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ハリネズミの毛布 ~お日さまを編むおばあさんの贈り物~

掲載日:2026/05/27

ハリネズミの男の子がいました。

名前はトゲオちゃん。

まだ小さいハリネズミです。


トゲオちゃんは、とっても寒がりさんで、いつもトゲトゲにふくらんで、ブルブルとふるえています。

だから、夜眠る時はたいへん。

ママが、どんなに枯れ葉をかけてやっても、寒くて寒くて、なかなか眠れません。

枯れ葉のベッドにくるまり、ママにギュウっと抱っこしてもらって、ようやくうとうとします。

ママとくっついていると、ポカポカするんです。


ある日。

トゲオちゃんはお散歩をしていました。

お日さまが優しくふりそそぐ、良いお天気の日です。


すると。

森のひだまりの中に、ひとりのおばあさんがすわっていました。

小柄で、ちょっとふっくらした、なんだかかわいらしいおばあさんです。

白い髪をキュウっと結んで、小さな丸いめがねをかけています。

肩には、キラキラ光るショールをかけていました。


おばあさんは背中をまるめて、手に持った銀の棒をせっせと動かしています。

銀の棒が何かを引っかけるようにクイッ、クイッと動くたびに、キラッ、キラッと光がはじけます。

編み物をしているのでしょうか?

でも、おばあさんの周りには毛糸玉はありません。

それなのに、おばあさんのひざの上には、薄い金色の編み物がふっさりとかかっています。


「おばあちゃん、何してるの?」


トゲオちゃんが、おずおずと声をかけると、おばあさんは優しい声で答えました。


「編み物だよ」

「でも、毛糸がないみたい」

「ふふ。お日さまを編んでいるからね」


おばあさんが小さな丸いめがねでトゲオちゃんを見ました。


「おやおや、そんなにトゲトゲにふくらんで。怖くないよ。こっちへおいで」

「ううん、違うの。ボク、寒くてふくらんじゃうの」

「そうかい」


おばあさんは、銀の棒をクルクルっと動かして、見えないところをハサミでチョンと切りました。


「おチビさん、お名前は?」

「ボク、トゲオ」

「そう、トゲオちゃん。このショールをトゲオちゃんにプレゼントしましょうね」

「ほんと!?」


おばあさんが腰をかがめて、トゲオちゃんに薄い金色のショールをふんわりとかけてくれました。

とても軽くて、そして、ポカポカします。

まるで、ママに抱っこしてもらっている時みたい。

それに、お日さまのにおいがします。


「ポカポカだ!」

「ふふ。お日さまだからね。これで寒くないでしょう?」

「うん!おばあちゃん、ありがとう!」

「どういたしまして」


おばあちゃんとさよならして、トゲオちゃんはおうちに走って帰りました。


「見て!ママ、毛布もらった!」

「あらまぁ、これ、どうしたの?」

「森で、おばあちゃんにもらったの。すごくあったかいんだよ!」

「じゃあ、明日お礼に木の実を持って行きましょうね」


ほんとうはショールなのですが、トゲオちゃんにとっては毛布なのです。

トゲオちゃんは、うれしくて、うれしくて、その薄い金色の毛布をかけて枯れ葉のベッドに横になりました。

ポカポカだぁ。眠くなっちゃう。眠くなっちゃう・・・


トゲオちゃんは、ポカポカの毛布にくるまって、朝までぐっすりと眠りました。

でも、朝起きてから、ママにもギュウっと抱っこしてもらいましたよ。


ポカポカで、ポカポカだぁ!


あまえんぼうのトゲオちゃんです。

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― 新着の感想 ―
ああ、かわいい……(ため息) 今回も癒しをいただきました。 月光もいいですが、日の光を編むというのも素敵ですね。おばあちゃんもかわいくて(でも実はただものじゃない)こんなおばあちゃんになりたいと思って…
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