と比べて手足の長さが特徴的な奇形装騎。

軽量さであれば、一般的に最軽量と言われる装騎ヘルメシエルに負けずとも劣らないが、それゆえに装甲もモロく扱いがピーキーだという。

コチラは、優しい菖蒲色で塗られている。

「武器はダガーガンとウェーブシャムシールですわ」

PS-04J--これはどうやら部の所有物らしい。

四号装騎や、ブランクフォーなどと呼ばれるこの装騎は、無骨な古びたデザインでどこか洗練されきっていない感があるがそれもそのはず――この装騎はマルクトで初めて作られた装騎PS-01からの系列で、初めてアズルリアクターが搭載された装騎であるPS-Lルシフェルの1代前の機甲装騎だ。

本来であれば、アズルリアクターを搭載していない装騎なのだが、近代化改修によりアズルリアクターを搭載し、なんとか最低限使えるようにしたJ型というタイプらしい。

「フツーだったら博物館に飾られててもオカシクない代物なのさ~。武器はウェーブハンティングナイフと10mmストライダーライフルだな」

そしてPS-L7ルシフェルⅦ型。

この装騎はわたしも教科書で見たことがあった。

今ある機甲装騎の系譜――その始まりとして作られ、伝説的な戦果を出しこのマルクト神国を軍事大国に押し上げた装騎。

翼を思わせるような背部バックパックが特徴的で、そこにはポリフォニックブースターと呼ばれる十個を超えるメインブースターが備え付けられている。

このルシフェルⅦ型は、モッチー先輩の家から見つかったルシフェルを、第七装騎部が独自に改修した装騎らしい。

「武装は溶斬型フランベルジュと12mmバーストライフル。そして、両腕の霊子展開装置エルストリヒトです」

「とりあえず、誰が何に乗るか決めようぜ」

「ポップちゃんはクセが無い四号が良いと思います」

「そうだなぁ……モッチーはルシフェル乗る? アレ一応お前んちのだし」

「そうですね……ブーシュ先輩は」

「しぇてるぅー」

「ですよね」

「あー、じゃあ、アタシはラドゥエリエルで良いのか」

と、言うことでわたしが04、モナカ先輩がラドゥエリエル、モッチー先輩がルシフェルⅦ型、ブーシュ先輩がシェテルに乗ることに決まった。

「それじゃあ、早速――乗ってみようぜ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