(九)封印
◆ 十 封印
散った核が、凝縮される。
濃くなりすぎた外縁を、希薄が薄める。
責任の座標を、固定が留める。
恨みの直撃を、偏向がそらす。
混線した声を、観測が切り分ける。
後悔の周期を、同調が浅く読む。
透は、自分の一本の隙間を細く保つ。
宮守の術具が、逃げ道を保つ。
白鳥が式守で同期を監視する。
美緒が署名と記録で、人の名前を残す。
篠宮が外側から現場を見張る。
黒瀬が退避線を見張る。
鷹宮が責任を持つ。
土御門が禁忌の線を越えさせない。
最後に、本固定が入る。
地下道の空気が、一瞬だけ止まった。
終わった。
終わらない。
その二つが、同時にあった。
白鳥が、式守の判定を読み上げる。
「本固定、成立」
「残留歪み、低下」
「累積霊障、分解・希薄化・封印へ移行」
旧市営地下道の禁呪由来の累積霊障は、分解され、希薄化され、封印された。
完全に消えたわけではない。
なかったことになったわけでもない。
だが、これ以上広がらない形に留められた。
※第8話「八重結び」は全十二回です。
続きます。
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