第2話 光を集める少女
光を撮るのが好きだと、ナミは言った。
あの柱のこと。空へ溶けていく人たちの、最後の色のこと。
「こわいって言われるけど、きれいだよ」と、彼女はカメラを胸に抱えて笑った。
浅海ソラと知り合ったのは、図書館の返却カウンターだった。
ソラは一つ上の三年で、夏に部活を引退してからは毎日カメラを提げて歩いている。黒いストラップには、擦れて薄くなった文字で海の名前が縫い込まれていた。
古いフィルムカメラと、学校の新聞部から借りているというデジタル一眼。両方を肩からぶら下げ、静かな目で光を追う。
「消えていく人の『最後の顔』は、本人の許可があるなら、撮る価値があると思う」
ソラはそう言って、白い封筒を見せた。簡単な同意書。撮影の目的と、写真の扱い方が書かれている。
ナミは封筒を抱え直して、彼の横で小さく頷いた。
放課後の町は、やさしい色に見えて、どこか薄く透けている。
立ち入り禁止の黄色いテープの脇に、誰かの置いていった花束。ほどけたリボンが風に踊る。
二人は、光が立ちのぼる予兆を気にしながら、歩く。
ソラは足を止め、空の深さを確かめるみたいに目を細めた。ナミが尋ねる。
「どうして、ソラくんは撮るの?」
「忘れるからだよ。人はすぐ忘れる。怖いことも、だいじなことも。だから写真にする」
「忘れたくない?」
「忘れてもいい。でも、『忘れたくなかった』ことは残しておきたい」
ナミはその答えを、胸のなかで何度か転がしてみるみたいに黙った。それから笑う。
「きれいな言い方するね」
ソラは照れたように肩をすくめ、レンズキャップを外した。
その日、二人は堤防の上で、おばあさんの手を撮った。
おばあさんは孫に囲まれて、少しも怖がっていない顔で空を見上げていた。
「海の向こうに、おじいさんがいる気がしてね」と笑い、指輪の嵌った手を空へ伸ばす。
指先が薄く光り、輪郭がすうっと揺らぐ。
シャッターの音が、風のなかで小さく溶けていく。
ナミは目を逸らさなかった。最後まで、ちゃんと見送った。
「ありがとう」と誰かが言う。言ったのは、消えていくおばあさんだったのか、孫の女の子だったのか、ソラだったのか。わからない。
潮が打ち寄せて、堤防の下で砕けた。
ユウは、その話を廊下の向こうで聞いてしまった。
放課後の図書館前、ナミがソラに笑って手を振る。二人の肩から下がるカメラが同じ方向に揺れる。
ユウは足を止め、少しだけ身を隠した。
胸の奥がざらつく。
写真。光。消える人。
頭のなかの言葉が、砂になって喉を乾かす。
翌日、ユウはわざと遅く教室に入った。ナミと目が合わないように、背を向ける。
午前中の授業はほとんど聞こえない。黒板の文字は形だけで、意味を持たない。
休み時間、廊下の窓から見える空に、白い筋が立つ。誰かの名前は、もう口にしない。
「……春日」
肩を叩かれて振り向くと、クラスメイトの佐伯が心配そうな顔をしていた。
「補習、出るか? 来週からテストだぞ」
「うん。ごめん、行く」
口だけ返事して、足は別の方向へ向かう。屋上。鍵は、今日も開いていた。
風の匂いが強い。
フェンス越しに海が光り、グラウンドの白線が歪んで見える。
そこに、先客がいた。
ナミだった。フェンスにもたれ、カメラを膝に置き、目を閉じている。
ユウは反射的に踵を返した。見つからないうちに戻ろうとする。
「春日くん」
呼ばれて、足が止まる。
ナミは目を開け、笑っている。
逃げられない。逃げちゃいけない。
「君、光が嫌いなんだね」
唐突に言われ、胸が凍った。
「嫌い……か、どうか、もうわかんない」
「うん。嫌いって言ったら、きっと光は悲しむね」
「光には感情なんてない」
「でも、照らされた私たちにはある」
ナミはそう言って、ポケットから小さなものを取り出した。
薄い銀のチェーン。先に、小さな透明の雫がついている。中に砂粒みたいな金色の欠片。
ユウは息を詰めた。
「……それ」
「ミナちゃんの、だよね」
ナミは手のひらの上でペンダントを転がし、そっと差し出した。
「校舎の裏のフェンスのところで拾ったの。あの日のあと、ずっと探してたのに、見つからなかったんでしょ」
ユウの喉がきゅっと痛む。
手を伸ばし、でもすぐには掴めなくて、空中で迷う。
「どうして、君が」
「光を追ってたら、足もとにも小さな光が落ちてくるの。これは、風に運ばれてた」
ユウはやっとの思いでペンダントを受け取り、拳のなかで強く握った。
