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誤魔化しても無駄


「ヨゾラは毒の森に行ってます。」

遺跡の事はまだ黙っていたい。あれはヤバい。面倒が起こる事は確実だ。

「なんで竜があんな所にいったのかね?なんか竜の気になるものでもあったのか?」

はい。ありました!なんて言えるはずがない。

「私がこの世界に最初に転移してきた場所の話をしたら、あそこは昔は普通の森だったはずだとヨゾラが言って、それで気になるから調査すると…」

領主さんは少し驚いた顔した。

「そうだったのか。で、毒の原因は判明したのか?」

「ヨゾラによるとあそこは浄化のし過ぎだと…」

みんなが不思議そうな顔をする。

「浄化がなんで毒になるのかね?意味が解らないのだが…」

やっぱりそう思うよね。良かった、私と同じ感想だ。

「ヨゾラが言うには、人や魔物は身体の悪い物を全部無くすと生きていけないらしいです。私も納得いかなかったのですがヨゾラは害になる魔物がいるからといって全部の魔物を倒せば人が生きていけないのと似てるとか何とか言ってました。」

みんな微妙な顔をしてる。

「なんだかよく解らないのだがあの森では殆どの魔物や人が生きられなかったのは事実だしな。で、あの森がそんなに浄化されていた原因は判ったのかね?」

「今ヨゾラが調査中です。」

領主さんが私をじっと見つめる。

「竜があの森をそんなに熱心に調査する理由はなんだい?長年探していた日本人のレンと離れても良いくらいの興味を引くものがあの森にはあるのではないか?」

駄目だ。やっぱりごまかしきれる自信がない。

「…はい。えっと危険な物ではないのでその話は後日でいいですか?」

領主さんはにっこり笑って言った。

「レン、今すぐ話を聞こう。我が領内の新たな発見なのだろう?領主の私は直ちに把握しなければならん。」

ですよね。私は全部話す事にした。

「実は森の地下に遺跡があって、そこから浄化の力が漏れてたんです。で、漏れの原因は施設を稼働すれば自動修復するみたいなので稼働させました。ヨゾラはあんなにきれいに残っている遺跡は初めて見たそうで今夢中で遺跡をいじってます。」

「浄化の力が漏れてた?稼働させた?竜も初めて見た遺跡だと…?」

領主さんが混乱している。ジェロームさんは呆然としている。

「レンも遺跡の中を見たのでしょう?どんな感じだったの?」

アンジェリカさんが目をキラキラさせながら私に訊いてきた。

「私の故郷にあるのとよく似た施設でした。温泉や温水プール、ボウリング場などがあって、要するに遊んだりゆっくりしたり出来る施設ですね。ただ、今ヨゾラが改造しているようですが…」

アンジェリカさんが私の肩をがっしりとつかんだ。

「レン、絶対に私も連れて行って。まだ毒が残っているかもしれないからすぐにとは言わないから。お願い。約束よ。」

私は何度も縦に首を振った。

「レン、なんで竜に改造なんかさせているのだ?大発見かもしれんのに何故…」

領主さんが私を少し非難するような目でみた。

「あの遺跡を稼働させる際にうっかり代表所有者がヨゾラになってしまったからです。」

領主さんはぽかんとした後頭を抱えてうなだれてしまった。その後気を取り直した領主さんはハロルドさんを呼び出すよう使いを出し、私達はとりあえずカレー店や砂糖の実の件を話し合った。砂糖の実はジェロームさんも好きに持って行って貰う事になった。ジェロームさんがどうしても代金を支払うと言うのでお金の件は領主さんとジェロームさんでやり取りしてもらう事にした。私は面倒くさいし、領主さんから貰ったカードもあるのでそれで良いと思う。

応接室のドアがノックされハロルドさんが部屋に入ってきた。私の方をチラリと見て

「ジェグラシム様いかがなさいましたか?またレンが何かやらかしましたか?」

と言った。私だって最初から問題を起こそうとした訳ではないんだけどな。

領主さんがハロルドさんに毒の森で遺跡を発見し、それを現在ヨゾラが改造中であることを伝えた。所有者がヨゾラであることも。ハロルドさんも頭を抱えてうなだれてしまった。

「レン、とりあえず俺とジェグラシム様もその遺跡を見てもいいか?」

私は明日案内すると二人に約束し離れに戻ってからヨゾラに話をするため遺跡に瞬間移動した。

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