31.先生その1
担任の三浦先生は中等部の三年間、この面々の担任でいたが高等部に上がる前に胃に穴があき入院したため途中退場の影の薄い先生だ。
名前は中等部編でちらほら出てくるものの、事件に大きな関わりはないようであくまで背景にいる教師という立ち位置の人。
外見の描写は茶髪にピアスが三つ。その上少々口が悪い人だったからヤンキー上がりの先生を想像していた。
「(まぁ、それ自体はさほど間違ってはいないけれど。)」
癖のある明るい髪。ついでに瞳は緑色。それに気づいた生徒が質問すれば先生は日本人の母親とギリシャ人の父親のハーフだと言った。
さらにピアスは両親と弟からそれぞれひとつずつ貰ったお守り(魔法界産)というのだから、随分と家族思いの先生だと言うことも判明した。
「(染めた色ではなかったのか。)」
喜怒哀楽の感情が激しく、良くも悪くも真っすぐで生徒思い。
ここまでキャラが濃いのなら、原作にももっと登場してもよかったんじゃないかと思えるぐらい真面目で優しい担任だ。
突然の退場に口地封じに殺された説や、状況をいち早く察知し逃げ出した説など上げられたが直接先生を見て、確かに苦労人ポジションだと妙な再発見があり、この人なら本当に胃に穴をあけそう何て不吉な予感もした。
「(この呪いを心配して私の部屋にやたら訪ねてくる先生はこの人だ。)」
属性担当は水で、レベル担当はCクラス。
こんな元気で明るい先生の胃に穴があくとはこれから先、どれだけ苦労をかけるのかと不安になるがその不安は私が取り除こうとしている原作の事件の数々であり、上手くいった暁には先生の胃も守られるのだと少しほっとする。
三浦先生に変わって高等部から担任になったのは設楽先生だ。
ふわふわのくせ毛と垂れた目と線の細い体。どこか中性的に見える優し気なその人は一部で本当の黒幕説が強くささやかれていた人だ。
なぜそんな風にとらえられたかというと、あまりにも意味深なセリフが多く常に慌てることもない。まるでこれから起きることが分かっているかのように落ち着きをはらったその言動にアカヤも少しばかり疑っていた。
『いやですね。偶然ですよ。偶然。』
何てセリフで赤也たちが密談しているところに入っていく様子はまったく隠していない。むしろキヨを監視(という名の見守り)をしていただけではないかという意見もあり、直接対面した今も私には判断がつかない。
属性担当は土、担当レベルはBクラス。
原作ではキヨの魔法を育てた人でもあるから余計に裏がありそうに見えたのかもしれない。
「(まだほとんど会話したこともないし、原作に書かれていない裏設定というものはどれだけこの世界に影響を及ぼすのかは分からない。)」
要観察。
そう判断を付け、今はまだ保留。
設楽先生は何だかんだ最後まで生き残り、気づけばフェイドアウトしていた。
単純に物語上で先生に注視する必要がなかったからという可能性もあるし、あの荒れ狂った世界を正常にするために走り回っていた可能性もある。
ただあの場で名前が分かっていて生存しているキャラクターでフェイドアウトしたのが、設楽先生というだけで
「(あと学園長。)」
学園長は名前も顔も知られていない謎の人だからカウントしていいのか分からないが、最終決戦で生き残っているキャラクターはメインメンバー以外だとしたら先生以外死亡か離脱している。だからこそ余計黒幕なのではないかという意見が出たのだろう。




