着替え
離れの二階の未使用の部屋の一つを他人が入れないようにしておいた。最初からこうすれば良かったのだ。自分の頭の悪さに泣けてくる。いや、後悔をしている場合ではない。私は外に出た。
館に向かおうとすると温室でマンゴーの水やりをしているアンジェリカさんを発見した。
「アンジェリカさん、これから遺跡に行きませんか?もう毒は大丈夫みたいです。」
アンジェリカさんの顔がぱっと輝いた。
「本当?!でもランドール達に見つかったら面倒ね。うーん、いいわ、このまま黙って行っちゃいましょう!」
私は別に構わないけど領主の奥様が黙っていなくなったら大変なのではなかろうか。
「いや、誰かに伝えないとまずくないですか?」
私はアンジェリカさんを説得して館に向かった。ランドールさんに遺跡に行くと伝えると意外にもあっさり承諾された。
「旦那様やハロルド様もいらっしゃるのですから大丈夫でしょう。お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
アンジェリカさんに瞬間移動で大丈夫か確認したら
「それは絶対誰も体験した事がないわね。是非お願いするわ。」
と興奮気味に言われたので
「じゃあ行ってきまーす!」
と言ってその場で遺跡のロッカー室に瞬間移動した。
ランドールは特に驚かなかった。レンなら何をしても不思議ではないともう理解していたから。ランドールは何事もなかったかのように仕事に戻った。
遺跡のロッカー室に着いた私は一応みんなにアンジェリカさんも来た事を伝えようとしたが、
「そんなの後でいいわよ。早く遊びに行きましょ!温水プールに行ってみたいわ!」
私はまず自分が魔法で水着に着替えてから
「私の故郷ではプールではこういう水遊び用の水着に着替えるのが普通なのですがこちらではどうですか?」
「水遊びをする時は普段より薄手の服を着るのだけどこういう素材の物は初めて見たわ。レンが着ているのは可愛らしい感じだけれど、別のデザインの物もあるのかしら?」
私は自分では絶対選ばないセクシーな感じのビキニやワンピースタイプの水着をいくつか魔法で出した。アンジェリカさんは赤のビキニが気に入ったようだ。着替えの前に長い髪を魔法で出したヘアゴムでまとめて貰った。
「レン、悪いんだけど下着をはずすのを手伝ってくれる?」
アンジェリカさんの下着はなんか締め付けが激しそうな背中で紐をきつく結んであるものだった。私は四苦八苦しながら紐を解いていった。
「いやあ、すごく苦しそうな下着ですね。信じられない。」
こんなに胴体を締め付けなくてもアンジェリカさんはスタイル抜群なのに。
「そういえばレンの世界ではどんな下着を着けているの?」
水着に着替え中の目のやり場に困る格好のアンジェリカさんの前に私が普段使っているスポーツタイプの下着や下着屋さんでみた色とりどりの下着を出してみた。
「まあ、なんて素敵なの!レン、館に帰ったら色々試してみてもいいかしら?今はプールに急ぎましょう!」
私達はプールに飛んで行った。
「凄い!こんなの見た事ないわ!何?あの大きなすべり台!レン早速行くわよ!」
アンジェリカさんが私の手を引いて走る。
「滑るから気をつけてくださ~い!」
駄目だ。聞いちゃいねー。私はアンジェリカさんのなすがまま走った。
もう何回滑り降りただろうか。アンジェリカさんはボートのような物に乗るタイプのスライダーが大変気に入ったらしい。途中から水丸も参加しだした。
《レン、これも面白いね~!》
水丸はボートのふちに上手く乗っかりながら遊んでいる。怖くないんだろうか。このボート、着水すると勝手に上にもどる。おかげで最初はいきなりプールに落ちて鼻に水が入った。アンジェリカさんはそれすら楽しんでいる。普通怒りそうなもんなのに。
「レン、あれも滑るわよ!」
ボートタイプは満喫したのかアンジェリカさんが指差したのは水丸のお気に入りスライダーだ。
「いや、あれはちょっと傾斜が急過ぎませんか…?」
「何言ってんの!だから面白そうなんじゃない!」
《わー、レンもやろ!あれ凄い楽しいよ!》
マジで?!無理無理!なんでやねん!そんな私の気持ちはまるっと無視され私はアンジェリカさんに急傾斜のスライダーに連行された。




