表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/27

おまけ

小学生の頃。


「返して!」


「やだねー」


休み時間。


優は、咲のメガネをひょいと取って逃げていた。


「見えないんだけど!」


「追いつけたら返してやる」


「最悪!」


いつもの喧嘩。


周りも「またやってる」と笑ってる。


咲はむかつきながら、優を追いかけた。


でも急に、足が止まる。


「……っ」


視界がぼやける。


教室の床がよく見えない。


その瞬間。


優が振り返る。


「……あ」


初めてちゃんと見た。


メガネのない咲の顔。


思ったよりずっと、違って見えた。


いつもは強気で、

すぐ怒って、

うるさい幼馴染み。


なのに今だけ、どこか輪郭が違う。


不安そうに揺れる瞳が、やけに目につく。


(……やば)


かわいい、なんて言葉が一瞬よぎって、


優はそれを慌てて打ち消す。


気のせいだろ、と。


なのに視線だけは、すぐには外れなかった。


咲はそんな優を見て、さらに腹が立つ。


「なによ!」


優は珍しく黙る。


咲はメガネを奪い返す。


そして真っ赤な顔で叫んだ。


「優なんか大嫌い!!」


教室が静かになる。


優は呆然と立ち尽くす。


周りが「え、お前泣かした?」とざわつく中。


優だけが、変にうるさい心臓の音を聞いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