胸の奥のどろりとしたものに、ひびが入る。
「ありがとう」
それしか言えなかった。
ナミは首を振る。
「ありがとうは、私のほうだよ。光が嫌いな君が、私のこと、まだ見てくれてる」
言葉の意味がすぐにはわからなかった。ただ、口びるが震える。
ナミはフェンス越しの空に視線を戻し、少し声を落とした。
「浅海くんと、町の人の写真を撮ってる。嫌だったら、言ってね。春日くんが嫌なことは、したくない」
「……俺に、決める権利なんてないだろ」
「あるよ。君は私の『見送り方』のひとりだから」
ナミの言葉はさらりとしていたけれど、ユウの胸に重く落ちた。
見送り方。
ミナを、うまく見送れなかった自分。
写真なんて、ずるい。最後の瞬間だけを切り取って、「ちゃんと見てた」と言えるなんて。
心のなかでそう毒づいて、それでも、ナミの横顔から目を逸らせなかった。
その日の帰り道、ユウはペンダントを何度も指で確かめた。
透明の雫を通した夕陽が、指の節に柔らかく広がる。
ミナの部屋の引き出しに入れてあったはずだ。どうしてベランダの外に落ち、校舎の裏まで運ばれたのか。
考えるほど、答えは遠ざかる。
「兄ちゃん」
耳の奥で、小さな声がする。もういないはずの声。
ユウは振り返り、誰もいない夕暮れの路地に立ち尽くした。
夜、夢を見た。
ミナがベランダで手を伸ばし、「きれいだね」と笑う。
あの日と同じ。光が立ちのぼり、髪がやわらかく揺れて、足もとが薄く透けていく。
ユウは叫び、走る。間に合わない。指先が、彼女の袖に触れた——つもりだった。
次の瞬間、ミナの顔がゆっくりと別の顔に変わる。
ナミの顔。
同じ笑い方で、同じ色の涙を光らせる。
「春日くん」
名前を呼ばれた気がして、目が覚めた。
カーテンのすき間に、白いものが揺れた。
窓の外。ベランダの手すりに、夜の海のような髪がかかる。
ユウは反射的に飛び起き、ペンダントを握る。
月明かりが雲から抜け、輪郭が現れる。
ナミが、そこにいた。
白い短いワンピースの裾が風に揺れ、足首から上にかけて淡く透けている。
声が出なかった。
ベランダの鍵を開ける手が震える。ガラス戸が音を立てた。
「起こして、ごめん」
ナミは小さく会釈した。声は風よりも軽い。
「どうして……」
「歩いてたら、ここに来ちゃって」
「夜に、ひとりで?」
「うん。たぶん、眠ってた。気づいたら、ここにいたの。私、最近ね、夜の海みたいに引かれるの」
ユウは彼女の足もとを見た。かすかに床板が透けて、月の光が抜けている。
怖さより先に、守らなきゃという気持ちが胸を埋めた。
「中に入れ」
「いいの?」
「いい。落ちたら困る」
ナミは頷いて、静かに部屋に足を踏み入れた。床に影ができない。
ユウは戸を閉め、カーテンを引いた。月光が薄く布に滲む。
部屋のなかの匂いが変わる。潮と風と、写真用の現像液みたいな、すこし甘い匂い。
「浅海くんにはメールした。『今日はもう撮らない』って」
「撮らない、って」
「うん。春日くんが、光を嫌いなら。今日は撮らない日」
ユウは言葉を探した。
「……ソラのこと、嫌いじゃない。ただ、わからないんだ。写真にするって、なんだ」
「浅海くんは、記録だって言う。私は……記録もだけど、お願いみたいに撮るの」
「お願い?」
「残って。消えても、残って。そうやってレンズに祈る」
祈る、という言葉の軽さに、ユウは少し救われる。
重くない祈り。願いごとみたいな祈り。
「ねえ、お願いがもうひとつ」
ナミが言う。
「ペンダント、見せてくれる?」
ユウは胸もとから取り出し、手のひらにのせた。
雫のなかの金色が、室内の灯りでやわらかく光る。
「きれい」
ナミは顔を近づけ、息を止めるみたいに見つめた。
その瞳が、ほんの一瞬だけ、どこか遠くを映した。
「ミナちゃん、空が好きだった?」
「……ああ。ベランダから、よく星を数えてた」
「じゃあ、きっとこれ、星の欠片だ」
ナミは子どもみたいに言い切って、それから少し恥ずかしそうに笑った。
「ごめん。きれいごと、言ってるだけかも」
「いいよ。きれいごと、聞きたかった」
ふたりの間に、短い静けさが落ちる。
時計の針の音。外の道路を走るバイクの遠い響き。
ユウは気づく。ナミの肩が、少し震えている。
「こわくないって、言ったけど」
ナミが肩越しにささやく。
