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溺愛されても許しません!~転生したら宿敵がいた~  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【王都】

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22:消すしかない?

 建国王に瓜二つの美しい騎士、ライト・アーク・スタンリーのような殿方が好みなのか――?とオルゼアに問われ、困惑する。


「!? そんな、好みとかそういうわけでは。単純に、授業で習った建国王にそっくりな方がいたので、気になってしまっただけです!」


 まるでノクスのことを好きなのかと聞かれたように感じ、慌てて否定してしまう。ノクスは魔王討伐の仲間であり、頼りになるリーダーだった。そんな色恋沙汰の尺度でとらえるなんて、罰が当たる。


「そんなに否定されなくても。レミントン公爵令嬢は現在、婚約者がいない身なのですから。今ならどんな殿方と恋に落ちても、問題ないのですよ」


「!! それはそうかもしれませんが……。建国王に瓜二つで、しかも王太子様の近衛騎士の副団長だなんて。近寄りがたいです」


「レミントン公爵家の令嬢なのに?」


 オルゼアが食い下がることに、なんとか反論しようと思ったものの。話題を変えることを思いつく。


「私は王都について詳しいわけではないのですが、こんな噂を聞きました。王都には神聖力が強い聖官ではなく、騎士がいると。そんな方、いるのでしょうか?」


 私の問いに、オルゼアの銀色の瞳に、一瞬動揺の気配が漂う。でもすぐにその動揺を鎮め、彼は息を小さく吐く。


「……ええ。いますよ。彼はわたしがいなければ、聖皇になるはずの人物でした」


「まあ、そうなのですね。どうしてその方が騎士で、オルゼア様が聖皇に?」


 無邪気に尋ねると、オルゼアは話してくれた。師匠が調べてくれた内容と一致する話を。でもノクスが暗殺者の黒幕であることまでは、話さない。それはオルゼアの配慮に思えた。私はまだ、ノクスと会話すらしていない。ここで黒幕であると話せば、私が先入観を持ってノクスと接することになる。しかも彼の話ぶりからするに……。


 私がノクスに一目惚れしたとでも思っている? それは大いなる誤解なのだけど。


 いや、でも勘違いさせた方がいいのかしら?

 もしオルゼアが覚醒しても、私が既にノクスを好きと思ったら、手を引いてくれる?


 いや、それはないのでは? 魔王ルーファスなのだ。魔王が手に入られない物はない!とばかりに、ノクスを害するようなことがあってはならないわ! 師匠だったらルーファス相手でも、のらりくらりかわせそうだが、ノクスなら真っ向から挑み、大変なことになりそうだ。


 というか、魔王ルーファスの記憶を取り戻しても、オルゼアは聖皇なのだ。オルゼアはあの魔王ルーファスの生まれ変わりだ!と言っても、誰も信じないだろう。信じないぐらいの実績も、既にオルゼアは積んでいる。


 そう考えると、覚醒したオルゼアをもし闇に葬るなら、ノクスのように暗殺者を使い、消すしかない。


 オルゼアを消す……。


 そうした方いいのだろうか? 魔王の生まれ変わりだからと、何が何でも消し去ることが正解なの? ノクスが今、動く理由は分かる。前世での因果があるから。でも師匠や私は……。


 道連れにされたことへのリベンジ?


 いや、別にこうやって転生できたのだ。リベンジはしなくてもいい。ただ熱烈アピールをされたら困るが、だからって葬り去りたいかというと……。


 チラリと対面に座るオルゼアを見る。


 まさに人畜無害な、大人しい子羊にしか見えない。白い衣装をまとっているから、なおのことそう思える。魔王ルーファスだった時の、あの黒く美しい獣、恐ろしい猛禽類の気配は皆無だ。それは覚醒前だからかもしれないけれど……。


 覚醒もしていないオルゼアを消そうとしているノクス。彼がそうしたくなる理由は分かるが、この時代、この世界で、何も悪さをしていないオルゼアを害そうとするのは、どうなのだろう。


 ノクスと話してみる必要があるかもしれない。


「……いずれにせよ、各種行事、式典、舞踏会、晩餐会と、スタンリー副団長と会う機会はあるでしょう。ただそれは王太子様の護衛として動いているので、私語に応じてくれることはないと思いますが」


 オルゼアは気を使ってか、ノクスと話せる機会について話してくれていた。どうしてもノクスと話したと思ったら、魔法を使えばどうとでもできるから、それはもういい。それよりも……。


「オルゼア様、これが王宮ですか?」

「ええ、その通りですよ」


 王宮のエントランスに到着した。

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