*気に障る女
模倣犯と言う言葉から過去犯罪を起こした生徒、または卒業してからことを起こした人物がいるのだろうとセージは予想していたが、名簿にはそこまで詳しく書かれてはいなかった。
そして備考欄にある✓マークは一体何を意味しているのか。ほかの学年の生徒とほとんど交流のないセージはその法則性が分からなかった。
クラスメイトの双子の兄だけならば問題児マークと判断できるが、天願清澄にそれは当てはまらないと頭を悩ました。
分からないのなら聞けばいい。
頃合いを見て担任あたりにまた異能を使って聞いてみるかとセージは切り上げ、一学期の学園生活は終わった。
夏休みセージの恐れていた自体は前触れもなく起こった。
感情にはなったが、衝動的ではなくそれなりに計画し行動した幼馴染たちと決別。
気持だけではなく、足取りもどこか宙を浮いたままのような、この一か月近くセージは夢の中を生きているような気分で過ごしていた。
これからどうするべきか、何も考えていなかったセージはただ何もかもが終わってしまえばいい、そう漠然と考えていた。
そんな味気ない日常に小さな変化が現れた。
特別仲が良かったわけでもないクラスメイトが二人、自分に話しかけてくるようになったのだ。
一体何の目的で?
この時点で幼馴染たちの記憶を奪い、多くの魔法族から魔力を奪っていたセージはそのことがばれたのかと少し考えたが、どうやって?なぜ?という疑問にぶつかる。
そして彼らと仲のいい女子生徒が1人、ふと頭に思い浮かんだのだ。
「あの二人はあなたからの差し金、と言うことでいいでしょうか?」
そう自然に口を出た言葉。
彼女はおかしな存在だった。
一学期、実験の一環で彼女から魔力を奪おうとした。
しかしできなかった。
クラス内にすでにいる魔力の無効化の能力者。彼女もそれに似た能力だと思っていたが夏休みに入る直前、召喚魔法と言うまったく別の異能を発現させた。
ならばなぜ彼女から魔力を奪えなかったのか?
夏休みの間も考えたが答えは出ることはなかった。
不可解な存在。
それは対面し会話をしたことでさらに色濃くなった。
気持ちが悪い。
、彼女はこの場を掌握しているのは自分だとばかりにセージに一切の脅えを見せなかった。これまでの行動もすべて彼女の手のひらの上で行われてきたことだと一瞬錯覚しそうにもなった。
魔力は効かない、しかし物理攻撃ならばどうかそう思ったもののこれだけの余裕を見せられれば迂闊に手は出せなかった。下手をすればそれを理由に教師陣に差し出される恐れがあったからだ。
「セージ君がこちらに危害を加えないというのなら、私も何もしないわ。」
まるでこれからセージが何をするか分かっているかのように彼女は言う。
それがひどくセージには不快だった。




