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私と神様は相性が悪い  作者: 壱花
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53.本当の異能



そもそも『状態変化』という異能がいまいち分からない。

魔力量Sクラスでありながら、特にその片鱗を見せない三浦先生。


「(髪の色とかが変わって超人化するあれ?)」


某長寿人気アニメを思い出しながらも首をかしげる。

今、考えるべきはセージのこれからについてだったが、一度気になりだしたmのを放置するのは気持ちが悪かった。



「聞いてみるか。」

いっそ本人に聞いてしまった方が早いのではないか、そう思った私は教員室へと足を向けた。




「俺の異能?」

「はい。自分の異能を考えていたんですが、何か行き詰ってしまって。先生はどんなものをもっているのかなって。」


相手の異能を聞くことはタブーではない。

中には隠している人も多くいるが、真正面から聞いてみることにした。


「(先生なら言いたくないならそう言うだろうし。)」


「俺のはね。怪我の転移。」


そう、資料とは別の言葉を言われ私はとりあえず首をかしげる。



「誰かが怪我したところを俺の身体に移すことができる能力。驚いた?」


私がよ目を見開いたからだろうか、先生は笑って言った。


「怪我を移すって、それって危なくないですか?」

自分にとって何のメリットもない。

何だってそんな能力を先生が持っているのか、そう問いただしたくはあるがそれは私のキャラクターではない。


私の表情を見て笑っていた先生は表情を戻した。

よほどひどい顔をしていたのか、先生は「大丈夫、大丈夫。」と優しく言う。


「(転移?変化じゃないの?っていうか、あの胃の穴って誰かの代わりに?)」

普段から健康状態がどこも悪くなさそうな三浦先生。

いくらこれから事件続きで、問題児の学年担任だったとしても途中離脱するような人だろうかと読者であった頃から思っていた。


「(胃に穴って言うなら火神先生の方がよっぽどそれっぽい。)」


火神先生は先生で色々規格外なところが分かってきたから、実際はそんなことにはならないだろうが、それを知ったうえでも三浦先生よりは火神先生の方が入院しそうだ。



「ん~、この力は昔、自分が望んで得たものだからさ、そんなに心配するなって。」

苦笑する先生。

私が本気で先生の身を案じ心配してと思ってか、異能が定まった時のことを話してくれた。



先生の弟さんは小さいころ大病を患っていたらしい。

詳しくは教えてくれなかったがこれからの生活がかかった手術の直前、弟さん階段から車椅子ごと落ちあちこち骨折したそうだ。

これでは手術が予定通り出来ない、自分が怪我だけでも肩代わりできれば創先生は祈ったそうだ。



「(こんなまとめ方していい話ではないのかもしれない。先生ももう少し深刻そうに長く話してくれた。でも、私はそれどころではなかった。)」




三浦先生の異能と魔力量。

セージが関わる人すべてに仕えた魔法の正体だ。







「だから頭痛が辛い時はいつでも言えよな!」何て照れ笑いする先生は根っからのお人よしで善人なのだろう。

だからこそのピアス(お守り)


でもそんなことは今はどうでもよくって、セージの思惑が少しだけ分かった。



セージの魔法量については本当のところは分からないけれど、少なくとも関わる人すべてに洗脳魔法を三年間かけ続けるには相当量が必要になることは誰だってわかるだろう。

仮にセージがSクラスの魔法量を持っていたとしてもまだ13歳。

本当にセージ一人でそれだけのことをする力があるのか、これは考察サイトでも疑問視されてきた。



「ねぇ、クー・シー。大変だけれど、もう一度セージのところへ行って来てくれる?」

私は自分の犬に聞いた。

緑の可愛い犬は大きく頷き私を見つめ返す。


「今度は学園から盗んだものではなくて、セージの持っている魔法道具を全部この間のようにコピーしてきてくれる?」


そう、この資料もだが流石に持ち出してしまうと二重の意味で危険。そのため記録だけ取ってくることはできないかと聞いたところケットシーが複製魔法のページを開いて寄こした。

このところ、部屋にある本を読み漁るケットシーは私よりも教科書の中身に詳しい。


「複製、ねぇ。」

図書室にあった呪文集だったが、手順が乗っているため誰でも使える魔法だ。


一年生で習う魔法の中に防音、防魔の魔法があった。

私以外の女子生徒は全員、言われるまでもなくその魔法を部屋にかけている。

私は防犯ブザーの音のため普段は防音の魔法はかけていないが、防魔の魔法はかけている。


つまり


「それはそれは、クー・シーが防魔に引っかからないかと言うことですか?」


私セージのレベルの差が分からない今、下手に動きを見せれば自分の身を危険にさらすことになる。そう危惧した。


「ありえません、ありえません。私たちの力の元は天願様の魔力ですが、そもそも別次元の固体です。この世界の魔法に後れを取ることは万が一にも御座いません。」


そう言い切ったのだ。



「魔法道具、魔法道具。分かりましたか?クー・シー?」

ケットシーはクー・シーに言った。


私の読みが正しければ、セージも私と同じように他者から魔力を貰っている。

もちろん、そんなことを学園側が許すはずもなく勝手にやっているのだろう。

もしかしたら異能は夏休みの期間に生まれ、現段階では発現はしておらずまだ誰も洗脳していないとしても、いずれ大規模に対しての洗脳は行われる。



「(どちらにしても何らかの方法でどこからか魔力を得る必要はある)」


その時に何か道具がなければ力を得ることはできないはずだ。

その相手がモモでも火神先生でもなく三浦先生という所が余計現実味を帯びてくる。


モモはまだ発展途上中の同級生、火神先生は下手に力を奪うと死んでしまいそうだ。



「(先生の魔力は渡さないぞっと。)」

これが神様の望んだ善意なのかは分からない。

少なくとも純粋な相手を思いやってのことではない。


「(でも、止めた方がこの世界のためにも吉。)」


やろとしていることは悪いことではないはずだと、クー・シーを走らせた。


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