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最終話 隠れハイスペックのラブコメは、どうやら老人ホームから始まるらしい

最終話です。






8月中旬のある日。


俺たち二人は、まだ入院しているばあちゃんのお見舞いに来ていた。


「ばあちゃん、お見舞いにきたぞ〜」


「こんにちは、お身体大丈夫ですか?」


「おお!洸夜に夏帆さん!よぉ〜きた!さあさあ、こっちに」


ばあちゃんに促されるまま、俺たちは部屋に入った。


「いや〜見せつけてくれるのお……」


手を繋いで来たので、ばあちゃんは、俺を見て俺たちに言う。


「いや、別に……」


「付き合ってますから、このくらいは当たり前です!」


夏帆はふつうにしているがやっぱり身内からそう言うことを言われると多少の恥ずかしさはあるものだ。


「それに、してもまだ実感がわかないもんじゃのぉ……洸夜と夏帆さんって………親友名乗っていたのに……」


「あんときは、言おうと思ったんだけど、ばあちゃんが先に親友とか言い出したせいでああなったんだよ」


「そ、そうだったのかの?初対面はあんまり仲よさそうじゃなくて、正直、「庇ってくれたからこっちも庇ってあげたし?」的な感じて話してあったからのぉ……」


「あの、心を読み取るのやめてもらえます?」


本当に怖い。


まさか、知られていたなんて………手を繋いでいた夏帆の手の力が一瞬強まったところを見ると図星だったらしい。


なんだよ、テレパシストですか。


これまた強敵だな。


色々な意味で強敵な存在を再認識したところで、


「もう少しで退院ですね」


そう言って夏帆が持ってきた花を渡す。


「それは、嬉しいが、まだかなりの頻度で通わなければならんけどの……」


「それでも、回復してよかったです。聞きましたか?老人ホームが退院祝いでパーティー開いてくれるみたいですよ?」


「え?そうなのか?」


夏帆はにっこり言うが俺は初耳だった。


「うん、おばあちゃんが言ってた」


「そうなのか、多分職員さんたちが頑張ってくれたんだろうな……あとでお礼を言わなきゃだな」


本当に職員の皆さんには感謝しかない。


「それとね!ほら、これ見て!」


夏帆は、持ってきた袋の中から何かを取り出した。


「それは………」


「うん、手持ち花火。まだ打ち上げ花火を見るのはできないけど、これくらいなら大丈夫なはずでしょ?」


夏帆は諦めていなかったのだ。どうしても今年中に花火をしたかったらしい。

俺もその案に賛成だ。


「ばあちゃん、今年は手持ち花火だけど、今度みんなで打ち上げ花火見に行こう」


「打ち上げ花火かの?」


「そう、打ち上げ花火。それが俺たちの目標だから」


「それは、嬉しいのぉ……是非、行こう。四人でな。」


「うん」


また新たな約束が出来た。これも近いうちに叶えたい。


「ところで二人は、付き合っていることを含め、加代さんには、このこと言ったのかの?」


「「あ……」」


まだ正式には言っていなかった。


「わしがついうっかりこの前言ってしまってのぉ……涙を流して凄く喜んでたわい。」


「そ、そうなんですね」


夏帆がジーンときているようだ。


「ちゃんと話すのじゃぞ?」


「わかった」


「任せて下さい」


新たな予定が決まった瞬間だ。

今度、行った時にしっかりと言おう。ばあちゃんに言ったように。


どのタイミングで話せばいいかわからなかったが、しっかりこのことを言えて、伝えることができてよかったと思っている。


やっぱり、大事な人には、長生きしてほしい。


これに尽きる。


そう思っていると、ばあちゃんと夏帆がこんな話をし始めた。


「でものぉ……まさか、夏帆さんが同じ陸上チームにいて、夏帆さんの初恋だったとはのぉ……運命って本当にあるもんじゃな」


「私も、それはびっくりしました。最初、名字が違ったので、ないな〜と思ってたんですけど」


「洸夜が喋ったのか?」


「少し、色々あったときに確か話してくれました」


「洸夜のことだから気付いていたんじゃろうな……あやつ、肝心なこと言わない性格じゃから……」


「なんか、それわかります。でも結局ちゃんと考えてくれてるんですよね〜〜」


「お、流石、洸夜の彼女じゃな。しっかりわかっておる。」


「愛してますから」


「それにしても本当に恋人を作るとは……わし、内心諦めておったのじゃよ。勉強とバイトばかりで洸夜は生涯独身かと心配しておった」


なんか、凄いことに言われたなぁ……


生涯独身って、カッコいいけど、この歳で見切りつけるのもやめてほしい。


「なんか、ラブコメって感じしません?運命の出会いとかあって」


「そうじゃの、恋愛に飢えている、彼女いない歴=年齢の作者とかが書いてそうな小説になりそうじゃの」


「でも、途中で重苦しくなると思いますよ。お互いかなり面倒だったっていう自覚ありますし……」


「人間は面倒だからいいのじゃよ。ぶつかって、そこから生まれるものもたくさんある。わしじゃったら、いいたいことは全部言って本気でぶつかりたいの」


「私もそうします」


「うむ、そうするといい。わしも爺さんの気に入らんところは徹底して言ったし、言われたからの。お互いを理解して歩み寄る。これが夫婦円満の秘訣じゃ。」


「わかりました」


「それにしても本当にドラマみたいな出会いじゃったの。そうじゃ!!このラブコメみたいな、物語にタイトルをつけてみようかの?」


「そういうのってするもんですか?」


なんか、ばあちゃんにへんなスイッチが入っている気がする。


「実は、わしの爺さんがやたらポエムとか小説とか創作をしたがる爺さんでの、わしもそれに感化されたんじゃ」


「そ、そうなんですね……」


「タイトルに洸夜とかいらないからのぉ………」


隣で聞いてるけど、それ何気にひどくない?



「そうじゃの………ここは、無難にこういうのはどうじゃ?」


「え?なんですか?」


――隠れハイスペックのラブコメはどうやら老人ホームから始まるらしい。






はい、これにて本編の方は終了となりました。

この作品は、ラブコメというよりかは、主人公の成長を物語にした感じに近かったでしょうか。

最初はラブコメにする気満々だったんですけどね


処女作であるこの作品は、最初の20日程度は、全然今みたいなpv数はなく全然読まれてませんでした。

それが、読者様のお陰で、ランキングに載ることができたりととても貴重な体験を沢山させてもらいました。


本当にありがとうございます。


この物語の反省点は、出せばキリがありませんが、この反省を活かして、次の作品に取り掛かろうと思っております。


最後になりますが、

この話はもう少し続く予定でおります。

もう遠い過去ですが、作者、かなり文化祭のことしつこく書いてたんですね。

他にも少し書きたいものもありますし、10話までいかないにしてもそのくらいアフターストーリーで書きたいと思っております。引き続き見て頂けると幸いです。(最低でも週一ペースでいきます)


本当に最後になりますが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

ブックマーク、評価を入れて頂けると嬉しいです。


これからは、溺れたクール美女や今日投稿した新作の連載を主体にして頑張ります。

そちらも見て頂けると嬉しいです。

それと、短編の連載版は執筆難航しておりますので、もう少しかかります。

よろしくお願いします。

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