「ほんとは、すこしだけ、こわい。浅海くんと撮ってると、落ち着くんだ。私の最後が、ちゃんと世界のどこかに残るって思えるから。でも……今日は、残らなくてもいい日がいい」
ユウは、言葉より先に動いた。
そっと、彼女の手を握る。冷たくも熱くもない。だけど、確かにそこにある。
「ここにいろ。朝までいていい」
「ほんとに?」
「うん」
ナミは小さく頷き、部屋の隅に置いた丸椅子に座った。
膝を抱え、額をのせる。
その姿は、ミナが風邪をひいた夜と同じだった。ユウの胸の奥で、やわらかな痛みが広がる。
「春日くん」
「なに」
「光が嫌いでも、私のことは嫌いにならないで」
「ならない」
返した声は、自分で思っていたよりも速かった。
ナミは、どこか安心したように目を細める。
「ありがとう」
それで、十分だった。
やがて、ナミは眠った。
ユウは椅子の背からすべり落ちないよう、そっと枕とタオルケットを置く。布の重みが彼女を通り抜け、床の木目の上で止まる。
触れているのか、触れていないのか、わからない。
窓の外の雲が切れて、また月が射す。
ペンダントの雫が光り、天井に小さな輪を映す。
ミナ。
名前だけを、心のなかで呼ぶ。
返事はない。それでも、胸の奥のどこかが、ちゃんと頷いた気がした。
朝。
目が覚めると、丸椅子は空っぽだった。
カーテンの隙間から淡い光が差し、机の上に小さな紙切れが置かれている。
「おはよう」から始まる、短いメモ。
手書きの文字。
『起こさないでごめん。浅海くんと朝の海を撮りに行く。今日は“笑っている背中”を集める日。春日くんの背中も、いつか。ペンダント、返してくれてありがとう。』
最後の行の横に、小さな星の絵。
ユウは、メモをペン立てに差し、顔を洗って制服に袖を通した。
鏡のなかの自分は、まだ疲れた目をしている。けれど、どこかが軽い。
学校へ向かう途中、堤防のほうからシャッター音が聞こえた。
ソラの低い声。ナミの短い笑い声。
ユウは足を止め、躊躇して、結局そちらへ向かった。
朝の海は、色を選んでいる最中みたいな灰色で、波の端だけが白く光っていた。
ソラがカメラを構え、ナミが被写体と向き合う。
被写体は、新聞屋の配達員の少年だった。
「撮るよ。こっち、見なくていい」
ソラに言われ、少年は自転車にまたがったまま、海と朝日を同時に見るみたいに遠くを見ている。
シャッターが切られる。
ナミは、少年の背中に向けて手を振った。
少年は振り向かず、片手を上げる。
それで、十分だ。
ユウは二人に近づいた。
「おはよう」
声をかけると、ナミは振り向いて、嬉しそうに目を見開いた。
「春日くん」
ソラは会釈し、少し首を傾げる。
「……来たんだ」
「見に来ただけ。文句、言いに来たわけじゃない」
ソラは口角だけで笑って、カメラの電源を落とした。
「よかった。文句なら、図書館のカウンターで受け付けることにしてる」
「なんだそれ」
「小さな冗談」
くだらない会話。けれど、必要だった。
ナミがユウの袖をそっと引く。
「ねえ、今日の放課後、屋上で会える?」
「いいよ」
「話したいことがあるの。浅海くんのプロジェクトのこと。それから……私のこと」
ユウは頷いた。
波の音が近づき、また遠ざかる。
ソラがレンズを拭く指先に、薄く震えがあるのを見た。
彼だって、平気な顔をしているだけなのかもしれない。
写真を撮る人は、強いから撮るのか。弱いから撮るのか。
ユウにはまだ、答えがなかった。
その日の授業は、少しだけ聞こえた。
数学の関数が、波の形に見える。国語の詩に、海と光の言葉が重なる。
昼休み、佐伯がパンを二つ持ってきて、机に置いた。
「昨日の返事、まだ本気か? 補習」
「……本気だよ」
「なら、五時。職員室前集合な」
佐伯はそれ以上追及せず、紙パックのミルクティーを差し出してきた。
ユウは受け取り、ストローを差す。甘い。
甘さが、思っていたよりもちゃんと味がする。
放課後。
屋上の鍵は、やっぱり開いていた。
ナミはフェンスの前に立ち、風に髪を遊ばせている。
彼女の足もと、影はまた少し薄くなっている気がした。
「浅海くんのプロジェクトの名前、『光の図鑑』っていうの」
ナミは話し始めた。
「名前だけはやわらかいね」
「やわらかくしたいんだって。固い言葉で固めると、怖さだけが残るから」
「……載りたいのか、そこに」
ナミは少しだけ黙り、やがて頷いた。
「うん。載りたい。私の最後が、誰かのページの間に、そっと挟まっていてほしい」
「俺は、まだわからない」
