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モニカメモ 2

一度広間へ行き、掃除中のゴブリン君の様子を見る。

既に粗方片付いており、改めてゴブリン君の仕事の早さに感心する。

有能な人材に感謝感激。お礼を言って自室に戻った。


……



「あんた、こっちもさっさと終わらせるわよ! むきー!」



サタン様風に、神官のメモへ発破をかけながらテーブルにつく。


ここからは重複部分と、関係なさそうな記録は省いていこう。

よし、作業再開。



『てきにげ』、『ユおう』、『マひきとめ』、『同?』

『ユもどる』、『おくへ』、『ユ穴おちた』、『助むり』



あったあった、そんなことが。

勇者が縦穴に落ちて、救助しようとしたが無理だったってとこか?

状況が目に浮かぶわ。



『ユのみ死』、『自由行動』、『マがすぐいなくなった』



今度は勇者が死んだから転送されたと把握して記録している。

そういえばサタン様、あの日転送されてすぐにダンジョンへ来たな。

神官にばっちりチェックされてるじゃないですか。



『夜マかえってきた』、『様子がおかしい』、『赤い顔で手にスプーン』

『ハァハァ息切れ』、『スプーンを使ってなにを?』、『ヘンタイの可能性』



……


…………ん?



『マ早朝スプーンと布もち出かける』、『赤い顔&シンコクな表情』

『町にいない』、『朝から野外で?』、『マどヘンタイ』



……あれ? おかしいな?

なんか変な方向に進んでるぞ?



『夜マかえってきた』、『スッキリ顔』、『思春期』

『デリケートな問題』、『プライバシー』、『そっとしておく』



脱力。



……あー……

変な勘働かせちゃったのかぁ……

なんか色々と配慮した単語がちりばめられてるし……



あいつ、意外と残念な奴なのかもしれないな。


あーでも、もしかすると仲間をマークする罪悪感とかも影響したのかも。

少なくとも、機械人形みたいな人間ではないというのはわかる。


にしても、ド変態とか書いといてその後プライバシーて。


……


なんにせよ、神官が妙な誤解をしてくれたおかげで

サタン様への警戒が薄れたように読み取れる。


良かったですね! サタン様!



『雨』、『どうくつ着』



ここの辺りから今回の記録だな。

途中神官の推理が迷子になってたけど、

メモの残りもあと僅かだ。やっとだよ。

さーて、あの時何書いてたんだおチビ。



『デジャヴ』、『てき』、『わざと』、『わな』

『ケ死』、『ユ死』、『ばれ』



……こいつ…………



「……」



どう解釈するか……


『わざと』は俺が誘い出そうとしている、と感じたことだとして……

『わな』は?


封印を解かせること自体が罠とは推察しないだろう。

だって俺とサタン様は、勇者達を警戒させないために

こんな回りくどいことをやっているんだから。

さすがにそこまで突っ込んできているとは思えない。


漠然と、『わざと』誘い出すような動きをしているからこれは『わな』に違いない、

みたいな感じか?



「……」



神官モニカのメモは『ばれ』を最後に終わっている。



……どうすっかなこれ。


神官の記録は奪ったから放置するか?

少なくとも今日の記録分の複製はできないはずだが。

うーん……



メモを持ち、テーブルから離れる。

隠し部屋へ入り、メモを書庫に収めた。

自室に戻り、考える。



「……」



こちらから先手を打つことは今まであまりしなかった。

しかしこのまま放置しておくのもリスクのような気がする。

できるだけ不安は解消しておきたい。



……行くか? リスクの芽を摘みに。

複製が無かったとしても、動向を探るだけでもプラスにはなるだろう。

サタン様の様子も気になるし……


よし、行くか。



……べ、別に! サタン様のためじゃないんだからね!



ああ、違。

今やってるの、サタン様のための『勇者誘導大作戦《ゆうしゃゆうどうだいさくせん》』だったわ。

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