装騎バトルをはじめよう!
「と、言うことでよろしくなポップ!」
「よろしくお願いします、ポップちゃん」
「よろしくぅ~ポップ!」
「よろしくお願いいたしますわ、ポップちゃん」
「ぽっぷぅ~」
新歓も終わり、無事に入部手続きも済ませた後、わたしは第七装騎部の部室へと足を運んだ。
そして、そこではどういう訳かわたしのニックネームがポップに決定していた。
「カシーネ・アマレロだから、菓子、甘い、レロレロってことでロリポップ――ポップちゃんだ! っていうことでポップに決定したんだ。発案者はブーシュだぜ」
「はぁ――」
まぁ、発案の経緯はともかくとして、思いのほか普通(?)なニックネームで安心するわたし。
だけど、何とも反応しづらいニックネームではある。
「その内慣れるって! それよりも」
「それよりも――?」
「装騎バトルの準備しようぜ――――!!!!」
「「「「おーっ!!!」」」」
「!!??」
ロート――――じゃなくてモナカ先輩の号令に、ほかの先輩方が拳を突き上げた。
先輩方とゾロゾロ6人揃って向かったのはステラソフィア学園都市の中央街。
そこにある装騎専門店であるビッガービレッジというお店だった。
「らっしゃーせー」
「いらっしゃいませー――って先輩! ちゃんと挨拶してくださいよ!」
「こういうのは元気さが大事なんだよ! ダイジョーブだって!」
迎えたのは男女の店員だ。
男性の方はどこか砕けた様子の飄々とした黒髪の男性。
そして、女性の方は真面目そうなセミロングの茶髪に眼鏡をかけた女性。
「ここの店員さんは愉快で面白いんだよ」
「そ、そうなんですか……」
「それはともかく――――装騎バトルに必要なものを一通り揃えるとするか!」
「装騎バトル初心者ですか――――?」
モナカ先輩の言葉を聞いていたのか、女性の店員が話しかけてきた。
「そうなんですよ~。この子ウチの新入部員でこれから装騎バトルを始めるんです!」
「へぇ~、装騎バトル初心者なんて珍しいねェ~。しかも、このステラソフィア学園都市内で!」
「先輩! 失礼ですよ――――っ!!」
その後、女性の店員さんが男性の店員さんに説教を始める。
「ちなみに、女性の店員さんはビッガービレッジ・ユーカさんで、このビッガービレッジの店主のビッガービレッジ・レミさんの妹な。男性の店員さんはムジクレスト・ジュンって名前でユーカさんの高校時代の先輩らしい」
「そ、そうなんですか」
「あと、ビッガービレッジ・ハジメって言う今丁度高校生の弟も居るんだぜ」
「モナカ先輩なんでそんなに詳しいんです――?」
「ここよく通ってるからね」
「は、はぁ…………」
「って、私たちお客様の前で何してるんですか!?」
「まぁまぁ、いつものことじゃないか!」
先輩方も含め、周りに居る客は気にもしてないようで、本当にいつものことらしい。
「もう、先輩はアッチ行っててください!!」
「ちぇー」
ユーカさんにそう突き放され、ジュンさんは唇を尖らせながらその場を後にした。
「それで、これから装騎バトルを始める子は――――」
「この子ですこの子! ポップちゃん!」
「よ、よろしくお願いしますっ」
「はい、それじゃあまずはボディサイズから測りましょうか」
「は、はい――――!」
装騎バトルを始めるに当たって必要な物はいくつかある。
まずは、そもそも装騎バトルと言うだけあって機甲装騎が必要なのは言うまでもないだろう。
さすがに機甲装騎から揃えるのは難しくお金もかかるけど、レンタルという選択肢もある。
わたしの場合、先輩方が言うには部の備品として何体か装騎があるらしいからその点はクリアだ。
「まぁ、ウチの装騎はボロだけどねー。ちゃんと整備はしてるつもりだけど」
「さすがに古すぎますからね……どんな装騎かはあとのお楽しみで」
そんな話をしている間に、ユーカさんがツナギのような服を何着か持ってきた。
「お、きたきた!」
「これは――――?」
「機甲装騎に乗るための防護スーツです。耐刃、耐衝撃性の素材でできているんですよ」
そう、それはパイロットスーツだった。
やや薄手の物から厚手の物、ミリタリーチックな物からシンプルな物など何種類かある。
「厚手の方が丈夫ですが、普通に使う分ではどの防護スーツでも同じようなものです。この中からポップちゃんの好きな物を選ぶとよろしいですよ」
ユーカさんに促されるままに、わたしはセーラー服のような襟が特徴的なやや薄手の防護スーツを選んだ。
「色も選べますよ」
そう言いながら渡されたカラー表――そこには30種類を超える色が載っており、この中から選べるようだ。
「おー、アタシらの時よりも色増えてる!」
「あ、本当ね――――ワタクシもそろそろ買い替えようかしら……」
「オレはこの前買ったばっかだからなー」
「色々あって悩みますね……うー…………」
「ポップちゃんなら――この色とか似合うんじゃないですか?」
モナカ先輩と会長先輩、ジーナ先輩がそう盛り上がり始めた横で、わたしはモッチー先輩とどの色にしようか話合う。
結果――――
「それじゃあわたし――――この黄色いヤツにします!」
黄色に白で可愛くそろえられたセーラータイプのつなぎ。
今改めて考えてみると、意味の分からないことを言ってるような気がしてきたものの、わたしはこのパイロットスーツに決めた。
そして、揃いのグローブに、半長靴、そしてヘッドギアも纏めて試着してみる。
「結構良い感じじゃないか!」
「本当ですね」
「ぐぅー」
「似合ってると思うゼ!」
「これにしますの?」
「はいっ、これにします!」