「わからないままでいてくれていい。春日くんが『嫌だ』って言ったら、私はやめるよ」
「それも違う気がする。俺のせいにしたくない」
「じゃあ、私のせいにして」
ナミはふっと笑った。
こんなときに笑える人は、強いか、壊れかけか、その両方だ。
フェンスの向こう、遠い港に白い線が立つ。
人々のざわめきが町のどこかで起き、やがて静まる。
ナミの手首の痣は、昼間よりも色が浅い。けれど、目を凝らすと、内側から淡く光っているのがわかる。
ユウは言った。
「……もし撮るなら、俺もそこにいる」
「見送り方、してくれる?」
「うん。逃げない」
ナミは目を閉じて、深くはない呼吸をひとつ整えた。
「ありがとう」
それだけ言って、彼女はフェンスにもたれ、夕陽を見送った。
日が沈む瞬間、誰もいなくなったベンチの背もたれが赤く染まり、それがすぐ冷める。
そこに、たしかに今日があった。
夜、ユウはまた夢を見た。
でも今度は、ミナもナミも消えなかった。
ふたりは並んで、ペンダントの雫を覗き込み、同時に顔を上げる。
「走って」と、ミナが言った。
「撮らせて」と、ナミが言った。
ユウは笑って、目を覚ました。
カーテンを開けると、月はもう高く、雲はどこにもなかった。
ベランダには誰もいない。でも、手すりに小さな指の跡が潮で残っている。
そこに、昨夜の体温が、微かに残っているような気がした。
次の朝、浅海ソラが職員室の前でユウを待っていた。
「少し、時間いい?」
ユウは頷く。
「話がある。誤解されたくないから」
ソラは屋外のベンチへ歩き、鞄から封筒を出した。例の同意書。
「撮る撮らないは、ナミが決める。君も決めていい。俺は、頼まれたことを丁寧にやるだけだ。ねじれたらやめる。騒ぎになったら消す。怖くなったら逃げる。それでいいと思ってる」
拍子抜けするくらい、弱い宣言だった。
ユウは思わず笑った。
「弱いな」
「うん。だから、見ることだけは強くいたい」
ソラはそう言って、古いフィルムカメラをユウに渡した。
「触ってみる?」
ユウは受け取り、そっと構える。ファインダーを覗くと、校舎の壁が四角い枠のなかで少しだけ違うものに見える。
見られているから、世界が形を変える。そんな錯覚。
「重い」
「責任が入ってるから」
ひどく青臭い会話。でも、いまはその青さがありがたい。
夕方、海の防波堤。
ナミは白いシャツに紺のスカート、髪は後ろでまとめ、風でほどけかけている。
ゆっくり歩き、立ち止まり、海に背を向けて笑う。
ソラが距離をとり、シャッターを切る。
ユウは少し離れた場所で、そのすべてを見ていた。
見送り方は、いくつもあっていい。
カラスが一羽、空を横切る。遠くの灯台が早めの光を点す。
ナミがふいにこちらを見た。
「春日くん」
呼ばれて近づくと、彼女はそっと手を伸ばし、ユウの胸に触れた。
そこに、ペンダントがあると知っているみたいに。
「ねえ、お願い。次は、君の走る背中が見たい」
ユウは、答えなかった。代わりに、靴ひもを結びなおした。
砂地を蹴って、小さく走り出す。
潮の匂い。風の音。心臓が跳ねる。
ソラのシャッターが、遠くで一度だけ鳴った。
夜。
窓の外には、誰もいなかった。
でも、月明かりは薄く部屋を照らし、机の上のメモの横でペンダントが小さく光っている。
ユウはベッドに仰向けになり、目を閉じた。
光が嫌いだと、もう言わない。
好きだとも、まだ言えない。
その間にある言葉を、今は知らない。
——世界が少しずつ終わっていく。
けれど、その少しのあいだに、集められる光が確かにある。
ナミが集めているのは、たぶん人の「さよなら」の形だ。
ソラが撮っているのは、きっと人の「またね」の形だ。
ユウが握っているのは、たぶんそのどちらでもない。
でも、どちらにもなれる。
そんな気がして、心が少しだけ軽くなった。
そして深夜。
ユウは寝返りを打ち、目を開けた。
カーテンのすき間に、また白いものが揺れた気がして、そっと立ち上がる。
窓を開ける。
外気は冷たい。
誰もいないベランダ。
手すりの上に、光の粉のようなものがほんの少し、たしかに残っていた。
指先で集めてみると、それはたちまち消え、空に溶けた。
遠く、海のほうで小さな柱が立つ。
ユウはペンダントを握りしめ、静かに目を閉じた。
——明日、走ろう。
誰かの見送り方になるためじゃない。
自分の「またね」を、自分で決めるために。




