第19話
「……」
先程の出来事に対して後悔の念が強くなり、顔を俯けて両手をあてた。視界が再び暗闇に落ち、丁度いいと思った僕は、そのまま今後どうすべきかを考える。
「……」
仮にこのまま学校をサボって無理矢理寝ようとしても、眠気は訪れにくいだろう。
それに順調に睡魔が訪れたとしても、そのまま長時間眠れる可能性は低い。ただでさえ、最近はあっちに行くために頻繁に昼寝をしている。寝不足というわけでもない。
……一刻も早く言葉の続きを聞きたい気持ちもあったが、同時に寝る時間を多く保持し、じっくり話したい気持ちもあった。
「……うん」
心の中で渦巻いていた気持ちを無理矢理せき止めて、僕はベッドから立ち上がる。
急がなくてはセカイに二度と会えなくなるわけではない。それは、今までの傾向からも明らかなことだった。
……焦って、またこの世界に戻されて、セカイとまとまった時間を取れなくなることは避けたかった。それよりは、焦らずじっくりとセカイと一緒に話したい。そんな気持ちだった。
遮光カーテンを開けると、空は快晴だった。あっちの世界では決してみることのない、残酷なほどの青。
「……やっぱり、眩しすぎる」
僕にとってこの世界は、眩しすぎる。